千葉雅也のレビュー一覧

  • 現代思想入門
    フーコー、ドゥルーズ、デリダを中心に、現代思想展開を追う。
    引用なども入り読解の実例を挙げながらは面白い。肩の力を抜いて読解しようみたいな姿勢は好きだが、後半はオーディオブックで読解するにはハードルの高さを感じた。
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版
    実用に落とし込むまでにはかなり大変そうですが、勉強という概念を捉え直し、今後の人生で勉強とどう向き合うかという姿勢を考えるのに大変に役立つ本でした。
    とても読みやすくわかりやすく解説されているし、図解も入るのでありがたい。途中専門家向けの章があってあまりの違いに驚きました。
  • 現代思想入門
    二項対立の考え方から、デリダ、ドゥルーズ、フーコーが考えるそれぞれの脱構築に対する考え、ニーチェ、フロイトが提示する無意識の流れなど、現代思想の根源についてイメージする事ができる良本でした。哲学的、物事の理解や捉え方は各々で良いと思うし、その考えを表現していく為の基礎になるようなものが学べたと思いま...続きを読む
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版
    印象に残ったフレーズ、受け取ったこと
    ・決めつけてもダメだし、比較検討し続けていてもダメ。比較する→決める→比較する を繰り返す事が大切
    ・勉強はいつ始めても良いし、いつ中断しても良い
    ・質の良い本を読む事は良い勉強につながる
    ・読書の仕方にルールはない
  • 現代思想入門
    私には読み通すのはちょっと難しいかなと思ったが、新書No.1というので手に取った一冊。入門というだけあって、分かりやすかった。現代思想というのは昔からの流れに添っているのだなということが、少しでもわかって良かった。頭のいい人が分かりやすく話すのを聞くのはすごい好き。
  • 現代思想入門
    哲学は抽象的で形而上学的な議論がメインのイメージがあったが、本書を通して、哲学は地に足の付いた内容で日常生活とも地続きであると気づいた。
    例えば、ニュースでも勝ち組/負け組などYES・NOの二項対立で議論されるケースが多いが、これも現代思想の観点で読み解くことができる。著者は、デリダ、ドゥルーズ、フ...続きを読む
  • 現代思想入門
    わかりやすい言葉でデリダ、ドゥルーズ、フーコーを中心にした哲学を教えてくれてとても面白かった。今の時代を生きるための考え方が学べると思う。

    巻末に、本書は「こうでなければならない」という枠から外れていくエネルギーを自分に感じ、それゆえこの世界において孤独を感じている人たちに、それを芸術的に展開して...続きを読む
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版
    勉強の仕方、ではないかも。
    しかし私には為になった。
    考えかたもそうだし自他というか
    環境(自身の周りの雰囲気)を
    少し分析しやすくなった気がした。
    そのおかげで冷静さが身に付いた。
    よく考える。
    ということを大切にしたいと思う。
  • 現代思想入門
    哲学とはそのものが目的でなく、それを用いて社会を分析するツールとなりうる。
    デリダ・ドゥルーズ・フーコーの脱構築は、二項対立を留保し、問題をとらえなおすことで、考えをより広げ、深めるツールである。
    単純化したら台無しになる複雑なリアリティを単純化せずに考えるために、現代思想を学ぶ意義がある。これによ...続きを読む
  • 現代思想入門
    著者の千葉雅也さんはドゥルーズのファンだそうで、ドゥルーズの章では力が入っているように感じました。この本は、物事の対立構造(善悪、良し悪し、勝ち組負け組など)に対して「脱構築」という思考のメスを入れるやり方を教えてくれます。一回読んだだけでは全てを理解するのは難しいですが、感情や時勢に惑わされない思...続きを読む
  • 現代思想入門
    私は、「哲学=難しい思想を難しい言葉で綴る、一般人には理解し難い抽象的な学問」と認識していて、どっちかというと宗教とかそっち系に近い印象を持っていた。これまで哲学の本は読んだことがなかったが、この本が話題になって気になったので読んでみた。

    意外に面白い
    意外にロジック的な学問

    というのが率直な感...続きを読む
  • 現代思想入門
    わかりやすいという以上に全体を通して想定読者に対しての優しさみたいなものが通奏低音になっているように感じた。窮屈で生きにくい社会でなんとか生き延びていくための武器、いや身を守る鎧としての現代思想。本書が新書大賞を受賞する程読まれているというのは嬉しいことですね。現代思想の構造をメタ的に捉えた「現代思...続きを読む
  • エレクトリック
    短編で川端康成文学賞の受賞経験のある著者。そして今回は芥川賞候補作品の今作。
    たしかに捉えどころがない感は川端康成の小説を読んでいるときの、それと近い。
    著者とは同い年のため、1995年の頃のバブルが弾けた後の社会のざわついている感じや、インターネット黎明期という未知のものへの期待感、それに逆行した...続きを読む
  • エレクトリック
    「デッドライン」「オーバーヒート」と進み、今回は主人公が高校生。「デッドライン」で孵化しかけて、「オーバーヒート」で蝶々になって、この「エレクトリック」はさなぎという感じ。高校生なので家族と住んでいて、そのかかわりを丁寧に描く。最後には自らを目覚めつつある性への扉に近づく。

    舞台は宇都宮。雷都に雷...続きを読む
  • エレクトリック
    まずはじめに否定しておきたいのだが、この作品の紹介で、男性同性愛者と知り合う(かもしれない)男子高校生、という記述があり、この作品はその様な事象を主な題材とした作品なのか?、と捉えてしまいそうになるが、それは作中の主人公の好奇心の一端であり、決してそれが主題では無い。

    主題、と言うか時代背景、は1...続きを読む
  • エレクトリック
    つい先日、金原ひとみさんが編んだ『私小説』で覚えたばかりの著者のことを、ポリタスの石井千湖さんが紹介していたので読んでみることに。
    小説の舞台となった時代、大きな出来事が起こったあの年のこと。激しい雷鳴やインターネットの接続音が聞こえ、土地勘のある宇都宮の景色‥当時、暮らしの中で見聞きしたニュース、...続きを読む
  • エレクトリック
    ギリ幻想じゃない平成について、懐かしさと憧れを感じてしまった。エヴァをリアルタイムで触れる高校生。それらの固有名詞に一定の距離感を持ってる感じも、潔さがあっていい感じもした
  • エレクトリック
    1995年、この年は本当いろんな出来事があった。
    地下鉄サリン事件、阪神淡路大震災など、目まぐるしく変わる日常のなか、本作は、そんな時代背景をもとに、東武宇都宮駅中心に物語が進んでいく。主人公達也は、父、母、妹の4人家族で高校生だ。父は、広告業で、自分で会社を経営している。ある時、父は取引先のために...続きを読む
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版
    勉強の本質についてここまで哲学的に考察できるのはすごい。大学時代にこれを読んでいたらもっと面白かっただろうが、社会人としての勉強をするにしても大事なことが書かれている。
    勉強について著者の考え方を綴っておく。
    「可能性をとりあえずの形にする。言語はそのためにある。…夢や希望を抱くことができるのは、言...続きを読む
  • 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版
    現代哲学者による、勉強のプロセスを構造的に描き出したもの

    ドゥルーズ&ガタリの哲学、ラカン派の精神分析学、分析哲学における言語論を踏まえているらしいが、全く難解な書き方をしていない。
    途中から読み出すと訳の分からない単語が多いが、順に読んでいくと不思議なほどわかりやすい。