是枝裕和のレビュー一覧
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映画のみ視聴だけど、自分の記録のために残す。
母親の大好きな映画で、何度も何度も見返しているのは知っていたけど、反抗期だった私はあえて見なかった作品。今考えれば勿体ないことをした。
女三姉妹の末っ子である私は、見終えてから無性に姉たちに会いたくなった。長女と次女がちょっとバチバチして、三女はそれをハラハラしながら見てるとか、そういう感じがとてもリアルだった。
音の少ない映画が好きなので、最初から穏やかな雰囲気に一気に引き込まれた。このまま4人の姉妹が仲良くなっていく様子が最後まで続くのかと思ったが、最後にすずが気持ちを吐き出し、本物の姉妹に近づくことの出来るような場面があって、わたしもほっとした。
姉達3人が、すずを大事にしていることがよくわかるそれぞれの描写があって、そういうものを見るたびに、わたしも姉たちに愛されてきたんだな、といいような少しくすぐったい気持ちになった。
1番好きなのは次女かもしれない。
一見、自由奔放でサバサバしているように見えて、面倒見もよく、はっきりとものを言い、でも3女やすずからしたら頼れる姉なのである。
人のために動いたり、お世話になった人のお葬式では誰よりも涙していたり、なんだか人間味の溢れるキャラクターだった。 -
Posted by ブクログ
先に読んだ続編もそうそうたる人たちだったけど、本書はそれを上回るような山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一というすごい面々。ま、男性ばかりという点では、女性と男性が2人ずつだった続編のほうがバランス的にいいけどね。
もともとは永田和宏さんが教鞭をとる京都産業大学で学生向けに開いた講演会を本にしたもの。ホストの永田さんはすごい面々に、失敗を語ってほしいと依頼したとか。失敗を語ってもらうことで、学生たちに身近に感じてもらい、そうすることで「この人のようになりたい」というあこがれやロールモデルを見出してもらうようにしたいとの思いから。
そういえば書中で、たしか永田さんが、最近の若い人たちは目指したり尊敬する対象がいないんじゃないかみたいなことを述べていて、ふと思ったことがあった。最近……でなくてもここ20年くらい、「尊敬するのは親」なんてのたまう若者が増えてきた気がする。これが以前だったら、歴史上の偉人とか身近でも恩師のような立場の人が挙がっていた気がするんだけど……。こういう傾向も永田さんの懸念とシンクロしていると思う。
4人ともすごいんだけど、確かに身近に思えてくる。すごく頑張るのではなく、目の前の状況を受け入れ、その場その場でちゃんとやってきたということなのかなあ。
講演の後に永田さんとの対談があるんだけど、これがすごくいい。ゴリラの研究をしてきた山極さんのところで、コミュニケーションの何たるかに触れているんだけど、まさに一人でしゃべるのと会話のやり取りをするのとの違い……というか、意味ある会話の魅力が詰まっている。 -
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番組も拝見していた&ケン•ローチのコロナ禍でのインタビューも国際報道で拝見していたので、新しい記事というか語りは是枝さんの語りが個人的には多かったです。
ケン•ローチさんのラディカルさは是枝さんの言うように、正直僕にもピンと来ない部分はあります。でも、社会に怒っている、という点ではやっぱり同じだし、それをやり切ることにもめちゃめちゃかっこよさを感じます。作品は毎回最高にラディカルで示唆に富み、何より面白いのですから。
でも何より、やはり是枝さんの作品づくりへの姿勢。これにものすごく信頼できるな、と改めて感じました。言うべきはいい、やるべきことをする。それは映画人としても一市民としても。多分是枝さんのやろうとしていることは僕たち一市民ができることと地続き何だと思います。
うまく言葉にできないけど、自分の思考を整理するいい機会になりました。 -
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「そして父になる」是枝裕和氏
1.購読動機
休暇中、文字を食べたくて、読めればなんでもよかったんです。
子供の取り違え事件。
数年前に過去の事件として記事となりました。
その取材もしたうえでの書籍ということであったため手にとりました。
2.本書内容
病院から電話があり、事件は動きだします。
「取り違えの可能性あり。遺伝子検査を。」
残念ながら、運命はいたずらで、6年過ごした子供は実の子供ではないこととなりました。
本当の血の繋がった子供の育ての親との対面、そして実の子供とも面会へと事態は展開します。
親はどのようにこの事態を受け止めるのか?
