大鐘稔彦のレビュー一覧
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生体肝移植の結果を見たくて4から6を購入したのに、最初から随分とストーリーが飛んだ内容だと我慢して読んでも繋がらず。よく見たら続編の完結編である4だった。古本屋だったが、前編と普通に並んで売っていた。今日、別の店でも同様に並んでいるので、他の人も間違って買ってしまうと思う。
と言うことで、都合6冊を飛ばして結論編だけ見た感想では、随分と医療より恋愛に傾いた印象。当麻先生の婚約者の父親が、再度の肝移植のために妻と娘の適合を検査すると、娘の癌が判明。手術しても完治は困難と思われるが、当麻先生はどうするか。手術は誰がどうするか。最後はどうなるか。純愛物語で、本来は涙が流れるのも当たり前なのに、間違っ -
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手術自体は成功しても、その後予断を許さない状況は続くことがある。この第4巻は幼児への生体肝移植を巡る医療従事者たちの一喜一憂と、それに対するマスコミの対応が印象に残る。
我々は報道されたものが真実と捉えてしまうが、必ずしもそれが正しいとは限らない。そこには報道者側の捉え方が大きく左右しているからだ。画期的なことが起きた場合、肯定的に捉える向きもあるが、やはり状況が芳しくないと否定的に捉えられてしまう。最善を尽くしたにも関わらずそのように捉えられてしまうと、尻込みしてしまいなかなか後が続かない。
本巻は、そういう意味ではタイトルにある当麻鉄彦が主人公というよりは、寧ろ生体肝移植を行った第二 -
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医療行為の是非が問われている内容である。一人の患者を前にしたとき、そこに施されるべき医療は何か。助ける方法の選択肢が一つしかない場合、それを採ればいいと思うが、もしそれが実施例がないものだとしたら。
成功すればヒーローと崇められるかもしれないが、失敗した場合はバッシングは免れない。バッシングで訴訟問題まで抱え込むと、この世の中、風評が一気に広がることは必至。そうなると訴えられた病院は患者が減り、他の病院は患者が増え、結局は患者へ十分な医療行為が行えない。それを恐れ、保守的な傾向にならざるを得ない理由もわかる。しかし、一か八かでもその方法しか救えないとなると、みすみす何もせずに命をあきらめる -
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全6巻約1900ページの大作。本書はその第1巻。
大学病院という枠を離れ、国内の病院で研鑽を積み、肝臓移植を学ぶため単身渡米した主人公・当麻鉄彦。彼には地域でも都会の病院に負けないような医療を提供するという目標があった。アメリカでも惜しまれつつ帰国した当麻は琵琶湖のほとりの民間病院に空きが出たこともあり、そこに赴任することに。しかし、医師不足からどうしても医局から医者を派遣してもらわなければ回らないという民間病院の状況。派遣された医師のなんともテキトーくさい対応。当麻はそんな中でも淡々と仕事(難手術も含む)をこなし、周囲の信頼を得る。
大学病院と民間病院。この二者の問題を皮切りに日本の医 -
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古本屋で纏めてあったので取り敢えず1-3の3冊を購入。医者が書いた医療の本だが、熱い人間ドラマでも無く、医療技術の頂点を目指す内容でも無い。「泣くな研修医シリーズ」に近いかも知れない。
とにかく主人公が淡々としている。外科手術医として高名な医師の後継に望まれても、別な世界を求める。招聘されても医長を望まず副医長となり、また敵対している相手の失敗でも責めていない。目指すのは僻地医療で何でもできる医者。著者の現在を調べると、確かに淡路島の診療所にいる。高度に専門化した現在の医療とは一線を画している。
ただ、最後の章は疑問を残した終わり方で、次の本に続けさせる工夫がされていて読まざるを得ないのがズル