千葉雅也のレビュー一覧

  • デッドライン(新潮文庫)

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    おもしろかった。何が面白かったってとてつもない衝撃があったわけでも、特段感動があったわけでもないが、この小説でしか感じられない不思議な、ある種「放り投げだされた」感覚になる。それがまた面白いのだ。だって、小説が読者を放り出すのだから。しかし、これは、少しの哲学の知識か、著者千葉雅也の他の書籍などを読んでいると面白さは倍になる気がした。

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    2023年02月25日
  • デッドライン(新潮文庫)

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    ネタバレ

    長らく積読の状態で読めていなかった、千葉雅也さんの小説デビュー作『デッドライン』を読んだ。ページをめくり始めてから、最後まで止まらなくなる。こうした小説に出会える機会は年々減っているから、初めて読書の悦びに目覚めた中学生の頃を思い出して嬉しくなる。ありていに言ってしまえば、全ての私小説は当人にしか書けない。それは当たり前にしても、『ライティングの哲学』などでも披瀝されていたように、“書く”ことを“書く”ことのメタ的な次元で実践してきた千葉さんだからこそのスタイルが、物語の形で表現されていたのは瞠目した。散文的でありながら、真正面の哲学が文学と絡み合うように、溶け合っている。思想と文学の両方を愛

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    2022年11月14日
  • デッドライン(新潮文庫)

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    ネタバレ

    千葉さん、小説書いたんだね。

    対象として好き(=欲求?)なことと、
    なりたいと思う(=憧れ?)こと、
    似てるようで違うことだよなあと。

    あと、誰からも連絡のない一日というものを
    もう経験することがないのではと愕然としたり。

    ドゥルーズを修士論文のテーマとする
    哲学科の大学院生が主人公。

    ドゥルーズの生命哲学のエッセンスが
    こめられているものと思う。

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    2022年09月08日
  • 言語が消滅する前に

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    対談形式は諸刃の剣みたいなもので、両者の対話がマッチしているとすごく良いが、そうでない場合はあっさりと読む気を失ってしまう。中間はあまりなくて、良いか悪いかどちらかに偏る傾向がある。
    本書はお二人の相性がよく、それぞれが良い味を出している前者の好例だと感じた。

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    2022年05月20日
  • 言語が消滅する前に

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    石丸現象に即応する感じの対談。

    再読なので、それ以外ではパターン認識にしてしまわずに、中動態。スイッチ一発での切り替えのような反応に抗う気持ちがあった方がいいのだろうな。する、でも、されるでもなく。
    でないと、言葉の自動機械って感じになるか、メディアの濁流に飲み込まれるか、だな。

    まぁ、AIが全面展開したらもう、言葉でもないのかもしれんけど。

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    2022年02月18日
  • 言語が消滅する前に

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    20世紀の哲学は、言語論的転回ということだったんだけど、その「言語」が消滅しているという。ならば、21世紀の哲学はどうなのか?

    みたいな問いがあるのだが、直接的にそれを考えるというより、SNS、ポピュリズム、コロナなどなど、今起きていることを例にしながら、ぐるぐると周りながら、その問題に近づいていく感じ。

    もちろん、答えはないのだけど。

    言葉の力をもう一度取り戻すこと。それは、一種の貴族的、権威的なものの復活なのかもしれない。

    そして、しばしば思考のプロセスのなかで参照されるのが、アレント。國分さんは、フランス現代思想を踏まえつつ、スピノザの研究を起点にさまざまな思考を展開されているの

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    2022年02月13日
  • 言語が消滅する前に

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    『暇と退屈の倫理学』の國分氏と、『勉強の哲学』の千葉氏の対談。大学院の先輩後輩なのだと知る。

    LINEのスタンプの話があって。
    言葉を交わすことから、視覚的な情報の一コマにまで簡略化されたやり方で事足りるようになった。
    紡ぐものには、意趣や考えの余地があるけれど、スマホは言葉を〝予測〟さえしてくれる。