また、流したい衝動と戦うのか?
子供らは、みたこともない大人の家に預けられ、少しずつ距離を縮めていく対応にどんな表情で、どんな叫びを押し殺し、生活をしようというのか?
小説のなかの文体は、痛々しいくらいに真っ直ぐです。
時には、本を折りたたみたくなるくらいに。
3.最後に
私たち読者は、両家の大人、そして同じく運命に翻弄された子供たちに、ページを折りながら寄り添う気持ちで進めるほかありません。
読み終えて
ありふれた日を
省みて
尊き生を
まぶたに描き
#読書好きな人と繋がりたい
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ネタバレ映画を観ても「は?」な感じで終わってしまったので、小説の方はもうちょっと詳しく書いてあるところがあるかもと思って読んでみた
誰が誰を裁くのか?
法廷では真実は必要なく、方針とそれを裏付ける証拠が重要視される
同じ殺人でも、動機により量刑が変わるという矛盾を突いた作品
ただ、主題は違うところにあるのかもしれない
三隅は「器」にすぎない
そして人の思考を読み取れる?
むしろ、読み取ってそのままの行動をとってしまう?
なので供述がコロコロ変わったりしてしまうのか?
最初は摂津の思考
美津江を巻き込んだのも記者の描いた筋に乗ったため
その後は重盛の推測する犯人像
それぞれの相手の思考に沿った供述をしているだけなのかねぇ?
でも事前準備をしてるふうであるし、ある程度は計画的なのかな?
一度目の殺人も誰かの思考を読み取ってしまったが故の出来事
二度目に関しては事情を咲江から読み取った行動
犯行はすべて三隅が行ったのではなかろうか?
咲江が関与していたとは思えないんだよなぁ
タイトルの三度目の殺人というのは、自分に死刑宣告をさせるということなのか
咲江に法廷で事情を告白させないために犯人性を争う方向に転換したのは確かなのか
重盛は自覚的に三度目の殺人の幇助をしてしまった
というストーリーをそのまま受け取るのか
それとも犯行に咲江の関与があってそれをかばっていると考えるか
読む人ごとに、その人の想像した「真実」でよいということなのか?
人の思考を映す鏡みたいな作品だなぁ
やはり小説を読んでも真実はよくわからん
しかし、ものすごい作品なのはわかる -
Posted by ブクログ
アインシュタインの「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことを言う」が読み終えたとき頭に浮かんだ。
この本を読むまでは、ニュースで虐待や年金詐欺や家族の揉め事で巻き起こる実際の事件を見たときに、本の中で出てくる警察官達のような目で今まで彼らを見てしまってたような気がする、、。
どんな人にもそれぞれの背景や事情があって、その実状はメディアを通して知っても表面的で、
みんな自分の常識(偏見)で解釈するから、ときにむしろ全く知らない状態よりも厄介なのかもしれない。
知ることは大切だしどう解釈するかは自由だけど。
現代社会の問題にふれたとき、どんな人にもそれぞれの背景があることを考えられる人になりたいなぁ
力になりたい、、って思った -
Posted by ブクログ
今や「世界のコレエダ」的な人が一介のテレビ制作マンだったときに書いたもの。初めて自分の手で制作した番組をきっかけに(故人として)出会った山内豊德という厚生官僚の軌跡を追ったルポルタージュ。是枝さんについては、「誰も知らない」「そして父になる」「万引き家族」といった作品から、自分の興味関心と重なるところがありそうだと思いながらも、各作品が話題となることから若干あざとい人という印象ももっていた。でもこの本を読んで、素直にこの人の底を成しているものは信じられると思った。こんなふうにも書いているし。
テーマやメッセージといった言葉で作品を語ったり、語られたりすることは好きではない。なぜならそのようなものに回収されてしまう作品は、人間そのものの描写が弱いからに他ならないのだと、いつも映画を作りながら考えているからだ。物語やテーマの為に人間がいるのではない。それは私たちの生がそうであるように、生はただ生としてそこにゴロッと転がっているのだ。そのような人間を映画の中で描きたいと思うようになったのは、もしかするとこの一冊目のノンフィクションでの一組の夫婦との出会いが、無意識のうちに僕にそうさせた遠因なのかも知れない。(p.8)
