千葉雅也のレビュー一覧
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ネタバレ第4章あたりまでは、めちゃくちゃおもしろい!分かりやすく噛み砕いて説明してくれているんだろうなと感じたし、共感できる思想にも出会えた。ただ、5章以降は、正直難しくてついていけなかった。なぜ難しいと思うのだろう。なぜピンとこないのだろう。抽象的過ぎるから?概念の話で、自身の想像力が及ばないからなのか…。
個人的には、フロイトの汎性欲論や、デリダの二項対立の脱構築が特に好きだし、共感出来たし、自身の人生に取り入れたい思考だと感じた。
ドゥルーズの章で述べられていた、自己啓発的なアドバイスには、人間にある種の決めつけを提供する情報ことで安心させるものが多いのではないでしょうか。という、自己啓発の捉え -
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勉強に対する新しい考え方を学べた。勉強を進めていくことは、ノリが悪くなることだという。勉強を進めていくにつれて、人と話が合わなくなることは当然で、じゃあその問題とどう向き合い、乗り越えていけばいいかまで書かれている。
まず、勉強を深める根本の考え方として、「言語それ自体」のあり方を考え直す、つまり言語を決められた用法"道具的"としてではなく、言葉遊びのように言語を"玩具的"に使用する考え方が必要である。言葉の捉え方としてこういう発想はなかったので今後意識していきたい。
勉強の進め方として、「アイロニー」と「ユーモア」という言葉を用いて説明している。ア -
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「勉強とは“変身”である」。この一言が、本書全体を貫くキーワードだと感じました。
読んでいて特に印象に残ったのは、「脱ノリ」という概念です。いまの自分がなんとなく慣れ親しんでいる感覚や思考の“ノリ”から意識的にズレること。これが学びの本質だという視点にはハッとさせられました。
私自身、ビジネスでも趣味でも「自分の成長ってどうやって実感できるんだろう?」と感じることがありますが、千葉さんはその疑問に対して「今の自分の文脈を壊すこと」「ノれないことを受け入れること」こそが勉強なのだ、と応えてくれている気がしました。
また、「小説的に世界を捉える」という視点も面白かったです。論理だけでなく、感情 -
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わかりやすい小説よりも、情景をイメージできるような物語の内容意外の文章そのものに引き込まれる時間が好きで純文学を選ぶことが多いのですが、「何を読んでいるの?どんな話し?」と聞かれて、ひとことでは言えずに
「えっと…」と言葉に詰まることがよくありました。
大好きなのに、どんな話かと聞かれるとパッと答えられない。
きっと15分くらいはかかりそうなんだけど、まず引かれるだろうなと思って伝えられません。
まさしく、千葉さんがいうリズムなのだと感じました。
楽しいとか悲しいとかそういう感情よりも手前にある細かな描写を楽しんでいる。
それでいいんだ と思えました。
言語化するとこんなにもスッキリするんです -
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こう言ってはなんだが、この本に書かれていることは恐らくさほど目新しいことではない。それでも紛れもなく読む価値のある本、そして青二才が言うのもなんだが「もっと若いうちに読んでおけばよかった本」の一冊だ。
前半の原理編の内容は、非常にざっくりと意訳すれば「人は変化する過程で、一時的に浮ついた状態に(=キモく)なる」「勉強すれば、周りに流されず自分をしっかり持てるようになる」「決めつけをせずに、考え続けることが大切だ」といったもの。こうして切り出して見てみればどれも当たり前のこと、少なくともこの本を手に取るような人の多くが無意識的にせよ了解していることではないだろうか。
その上で本書の価値は、こ -
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ごくごく親しい友人間で今までやってきたことを肯定されたような、行為を上手く言語化されたような、そんな感覚を持つ。
文学系の学生界隈では、定義を定めたり根元に立ち返りたくなったりすることが多くてこれは結構皆そうなんじゃないかなと思うが、凡例を出しまくって更にその凡例をあげつらって話を広げていくので「これ何の話だっけ?」となることが往々にしてある。私鉄の地図記号の、横に一本通っている道から、縦の線を無数に引き伸ばすような感じ。際限がないんだよな、あれ。あと、そう、ハシゴを外すといおうか、JRに乗り換えるならまだしもタクシーとかバスとか自転車とか徒歩で行くとか宇宙浮遊してみる、とかの類の会話の飛躍 -
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以前、電子書籍で読んだときは何だかあんまり文章が頭に入ってこなくて、そのまま途中で投げちゃった本。
今回『センスの哲学』が出て、それに合わせて哲学3部作と呼ばれる『勉強の哲学』『現代思想入門』そして『センスの哲学』を合わせて読んでみるかと思い、再度、今度はデータではなくフィジカルで読んでみた。
そしたら前回あんだけ頭に入ってこないのはなんでなんだ? ってくらいにスルスル頭に入ってきた。
いや、これは面白いわ。
勉強ってものをここまで深く考えることがそもそもなかった。だがこうして哲学的に言語化されてみると、なるほど! と膝を打つ瞬間が多くあった。
そして勉強の深度を深める方法もあるのも、実践とし -