サラ・ウォーターズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ雰囲気や筆致は好きだったが、描写される箇所が少なく、もう少しこの世界観を色々なところにまで広げて欲しかった。
話も面白かったけれど、如何せん派手ではなく、後半は一気に読んだが、ぐいぐい引き付けられて離れられないというほどでもなかった。肝の部分が終盤に集約されていて、それまではシライナと主人公の交流に重点がおかれている。その交流も、ときおり大きく進展はするものの、基本的には遅々としたもので、終盤の展開のためにここまで長い物語にする必要があったかはちょっと疑問。
しかも結末が、そういうこれまでの展開を一気に投げ捨てるようなものだったから、腑に落ちる感覚はあれど、期待に沿うようなものではなかっ -
Posted by ブクログ
わたしは闇に身をゆだねた。生きているかぎり、二度と光の中に顔をあげたくはなかった。
話の全体像が明らかになる第二部を経て、第三部で話の決着が着きます。
良く考えられているとは思うのですが、第二部後半が専ら台詞で謎が解かれるため、上巻と合わせ第二部がやはり冗長に感じました。
第三部はスウを主人公とした冒険小説のようで(ラント街の生家でのシーンは素晴らしい)楽しめましたが、第二部で全ての謎が解かれ、「読者が知っていることを登場人物が知らない」状態になっているため、のめり込むまでには至りませんでした。
ラストシーンは微笑ましく、良い閉じ方だと思います。 -
Posted by ブクログ
このミス海外編2005年版1位。サラ・ウォーターズは2004年版の半身に続けて2年連続1位ということで自分も2冊続けて読んでみた。2冊目で読みにくさに慣れたこともあって若干しんどいものの上巻はとても面白かった。第1部の最後は意外だったし、第2部で別人の視点から同じ場面を再現してくれて、新たな事実などで物語がよく理解できてグッドでした。ただ、前作もそうだったんだけど、この人の小説は拘束や虐待、逃避行の苦行の場面描写がやたら長くて読み続けるのに骨が折れるのですよ。第2部の後半や第3部のあたりがそんな感じで下巻は半分ぐらいしんどかった。全体としては、意外性あるし結末が読めなくワクワク感があって良いと