千葉雅也のレビュー一覧

  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    古代ギリシアはついていける。納富さんはソクラテスの弁明を翻訳した方だったので見覚えあり、しかし、中世哲学、ルネサンス哲学をちゃんと読むのはほとんど初めてだった。とても理解できたと思えないけど、存在と本質、キリスト教との関係は頭の体操のようで面白い。

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    2024年11月24日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    学者へのインタビュー形式というのが面白かった。
    古代ギリシャの話に関しては、改めて勉強になることがあった。
    中世は難しい。歴史的経緯はなんとなくわかって来たが肝心の思想や哲学についてはどうも腑に落ちなかった。

    各先生オススメのブックガイドがついているのが良かった。
    これを参考にして興味のある年代を深掘りしようと思う。

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    2024年11月22日
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版

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    読み応えのある本。本で読んだ後、2回Audibleで聴いた。まだまだ理解(消化?)しきれていないけど、この作品でも紹介されていた「完全な読書」は、そもそも不可能。現時点の自分では、ここまでの理解なのかなと自分を納得させた。

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    2024年10月28日
  • デッドライン(新潮文庫)

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    良い小説だなと思った。場面転換が頻繁にあるのだけれど、話をぶったぎるなんてものは全く感じなくて、まるで映像(映画のような)の視覚効果のような気がした。
    その色々な場面のなかに「僕」と「先生」の会話があるのだけれどそれが重要な気がする。でもちょっと難しくもあり完全に捉えることができなかった。
    そして何より誰にでももある(あった)であろう、あの年齢の時のあの空気感がすごく出てる。友達と夜中ドライブにいったり、ご飯を食べたり、引越作業だったり、家庭のあれこれ...。青春小説かな?不思議だ。
    後半に知子と電話する場面で知子の視点が出てくるのだけれども、それがどういう意味だったんだろうって今考えている。

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    2024年10月02日
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版

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    千葉さんの本は気になっていたけど難しそうなイメージ。Eテレの番組で「勉強したくないときに読む本」の一冊に取り上げられているのを見て、初めて読む気になれた。
    読んで正解!勉強に対する着眼点がかなり独特で、なのに物凄い説得力。

    深く勉強するとノリが悪くなる、や、勉強とは獲得ではないこと、中断しても勉強として成り立つなどなど。

    忘れたくない勉強との向き合い方をたくさん教えていただき、好きな文に付箋貼りまくりでした。

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    2024年09月19日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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     「哲学の名著50冊が1冊で学べる」という本を読んだのだが、どうもマスターした気になれないので本屋で平積みされていた本書を読むことにした。古代ギリシャ哲学についてはとてもわかりやすく面白かったが、中世からルネサンスに進むにつれけっこうキツくなってきました。
     この第1巻はとても良い本だと思います。現在第2巻を読んでいるのですが、カントがキツイです。共著本を読んでいつも思うのですが、やはりわかり辛い点が出てくるので、一人の著者が書いた本の方がいい。カント哲学をわかりやすく書いた本はないのかい、超越論的とか定言命法とかもっとやさしく書けないのかねぇ。

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    2024年06月30日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    わかりやすかった。哲学史は今まで勉強してきてなかったが、本文に入る前の事前知識のページである程度理解してから読めるのでマジおすすめ。

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    2024年06月21日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    古代-中世はあまり触れてこなかったので、新鮮な読書でした。

    しかし、アリストテレスとプラトンの間で揺り戻しが頻繁に起きたり、そもそも中世の哲学者はプラトンやアリストテレスを基礎に置き発展させるという取り組みに注力している印象を受け、どんだけ偉大なんだよ!という畏敬の念を禁じ得ません。

    概論をサラッとさらうことができましたので、個別のテーマは参考文献で深ぼっていこうという意気込み。三部作とのことで、早々に第二部へと移ろうか。

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    2024年06月18日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    ところどころ面白いのだが(千葉雅也さんとか、納富さんの「三角形のイデアは〜」とか)、これって結局、高校で倫理やってないとその面白さがわからないんじゃないのかなぁ、と思ってしまう。教科書の教えない歴史を面白がるには、教科書にあるような「正史」を知らないといけない、みたいな。一般的な哲学史を知っていれば「メウロコ」のところも多い。その点、読者を選んでしまうかもしれない。

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    2024年04月15日
  • アメリカ紀行

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    素晴らしいエッセイ。千葉さんの思想、体感、そして、そう感じてしまう文化構造が吐露されていて、一気に読んだ。

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    2024年04月03日
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    短編で川端康成文学賞の受賞経験のある著者。そして今回は芥川賞候補作品の今作。
    たしかに捉えどころがない感は川端康成の小説を読んでいるときの、それと近い。
    著者とは同い年のため、1995年の頃のバブルが弾けた後の社会のざわついている感じや、インターネット黎明期という未知のものへの期待感、それに逆行した古いものへのノスタルジーは、肌で感じたので懐かしさを感じた。
    ただ、著者がこの作品で何を言いたいのかはうまく読み取れず、、、。
    著者が哲学者である所以か、再読しないと掴めなそう。

