サラ・ウォーターズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ノブレス・オブリージュで女囚刑務所へ傾聴慰問を始めた精神的不安定で引きこもりのマーガレットは、慰問先の刑務所で詐欺罪で収監されている美しい霊媒師シライナと出逢う。
こうなるんじゃないかな、こうなるんじゃないかなという嫌な予感と、恋という形を取った依存がじりじりと強くなっていく状態を、「良くない、ああ、良くない」という不安と焦燥でもって読ませる一冊だった。
ゴシックホラーとも違う、ミステリとも違う、ラブロマンスとは言えない、カテゴライズしにくい作品。
マーガレットがシライナに入れ込んでいく様は、モリエール著「タルチュフ」のタルチュフに騙される金満家オルゴンと同じで、古今、詐欺師に騙される人の心情とはこうしたものなのだろうなと思う。
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「あなたがいつ世間なんて気にした?なぜいまさら気にするの?」 -
Posted by ブクログ
下巻。
上巻ではまったくミステリ要素はなく女同士のラブロマンスって感じだったけど、下巻で早速事件が起こる。フランシスとリリアンの関係を知り、激昂した夫のレナードがフランシスに掴みかかってきたのを、リリアンが咄嗟に灰皿スタンドで殴り殺してしまう。2人は事故に見せかけ死体を遺棄し、罪の意識に怯えながら暮らすようになる…
殺人を犯してしまった人間の心の動揺や葛藤が延々と描かれていて、ずっと重苦しい。ミステリというよりは心理サスペンスという感じでした。別の人間に容疑がかかり裁判にかけられ、良心の呵責に耐えかねて時にリリアンを憎むようになるフランシス。最後はその容疑者が裁判で無罪になったところで物語が終わる。このあと彼女たちはどうなるんだろう。また罪の発覚に怯える日々を送るのか、それとも自首するのか、それとも…。愛以上に殺人という罪で縛られた2人はずっと離れられないんだろうなと思う。
ツイッター(X)で二度と読み返したくない本みたいなハッシュタグで見つけた本だけど、何とも嫌な余韻の残る本で、確かにもう一度読もうとは思わないけど、そういう本を読みたかったので満足です。
この作者の別の本も読んでみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
第一次世界大戦後のロンドン。戦争で父と兄弟を喪い、広い屋敷で母と二人で暮らすフランシス。生計のために、レナードとリリアンという若い夫婦を下宿人として住まわせることに。女性が恋愛対象のフランシス。一つ屋根の下で、母と夫の目を盗みながらフランシスとリリアンは秘密の関係になっていく…
ツイッター(X)で二度と読み返したくない本みたいなハッシュタグを見ていて見つけた本。(なんかそういう本を時々無性に読みたくなる)上巻では、フランシスとリリアンの関係性がじわじわと縮まっていき、とあるきっかけで急速に燃え上がっていく様子が描かれる。もう破滅の予感しかないんですけど…!
翻訳ものにしてはすらすら読みやすい文体だけどなぜか全然ページ数が進まない不思議な本だった。女性同士の描写が結構がっつりあるので注意です。
フランシスとの愛におぼれながらも、夫のレナードとの関係も、世間体や経済的理由で断ち切ることができないリリアン。そしてリリアンの妊娠が発覚したところで下巻に続く。裏表紙にミステリって書いてあるけど上巻はミステリ的な要素なかった。これから事件が起こるのかな。