是枝裕和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画に納得がいかず, 小説に手を出してみた。
映画では感じることのできなかった心理描写があって分かりやすくなっていたけど, やはり映画のスタンスと同じで, 社長を殺したのが誰なのかは最後まで明かされないし, あの段階で犯人性を争うと言い始めた三隅の想いも語られないため, こちらで想像する他ない。
邦画にありがちな展開なのに何でこんなに腑に落ちないんだろうかずっと考えてた。
多分私は物語を追ううちに, 重盛と同じ気持ち・目線に立ってしまったんだ。
真実なんて当事者しか知り得ないのに, それを知りたいと願ってしまう。誰かのために三隅が罪をかぶったのだと信じたくなってしまうのに, そうだと言っても -
- カート
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Posted by ブクログ
エリート官僚の自殺を、その人生を丹念に追うことで描いた作品。
主人公(山内さん)は、官僚として出世をしていく中で、だんだんと理想やポリシー、優しさは、力を失っていき、むしろ邪魔になる。駆け引き、政治力などのバランスをいかに要領よくとれるか、いかに現実的に時に冷酷に現実と向き合い、自分のエゴを通せるか、その現実と理想のはざまでもみくちゃにされ、また体力的にも精神的にも限界が来て、遂に死を選ぶ。
まさに政治の世界は妖怪魑魅魍魎の世界、善意、倫理感だけでは生きていけない、自分を客観的にみて常に世の中との距離を測りながらコントロールしていく冷静さ、冷酷さがないといけないのだと感じた。
奥さんがいっ -
- カート
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Posted by ブクログ
ネタバレ今は「そして父になる」などで有名な映画監督、是枝裕和の原点は、フジで放映されたドキュメンタリー番組「しかし…福祉切り捨ての時代に」(1991)。
この本は、この番組を詳細に描いたものだ。
水俣病に関わった厚生労働省の高級官僚、弱者を前に常にひたむきに真摯に向き合った男が、その経歴ゆえに省の中で上りつめてゆく。
しかし、上に上がれば上がるほど、国を動かすために逆に弱者を切り捨てる政治が待っている。
優しさゆえに、その間で翻弄される一人の男。
やがて選択せざるを得なくなる自死への道。
番組を作る過程で、是枝氏本人が大手テレビ局員ではなく、外注スタッフと分かった時から、蔑む人の目。
人を見ず、肩書 -
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Posted by ブクログ
ケン・ローチ監督最新作『オールド・オーク』を観て、彼のことがさらに気になって本書を読んだ。
是枝監督はローチ監督を師匠と仰ぐほど尊敬しているが、彼の左翼的で一貫した社会主義とその主張を前に、もう少し是枝監督自身は自分の解釈を観客には押し付けられない、だから解釈を観客に委ねる。
という両者の作家性の違いがよくわかった。
これを読んだあと、2026年5月号のキネマ旬報で本書以来7年ぶりとなった対談を読むと、お2人の価値観はまるで変わらず一貫しているなぁ、と思った。
一点気になったこととして、この本はお二人の対談の前後に、対談を振り返って思うことやコロナ禍の社会、映画にできること、をそれぞれが語る -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
重盛朋章46歳は同僚の摂津大輔53歳、川島輝29歳達と弁護士として働いており、食品加工工場の社長・山中光男を殺した元従業員の三隅高司の弁護をすることになる。三隅は30年前に強盗殺人で2人を殺害しておりその家ごと燃やしていて無期懲役の仮釈放中だった。
三隅の供述は二転三転し重盛達を翻弄する。山中光男にレイプされていたと話す娘の咲江、夫による娘へのレイプを見て見ぬふりして食品偽装も隠し通した社長夫人・美津江。三隅の供述は美津江をこらしめ咲江を救うためのものなのか。そう考えた重盛は真実を隠蔽し、検事達も三隅の否認を黙認、裁判長も訴訟経済を優先し公判を続けた。三隅は最後まで真実を話すこと