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    2023年08月31日
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    「デッドライン」「オーバーヒート」と進み、今回は主人公が高校生。「デッドライン」で孵化しかけて、「オーバーヒート」で蝶々になって、この「エレクトリック」はさなぎという感じ。高校生なので家族と住んでいて、そのかかわりを丁寧に描く。最後には自らを目覚めつつある性への扉に近づく。

    舞台は宇都宮。雷都に雷様、なじみのある土地なので、主人公の鉄道沿線の家とか、最後の繁華街の描写は、あそこらへんなのか?などと想像してしまった。また主人公の家は街の中心部からは少し離れていて、中心部に行くことを「街へ行く」といっているのは、同じだなあ、などと思った。

    2023.5.31発売

    「新潮」2023.2月号掲載

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    2023年07月10日
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    まずはじめに否定しておきたいのだが、この作品の紹介で、男性同性愛者と知り合う(かもしれない)男子高校生、という記述があり、この作品はその様な事象を主な題材とした作品なのか?、と捉えてしまいそうになるが、それは作中の主人公の好奇心の一端であり、決してそれが主題では無い。

    主題、と言うか時代背景、は1995年という極めてピンポイントな「年」である。この「年」を通過した者なら誰もが実感するように、年初から立て続けに大地震、テロ事件、が起き、そして何よりWindows95が世界中で発売されて一部の者はその「世界中」と繋がりうる「インターネット」の可能性に大いに心震わせた「年」である。

    主人公の多感

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    2023年07月10日
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    つい先日、金原ひとみさんが編んだ『私小説』で覚えたばかりの著者のことを、ポリタスの石井千湖さんが紹介していたので読んでみることに。
    小説の舞台となった時代、大きな出来事が起こったあの年のこと。激しい雷鳴やインターネットの接続音が聞こえ、土地勘のある宇都宮の景色‥当時、暮らしの中で見聞きしたニュース、感じていた希望や不安などが次々に目に浮かぶようで一気に読んでしまった。

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    2023年07月07日
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    ギリ幻想じゃない平成について、懐かしさと憧れを感じてしまった。エヴァをリアルタイムで触れる高校生。それらの固有名詞に一定の距離感を持ってる感じも、潔さがあっていい感じもした

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    2023年07月02日
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    1995年、この年は本当いろんな出来事があった。
    地下鉄サリン事件、阪神淡路大震災など、目まぐるしく変わる日常のなか、本作は、そんな時代背景をもとに、東武宇都宮駅中心に物語が進んでいく。主人公達也は、父、母、妹の4人家族で高校生だ。父は、広告業で、自分で会社を経営している。ある時、父は取引先のためにアンプ制作を実行するために、インターネット接続を達也にまかせた。当時はネット黎明期、そこで、達也はある
    コミュニティを見つける。自分の新たな扉が開かれる。第169回芥川賞候補作。

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    2023年06月26日
  • デッドライン(新潮文庫)

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    ネタバレ

    哲学がエンタメとなって、元々哲学に関心のなかった層にも手の届くところまで降りてきた、というイメージを持った。國分功一郎さんの本が話題になったりと、最近フランスの現代思想の流行を感じるが、少しでも齧ったことのある人は楽しめる作品になっていると思う。

    主人公は同性愛者の院生で、ドゥルーズの生成変化について修論で書くことになる。ドゥルーズ+ガタリの『千のプラトー』には、人間、男性、支配者→動物、女性、支配からの逃走という生成変化について語られている(らしい。未読で、本書に出てきた内容をうろ覚えのまま書いているのでご参考までに)
    「ドゥルーズは、生成変化を言祝いだわけです」という先生の言葉が印象的。

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    2023年05月02日
  • デッドライン(新潮文庫)

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    正直な感想は序盤は退屈かつ、時系列が複雑な場面転換についていけず読みづらかった。
    しかし、最後まで読むと、序盤〜中盤までのつかみどころのない話が意味を持つ。
    繰り返して読みたい作品のひとつになった。
    はっきりとした起承転結があるわけではないので、他の感想でもあるように退屈と感じるかもしれない。王道の小説(事件があってそれを解決するような)が好きな人には向かない作品だなとは思う。

    裕福な家庭の〇〇(主人公)が大学院で修論を書きながら、大学院の友人たちとの交流やハッテン場で相手を探し行為をいたすのはとても詳細だが淡々としていて、失礼ながら「THE自堕落な生活」。
    その中で、フランス思想や荘子など

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    2023年04月02日
  • アメリカ紀行

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    例えばメンターみたいな人と話してたら、会話の端々に「なるほど」と頷くようなことあるじゃないですか

    そんな本です

    短期留学先のアメリカでのふとした日常をきっかけに哲学的思考を少し広げ、それをつらつら書いてる

    大風呂敷感がないのが良い
    所々難しいけど

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    2023年03月02日
  • デッドライン(新潮文庫)

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    おもしろかった。何が面白かったってとてつもない衝撃があったわけでも、特段感動があったわけでもないが、この小説でしか感じられない不思議な、ある種「放り投げだされた」感覚になる。それがまた面白いのだ。だって、小説が読者を放り出すのだから。しかし、これは、少しの哲学の知識か、著者千葉雅也の他の書籍などを読んでいると面白さは倍になる気がした。

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    2023年02月25日