是枝裕和のレビュー一覧

  • 三度目の殺人
    映画の小説版として書き下ろされた作品のようなので、正確には違いますが、タグは「映画化」にしてあります。

    CMを見て気になってはいますが、映画は観ていません。

    強盗殺人の疑いで起訴された三隅。
    被害者は解雇された勤務先の社長である山中。
    怨恨の線で情状酌量を狙う弁護士の摂津・重盛・川島。
    しかし、...続きを読む
  • 三度目の殺人
    裁判について深く考えたことがなかった。本当のことをあばくものだと思い込んでいた。
    そこでは 「真実」よりも「法廷戦術」や「訴訟経済」が重要視されていたりするんだろうか?さらに、「だれを裁くのか」さえ誰かの意思が入り込む余地があるだなんて!

    映像が目に浮かぶような語り口でしたが、映画も観てみたいです...続きを読む
  • 海よりもまだ深く
    主人公の良多のギャンブル好きはもうどうしようもない。常にお金に困っているから、実家から父の遺品を盗んで質に持って行ったり、最低な行動ばかり。
    でも良多のことを100%は憎めない。最低なんだけど、人間味があるからかな。別れた妻の交際相手に嫉妬したり、息子の前では見栄を張ってみたり。

    良多を見守る母親...続きを読む
  • そして父になる
    6年前に起こった病院での取違いにより、他人の子供を育ててきたことが分かった良多。
    親子とは何か?良多の親としての立場、子としての立場を通じて描かれる小説。

    ネタは面白いと思うんだけど、最終的には尻つぼみ感のある内容。
    雄大の視点や、二人の母親、二人の子供といった多人称視点で描かれていれば、
    より物...続きを読む
  • 海よりもまだ深く
    周りの人たちがあまりにも優しすぎる。淑子おばあちゃん、町田くん、そして千奈津姉さん、響子さんも冷たく接しているようでちゃんと愛がある。それがこの物語の救いだと思う。
    普通なら主人公は早々に見捨てられている。良多は幸せだが、それに気づいてるのかな?
  • 海よりもまだ深く
    主人公の良多に始終呆れてた。家族に大切さ、親の大切さ、気づくの遅すぎない?どれだけ自分勝手なのか。「そして父になる」もそうだったけど、やっぱり男性のほうが子どもなのかなあ(そういえば同じ名前)。父の硯を売らなかっただけマシなのか。違う違う、普通の人はそんな大事なもの売りませんって!

    これを阿部寛主...続きを読む
  • 海よりもまだ深く
    海よりも深い愛を、経験できることはとっても幸せなことだなぁ。
    表面から見える分かりやすい愛以外にも、見えないところで存在してる愛がこの世界にはたくさんあるんだろうな、と思った。
  • 海街diary
    ノベライズだから言葉足らずは仕方ないか・・・。映像で見たならきっとすごく綺麗なんだろうな。映画を見よう。
  • 雲は答えなかった 高級官僚 その生と死
    かなり綿密に取材はしているが、自殺した官僚の心のひだには届いていない。巨大な組織の中で、上と下に挟まれながら、ときに政治家やマスコミにたたかれながら、悩みぬいた葛藤を知りたかった。組織人の典型である官僚の心のうちは、映画監督の筆者にはわからないのだろう。
  • 雲は答えなかった 高級官僚 その生と死
    是枝さんといえば、映画監督と思っていたので、読む前に著者名を見て意外なかんじがした。

    ひとりの官僚の生い立ちから、自殺という最後をとげるまで、を追ったノンフィクション。

    抑えた筆致であろうとしながらも、その人に対する強烈なシンパシー、冷徹な、まわりにたいする皮肉が、時折見え隠れし、あっという間に...続きを読む
  • 歩くような速さで
    この10年ぐらいの書かれた是枝監督のエッセイ集です。新聞連載だったようで、数ページのエッセイばかりテーマ毎に章立てされてます。大部分は過去の思い出とか、映画、テレビに関するお話で、若干政治的なお話も。少しずつ読めるので、暇つぶしに最適。