この本では、福祉に、そして(図らずの)晩年には水俣病問題に深く関わった山内氏の厚生官僚として日々が描かれる。それはそれでその誠実な仕事ぶりに胸を打たれるし、こういう人が自ら死を選ぶことになってしまうことに憤りを感じさせる(と同時に、なぜ死んでしまったのかとも思う。生きてもうひと踏ん張りすることはできなかったのかと……)。
それとともに、夫婦の絆に触れられることにも大きな価値を感じている。撮影がらみで、亡くなった夫のことを聞きに来た若き日の是枝さんに「公共」という言葉を使い取材を引き受けてくれた妻の偉大さを感じさせる。
山内氏の著書からなど引用が多かったり、読みものとしてのこなれた感はいまいちなのだが、それがこの本のよさだろう。思いはもちながらも術をもたず不器用だった若者らしさが感じられ、それをその成長した姿と引き比べるとき、何が人を成長させるのか、言い換えれば成長できる人は何をもっているのかということも感じられると思う。 -
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話題になっていた映画「万引き家族」を是枝監督自ら小説化した、とのことで、書店で見かけて迷わず手に取った。
映画は見ていないのだけれど、何度も見た映画のワンシーンが頭に浮かび、そこからどんどんイメージ映像が広がっていく。
私の頭の中で脳内映画が完成した。
映像があって小説化されたものだから当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、頭の中で容易くイメージができる文章は読んでいて全くストレスがない。
物語の中に入っていきやすく、軽く読めたことが心地よかった。
本当の家族ではない6人の「家族」としての物語。淡々と過ぎていく毎日は外から見れば幸せとは程遠い暮らしであるにもかかわらず、とても温かいものを感じる。
最後はゆっくりと現実に戻されていくような感覚。
でも、気持ちは本を読む前とは若干違う。
言葉にすると陳腐ではあるものの、「なんの代わり映えもしない毎日だけど、前向きに生きていこう」と思うような、少し晴れやかな自分がいた。 -
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ネタバレ素晴らしい、著名な方々、偉人を一定人たちが何を考えているかを語ってくれている。
どういう姿勢で物事を捉えているかを話してくれている。
特に初めの二人が良い。
山中先生の苦手なことで挫折したけど、新しくチャレンジして得意なものを突き詰めていって成功するあたりの話は非常に重要。
羽生さんの感性・理論としての将棋の向き合い方も素晴らしい。
自分の好奇心に従ってトコトン突き詰める。この姿勢を大事にしたい。
大事な一歩は自分で決断して移動すると決めたこと
アメリカに行くことで、「こんなにすごい人がいるんだ」「なんだ、自分と同じじゃないか」という2つの現実を知ることができる。
良い研究と同じくらい、どう講演で発表するかが重要。
何をしたら正解というのはないが、何もしないというのだけはやめてほしい。なにか打ち込めることを見つけて欲しい。
誰でもミスはする。その後にミスを重ねて傷を深くしないことが大事。「今、初めてその局面に出会ったのだとしたら」というその時点から見る姿勢が必要。
挑戦には「様々な種類のものさしを持つ」事が大事。これを持てば不安にならずに進める。
挑戦に結果を求めると上手くいかない時に苦しさが出る。そのプロセスの中に「面白い、価値がある」という感動を見つけられることが原動力になる。
新しいアイデアは実はあまりなく、今までにあるアイデアとアイデアを過去に例がない組み合わせで用いている、事が多い
情報化社会により、スタートラインに立つための情報量のハードルが高くなっている。
手堅い手法を続けることは、短期的にはリスクは低いが、長期的にはリスクが高い。挑戦することが安全策の場合もある。
冒険や小さな挑戦、身近で未知なるものに出会う機械を求めることが大事。
レンズ、カメラを通すことで、普段そこにあるけど見ていないものに気づくことができる。
自分にしかできないことを探す、他人にできることはその人に任せる。
諦めなけれはいつか何らかの方法で叶う、だけどいい塩梅で見極めることも大事。「いい加減にしよう」と言ってくれる友だちがいれば良い