是枝裕和のレビュー一覧
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ケン・ローチ監督最新作『オールド・オーク』を観て、彼のことがさらに気になって本書を読んだ。
是枝監督はローチ監督を師匠と仰ぐほど尊敬しているが、彼の左翼的で一貫した社会主義とその主張を前に、もう少し是枝監督自身は自分の解釈を観客には押し付けられない、だから解釈を観客に委ねる。
という両者の作家性の違いがよくわかった。
これを読んだあと、2026年5月号のキネマ旬報で本書以来7年ぶりとなった対談を読むと、お2人の価値観はまるで変わらず一貫しているなぁ、と思った。
一点気になったこととして、この本はお二人の対談の前後に、対談を振り返って思うことやコロナ禍の社会、映画にできること、をそれぞれが語るパートがある。
正直それが冗長的に感じたし、なぜそのような構成になったのか、あまりわからず、ちょっとだけ退屈してしまった。 -
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ネタバレ【あらすじ】
重盛朋章46歳は同僚の摂津大輔53歳、川島輝29歳達と弁護士として働いており、食品加工工場の社長・山中光男を殺した元従業員の三隅高司の弁護をすることになる。三隅は30年前に強盗殺人で2人を殺害しておりその家ごと燃やしていて無期懲役の仮釈放中だった。
三隅の供述は二転三転し重盛達を翻弄する。山中光男にレイプされていたと話す娘の咲江、夫による娘へのレイプを見て見ぬふりして食品偽装も隠し通した社長夫人・美津江。三隅の供述は美津江をこらしめ咲江を救うためのものなのか。そう考えた重盛は真実を隠蔽し、検事達も三隅の否認を黙認、裁判長も訴訟経済を優先し公判を続けた。三隅は最後まで真実を話すことなくただ1人裁かれる。
【感想】
テレビも週刊誌も現実も嘘ばかりでその中の真実をかぎ分けて生き抜いていくのが本当に大変だと感じる。優しい嘘って?正義って?真実って?人それぞれ見方も違ってよくわからなくなってくる。
映画の役所広司、斉藤由貴、広瀬すずの配役がぴったりで、この深くて重いSTORYを見事に演じてたと思う。 -
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ネタバレ著名な方々(山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一、永田和宏)の講演・対談集。この著名人の中に興味がある人がいれば楽しめる。何者でもなかった頃、いわゆる若手時代が語られている。自分に響いた箇所は以下。
「どうしたってインターネットで得られないものがある。それは、考え方です。知識をどう使うか。どうやっておもしろいことを見つけ出すか。」
「人間の一番重要な能力は、諦めないということです。動物はできなかったら諦めちゃう。人間はしつこいんです。」「失敗しても失敗しても諦めない。だから人間は空を飛べるようになったし、海中深く潜れるようになったし、様々な道具を発明して、人間の身体以上のことができるようになった」 -
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ハッキリとした結末が分からないということで、それを良しとするか、モヤモヤするからイヤだという意見で真っ二つですね(笑)。
小説(映画)としてならば真実を明らかにして欲しいのは読者としては当然の感想でしょうが、でも実際の犯罪で全て裁判で真実が明らかになるの?と言われれば、いまだに分かっていない事件も数多く残ってます。和歌山のカレー事件とかもそう。今、世間を騒がしている松本人志さんの報道だって、おそらく最後まで本当のことは闇の中でしょう。
その意味では、わからないまま裁判にかけられる、という現実世界のリアリティはあるのかも。
最終的にはやはり好き嫌いになるんだろうけど。 -
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映画のノベライズ本である。
だから当然だとは思うけれど、読んでる間、頻繁に役所広司と福山雅治と広瀬すずの顔がよぎった。
映画のノベライズ本である。
だからなのか、小説として面白いのかは分からない。
三隅が、僕の頭の中で、役所広司の圧倒的な演技を伴って迫ってくるからである。
役所広司以外で、この役をできる人がいるだろうか。
柄本明。
香川照之。。
小日向文世。。。
全然違う作品にはなるだろうけど。
映画のノベライズ本である。
映画には映画の、映画的に表現された「行間」があるとすれば、この本を読むことで、答え合わせというか、作品として何を表現したかったのか、二重に楽しめます。