大鐘稔彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんとなく購入。チームバチスタ以来の医療系。
専門用語が多く、自分は医療系なので抵抗なく読めたが素人には無理な文章だろうと思った。(だからレビューが少ないのか)
甦生記念病院を追われた当麻と矢野は台湾の病院で引き続き外科のオペ中心の生活を送っていた。追われた病院へは新任の外科の医者が就くが評判が良くない。甦生記念病院へ当麻がいると思い、就職願いを出した静岡の医者大塩は当麻が台湾へいってしまう情報を掴み、がっかりする。そんな大塩のもとへ「エホバの証人」(輸血を禁じられている宗教)の患者が来院する。自分では輸血なしで到底できない手術だがあの当麻ならできるかもしれないと患者へ当麻を紹介したいと思う -
Posted by ブクログ
古巣の病院で盲腸の手術中に起こった麻酔事故で患者が脳死、ついには訴訟問題に発展。院長はアルツイマーと、転落の一直線。とうとう身売り。。。ということなんでしょうか。
それにしても、「一時間そこそこの麻酔で4万円弱の手当てが入る。それに当直料3万円で計7万近くを一晩で稼げる。」(本文より引用)というのがお医者さんの収入水準のようです。お医者さんの質というか品格のようなものが、本書で登場するキャラクターのように、ここまで善悪の区別がはっきりするのなら、保険点数の一律何点でなく、もうちょっと格差のつけようを考えてもらいたいものですが、現実世界では、良い医者と悪い医者、そうは簡単でないんでしょうね。
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Posted by ブクログ
前作「孤高のメス」の印象から、どうしても優秀な外科医を軸にし、医学界の暗部をリアルに織り交ぜた小説という感触が有ったが、本作はあくまで末期がんを患った女性の許されざる愛を中心に描いたヒューマンドラマであるといえる。以前のレビューでも書いたがそういう意味では今回の本のタイトルは大失敗だと思う。
前作では大学病院の腐敗部分を背景に臓器移植という先端医療を緻密に描写することで物語の世界観をリアルに作り出していた。 それ故に登場人物は否が応でも人間臭く、読み手は自然に嫌悪感を抱いたり、好意を抱いたりした。
本作品では乳がんという女性としての尊厳を奪う病気を中心に据えることで、医学的な側面が物語