原晋のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
毎年、時間があれば観ている、箱根駅伝。
新興勢力の青山学院大学の監督である原晋さんの、メソッドです。
なかなか波乱万丈に人生を歩んでおります。企業人から監督業への転身など、とても自分は真似できません。
しかしながら、彼の手腕で見事優勝まで導いたメソッドには、感服です。
さすが、高等教育機関だけあって、自ら考えさせ、メンバー間のコミュニケーションを促進させる策を講じています。
それを補完する手段として、目標管理シートを用いて、目標を定量化すると共に、監督と選手、または選手間のコミュニケーションツールとしています。
コーチングの極意を観ました。
あと、ご自身の退路を断つ(中国地方では、かなり有名な中国電力を退社)ことで、選手達も、監督からの一言の重みが増したのかも知れません。
自信の覚悟と、自律的な育成が肝要という著者のマネジメントの極意を学びました。
勝つべくして勝ったのだなと、感心しました。 -
Posted by ブクログ
箱根駅伝で3連覇した、青山学院陸上部 原晋監督のエッセイ。
世羅高校ー中京大学ー中国電力陸上部
中国電力陸上部の創部にともない、選手としてスカウトされる。その時の約束は中国駅伝(現ひろしま男子駅伝)の出場。その約束は果たすが、後に就任した監督と反りが合わず退部。一般社員として中国電力に残る。どちらかというと、中途半場な原氏に本気モードの監督が業を煮やしたという印象。
その後、エコキュートの販売など、営業マンとしての実績に紙幅がさかれる。一見、陸上とは何の関係もない話が続くが、遠い目標を決め近い目標に落とし込んでいくスタイルやまわりの人を巻き込んでいくスタイルに、後の監督の原型があるように思う。また、まわりが国立大卒業社員ばかりで、ひとりだけ私立大体育学部卒という孤独と意地のようなものが感じられた。このころ結婚しているが、陸上選手としての原氏を全く知らない奥さんが、後に陸上部の寮母となるのは驚き。
青山学院監督になってからは、若者に手を焼く話。選手の性格を無視し高校時代の成績だけでスカウトしたら失敗だったというエピソードは、一流になるには人格が大切だという教訓になる。
早く走るための技術や、コーチングの手法という点ではほとんど参考にならない。原監督のパーソナリティを知るには良い本。純で一本気な監督の性格が伝わる。また、体育会系の理不尽な厳しさを嫌い、楽しさやユーモアを大切にしていることも、若い世代に慕われる所以だろうと思う。 -
Posted by ブクログ
・今の選手は理論で言わないと納得しない。
ただ、理論だけでは男は動かない。「お前のために」というのが必要。
・普段からコミュニケーションをしておけば
「こいつを裏切れない」という人間関係ができる。
・自立した選手を育てる。
監督が言うから走るというヤワな選手にしたくない。
・感動を人からもらうのではなく、
感動を与えることのできる人間になろう。
・理由を説明しないということは、
部下の望みをかなえてやるために、
上司が戦っていないということだ。
・出来ない理屈を考えさせるのではなく、
出来る理屈をどう植え付けさせるか。
物事を為す時に「出来ない理屈」を探し続けることは時間の無駄でしかない。
「出来る理屈」を理論立てて構築し、それを周囲に伝えることができる者が真のリーダーとなりうる。
・話せる雰囲気を作っていかないと
組織は絶対にその管理職以上にはならない。
・やってくれるだろうは、”だろう”で終わる。
「過去の実績」に頼るだけでなく、「選手の今」を重要視しているから。
・歴史と伝統を重んじるということが原点。その上で改革すべきことは大胆に改革する。
・自由であるためには、義務と権利をきちんと果たさなければならない。
心のマナーがちゃんとある子。タイムが速くても、心がない子は獲得しない。
選手獲得の基準「心のマナー」を重視している。
・強いチームを作るには
人間性を重視しなければならない。
・エースを育てよ、エースに頼るな。
エース的人財=優秀な人材とするなら、
社会における優秀な人材とは自分の任務をきっちり果たしつつ、
周囲への影響を考慮し、仲間うちでの役割もこなす人間。
他選手の力を引き出す存在=エース=自立した人間。
・最近の風潮として、グレーゾーンがなくなって
AかBかの二択を迫られることが多いが、
本来グレーゾーンがないと世の中がうまくいかない。
そういう組織・企業・家庭は発展しない。
みんなで自由に議論して、戦って、決まったら、
ノーサイドで一致協力をするということが大切。
・リーダーは夢のある話をしなくてはいけない。
いつの時代も男はロマンや夢のある話が大好き。
・大事なのは自分で目標を決め、
自分の言葉で具体的に書き込ませること。
これが選手の「自立」につながる。
・走ることは自分との戦い。
現状を知り、自主性を育むためにも、
自ら目標設定することが大事。
つまり”自分で自分をコーチする。”
・チームの目標に近づけることは重要だが、
個人の成長を指導者がしっかりと評価してあげないと
組織が沈没する。
・「青学はチャラい」は最高の褒め言葉。
見えないところでは泥臭く努力しても
表舞台では華やかにしていたい。
ワクワクハッピーと言っているだけで勝てるほど、甘い世界ではない。
華やかな舞台で活躍して、多くの皆さんに感動を与え、喜んでもらう。
賞賛の言葉をいただき、それを力に変える。
宝塚歌劇団も厳しいしつけは大前提。だからこそ表舞台は華やかに舞う。
陸上競技も同様。
・新しいことをやると反対する人は必ず出てくる。
大事なのは何のために、誰のためにやるのかということ。
それがしっかりしていれば、
異なった考えの人にもいつか理解をしてもらえる。
・男気とは何ぞや。
「責任感を持つ」「先輩を敬う」「約束を守る」選手が考える「男気」はさまざま。
人事を尽くすために、自分はどうすればいいかを選手に考えさせ、
それを自分自身との約束にさせた。
それらをひとつひとつ達成していけば、必ず成果は出ると言っている。
ちなみに監督本人が考える「男気」は「伝説を作ること」。
結果は、人事を尽くして天命を待つ。
だからこそ、プロセスが重要。 -
Posted by ブクログ
まさに今、会社で20代後半から30歳くらいの部下と向き合っていて感じる、「なぜ上手くいかないのだろう?」という思いの答えになるような本でした。
一応管理職をやっていると、いきなり若い子に辞めたいと相談を受けて、え?と思うことがあります。聴いていると、相談じゃなくてもう自分の中で決まっているので、検討してもらう必要はないです。これからどうするの?とか収入が得られるか不安とかはないです、最低限生きてはいけるのでやりたいことをやりますと。あるいはこれから責任が重くなると逃げられなくなると。いきなりいなくなるというのもあります。
この本はそんな若者像というところから解き明かしており、基本のルールは徹底し譲らない上で、それ以外は自由にする、個人のメリットを大事にしてあげる、など、スポーツ、陸上という枠を超えてビジネスにおける組織づくりにも大いに取り入れられる内容でした。