    ガラケー時代には絵文字一つで送ることに難を示したり、感情を読み取りきれない距離があったはず。
    私がスタンプだけのやり取りに抵抗があるのは、ある意味当然だったのだなぁ。

    以下、印象に残った箇所の引用。
    大きく三つが自分の気になっているポイントらしいと分かった。

    中動態的な教育の在り方のこと

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    2022年02月06日
  • 言語が消滅する前に

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    「責任回避論」のところが面白かった。ケーキ屋さんでの例え。相手に(お客)に改めて確認することによって「私は、ちゃんと確認しましたよね」というような自分が責任を負わなくても良くするというくだり。なんでも「責任」を追求してしまうあまり、社会や人間関係が窮屈になっているような印象を抱いていたので。どこかで逃げ道を用意しておかないとならないんだな・・・。今読むべき本だと思う。

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    2022年01月08日
  • 言語が消滅する前に

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    ネタバレ

    今をときめく國分さんと千葉さんの過去からの対談をまとめた本。ご本人たちも述べられていたが、別々に企画されたとは思えないほどに一貫性のある対話になっている。後から編集したこともあるだろうけど、筋は通っている。
    そこで語られているのは、エビデンス主義というか、責任と主体の問題というか、言語なき透明なコミュニケーションの問題というか、抽象的な個人を想定した上でのコミュニケーション、責任の問題なのだと思う。要はそんな個人であり続けることができる人はいない、極めて少ないにもかかわらず、そんな個人であることが要請され続けているということ。
    そんな状況を脱するために複数の時間性の確保とか、文学的な言説とかの

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    2021年12月30日
  • 動きすぎてはいけない ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学

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    アラン・バディウはドゥルーズの思想に潜在的な全体性の肯定を見いだし、そこにファシズムの危険性が伏在していると批判しました。著者はこうしたドゥルーズ像に抗して、「接続する」ドゥルーズと対置される「切断する」ドゥルーズ像をえがき出し、とくにそれが存在論においてドゥルーズ以後のメイヤスーやマラブーといった哲学者たちの思想とのつながりが見られることを明らかにしています。

    前半では、ヒュームやベルクソン、ニーチェといった哲学者たちをドゥルーズがどのように読み解いたのかを明らかにしています。とくにヒュームをめぐる議論では、カントの超越論哲学からヒュームへと引き返すことで一元化に抗する個体化の原理の意義を

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    2021年02月20日
  • 動きすぎてはいけない ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学

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    千葉雅也(1978年~)氏は、フランス現代哲学及び表象文化論を専門とする、立命館大学大学院教授で、2013年に発表したデビュー作の本書で表象文化論学会賞を受賞した、現在注目される現代思想家のひとり。
    本書は、難解な哲学書ながらベストセラーとなったことは有名。単行本の帯には、1980年代のニューアカ・ブーム時のベストセラー『構造と力』の浅田彰と、1998年に『存在論的、郵便的』で注目された東浩紀が推薦文を寄せている。
    私は、千葉氏と同じ高校出身ということもあり、本書もいつか読んでみたいと思いつつ、ドゥルーズはじめ現代思想に関する予備知識なしには、正直全く歯が立たず、今般、文庫版(2017年)に収

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    2020年12月12日
  • ツイッター哲学 別のしかたで

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    千葉雅也(1978年~)は、フランス現代哲学及び表象文化論を専門とする、立命館大学大学院教授で、2013年に発表したデビュー作『動きすぎてはいけない―ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』で表象文化論学会賞を受賞した、現在注目される現代思想家のひとり。
    本書は、2014年に単行本で出版された『別のしかたで~ツイッター哲学』の新版で、元版に含まれていた2009~2014年のツイートに、2019年までのツイートを加え、内容と配列を修正したものである。元版は、配列のせいか、正直なところ雑然とした印象が拭えなかったのだが、新版は、章立てになっていて、とても読み易くなっている。
    著者は、「ツイッター哲学」と

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    2020年11月09日
  • 高校生と考える世界とつながる生き方 桐光学園大学訪問授業

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    「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
    と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。

    この本の中で出張授業をされる先生たちは
    もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
    そして、聴いている対象者たちは 中学生、高校生たち
    その語り口が そのまま 一冊の本にまとめられました

    その「語り口」を読んでいて
    冒頭の三浦綾子さんの言葉を思い起こしたのです

    本当の専門家は
    ただ感心させるだけでなく
    それなら 僕も(私も) 何かやってみよう
    そんな気にさせてくれる方なのです

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    2016年07月05日
  • センスの哲学

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    センスが良くなるヒントがあるのかと思って読むと芸術論と哲学の話だった。餃子は音楽というパワーワードだけ印象的だった。

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    2026年03月22日
  • 哲学史入門Ⅰ  古代ギリシアからルネサンスまで

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    『哲学史入門1』を読みました。古代ギリシアからルネサンスまでの哲学史を、インタビュー形式で解説しているためとっつきやすく、読み進めやすい構成になっています。また、それぞれの時代ごとにおすすめの本がブックガイドとして紹介されており、興味を持ったテーマをさらに深掘りできる点も良いと感じました。

    学生時代にはソクラテスの考えを「無知の知」と習いましたが、現在では「不知の自覚」と表現されることもあると知りました。ソクラテスが「無知」と「不知」を使い分けていたという点も初めて知り、印象に残っています。知識は定期的にアップデートすることで、自分の「不知」を少しずつ減らしていきたいと感じました。

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    2026年03月07日
  • 現代思想入門

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    哲学前提知識無しでトライしてみましたが、理解できる瞬間がありました。それでもほぼほぼ咀嚼できていません。
    一通り流し読みして付録部分を読んでください。
    その上でもう一周すると受け取り方が変わりそうです。

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    2026年02月24日
  • センスの哲学

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    ネタバレ

    センスとはリズムだというのは面白い。たしかにリズムとか存在、不在の観点を持つと抽象画の鑑賞にいくつものヒントが生まれた。ぼんやりとしか見えなかったものにとっかかりが見えてくる。ぼんやりとしか見えなかったものを細分化することができるようになる。やはり鑑賞のコツは細分化で、鑑賞のセンスとは細分化の手法をいくつも知っていることなのかもしれない。
    燃えるような青の話も面白い。遠い位置に存在するように思える言葉同士の距離が縮まるとそこに深い意味があるように感じられる。
    後半は平易な文章で抽象的なことを言っていて難しい。あんまり理解できていない。簡単なところはわかる。個性はその人特有の偶然性。とか面白い。

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    2026年02月23日
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版

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    アイロニーとユーモアは深化と進化に対応するかと感じた。いずれもどちらか一辺倒ではなく、バランス良く突き進める必要があることを学べた。
    この本を読んで、自分は周りの環境に思っていた以上に依存し影響をうけているんだと気づいた

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    2026年02月11日
  • 現代思想入門

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    硬派で厳かで格式高い文章ではなく、フラットで温和でフランクな文章。読者への向き合い方、難解な内容を平易に読みやすく下ろすという姿勢が良かった。あとがきにある著者の思いを読み、内容の広範さ、重厚さ、軽妙さに納得した。

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    2026年02月05日
  • 現代思想入門

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    現代思想における入門書のための入門書という位置付けだが、マジの初心者にとっては少し難しい内容も含まれる。
    それでも、おそらくこれ以上に現代思想を分かりやすく解説してくれる本はないんだろうなと感じたし、全部を理解できなくても読み応えがあり、満足感のある書籍だった。

    もし本書を前から順に読んでいてくじけそうになった人は、P215 付録 現代思想の読み方 を先に読んでみることをおすすめする。難しい文章を読むコツが書いてあるし、何より千葉雅也さん自身もデリダとかの文章は難しいとおっしゃっていて、自分だけじゃなかったんだと安心しますし、わからなくても読んでみようという気になります。

    さて、本書の内容

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    2026年01月24日