大谷真弓のレビュー一覧

  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    「折りたたみ北京」に続くケン・リュウ選の中国SFアンソロジー第二弾.
    時間が遡る中での男女の愛を描く表題作「金色昔日」が秀逸.すごく幅があるのだが,始皇帝がゲームをする話なんかは,日本の同人誌でマンガとして書かれてそうだ.
    巻末に中国SFの歴史に関するエッセイが3編掲載されているが,非常に興味深い.少し前に福島正実の「未踏の時代」を読んだが,21世紀初頭の中国のSF界は,あの時代の雰囲気にとても似ている.そういった時代が中国にやって来るのが政治のために30年遅れて,現代になって一気に花開いているようだ.

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    2023年09月29日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    ・ケン・リュウ編「金色昔日 現代中国SFアンソロジー」(ハヤカワ文庫SF)は「折りたたみ北京」に続く中国SFの第2弾である。登場人物等、さすが中国である。カタカナでではなく、漢字の名前が多い。ま づこのことに感心してしまつた。それほど私が中国とは無縁の読書生活を送つてゐるといふことである。さういふ内容の作品もあればさうではない作品もある。実に様々である。「本アンソロジーには、全部で十四名の作家による十六篇の作品が収録されて」(「序文」12頁)をり、「作品渉猟の場を拡大する方向に目を向けて」(同前)編まれたといふ。ただし、「本プロジェクトは、中国現代SFの代表的な作品を集めるという意図は」(同1

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    2023年04月05日
  • ミッキー7

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    大変楽しいエンタメSF。
    環境厳しい植民星で、何度でも再生できるクローンちゅうかコピー人間“エクスペンダブル”のミッキー7(7体目)が、ひのんなことから生きてるうちに8が作られてしまい、必死で隠しながら、生き残る道を切り開く。
    ポン・ジュノ監督で映画化が進んでるそうだが、ロバート・パティンソンはダークすぎないか…短躯で陽気なキャラなのだが。敵のムカデはともかく、あとムシが出てくる幻想シーンはやめてくれー見られなーい。

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    2023年04月01日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    アンソロジー集なので
    合間あいまに拾い読みしてました。
    いろんな作家さんがいることがわかって
    楽しかったです。

    好みなのは
    『おやすみなさい、メランコリー』
    『鏡』もテイストが近い。
    『月の光』『正月列車』は
    なんか星新一のようにニヤリとする。

    表題作の『金色昔日』も哀しいけど良かった。
    ひとつの家族の一代記なんだけど
    途中である違和感を感じてから先は
    胸が締めつけられつつ読んだわ。

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    2023年02月27日
  • トム・ハザードの止まらない時間

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    読んでも読んでも
    辛くて
    しんどくて
    希望がなくて
    時代は変われど同じで
    結構終わりまでそれが続く
    何度止めようと思ったか・・・

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    2023年02月24日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    近年スマッシュ・ヒットを飛ばし続けている現代中国SFのアンソロジー、2019年に発売された「折りたたみ北京」に続く第二弾が満を侍して発売。SF者の期待感を表すかのような分厚さ。「折りたたみ北京」の1.5倍ぐらいになっている・・・(^_^; 早川書房さん、紙の文庫本は上下巻に分かれても構いませんので一冊あたりの厚みを抑えていただけないものでしょうかね〜。紙の文庫本にとって、「携帯性」ってとても重要なポイントだと思うんですけどね〜〜。

    閑話休題。
    一通り読んでみて、「折りたたみ北京」を読んだ時ほどの衝撃は、正直感じませんでした。読むこちら側の期待値の違いかもしれません。「よーし、面白いSF読むぞ

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    2023年01月29日
  • 無情の月 上

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    『宇宙【そら】へ』『火星へ』に続く第3部
    未曾有の危機の中、前作まではトントン拍子で前進していたのが一転して深刻な破壊工作に晒される
    危機と克服ではなく危機が延々続いて手に汗握るではない鬱々展開で読み続けるのが辛かった
    後編で鮮やかな逆転劇なんだろう

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    2023年01月05日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    明記はされていないようだが(迂生は見つけられなかった)、訳者の顔ぶれからしておそらく英文からの重訳。そのせいか英米SFの翻訳を読んでいるような手触り。ローカリズムを売りにしているわけではないから当然かも知れない。収録作品のレベルは文句なく高いが、(編者が宣言しているように)アラが目立つ作もあるし、文化の違いか、一読して隔靴掻痒の感を覚える作もある。それも味かも知れない。

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    2022年11月29日
  • 男たちを知らない女

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    「疫病のせいで、多くの人々が物事を大局的に見るようにかったからでしょう」

    小説自体は狙いを外しているように感じだけど、コロナ後に書かれた日本版の解説が面白かった。

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    2022年10月25日
  • 無情の月 下

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    2022-10-13
    いやもう、下巻はイッキ読み。
    宇宙船内の話では無いので前作「火星へ」よりアチコチ飛び回る。ほぼ月面での話なので「宇宙へ」よりテクノスリラー。
    出てくるみんながカッコよくて頭よくて、主人公が50代のオバチャン(褒め言葉)であることを忘れてしまう。
    面白いです。

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    2022年10月14日
  • 12歳のロボット ぼくとエマの希望の旅

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    なるほど。
    裾野を広げ、長じてSF読者を増やす試みだな( ̄▽ ̄)

    人類最後になってしまった少女が
    偶然出会ったロボットたちと旅をする。
    対ロボット戦争から逃れて
    地下で生き延びていたというのに
    シェルターで疫病が蔓延して…という設定が
    今の状況ではリアルで怖い。

    最終戦争後のロボット社会の仕組みとか
    ちょっと、んん?と思うところもあるけど
    話は読みやすかったです。

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    2022年03月12日
  • トム・ハザードの止まらない時間

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    時間がテーマではあるがタイムトラベラーやタイムマシンではなく長寿不死のパターン。ヴァンパイアものに近い設定かも。主人公の過酷な人生もさらりとした語り口でやさしいお話しでした。終盤の数ページはちょっと取って付けた感があったが実在の人物との邂逅など面白く読んだ(フォレストガンプっぽい?)。映画化が決まってるそうでそれも楽しみな作品だった。

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    2021年03月28日
  • ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち<上>

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    内容的には子供向けの物語に近い感じがした。まだ、全編しか読んでないけど、物語の構成は至ってシンプルだし、登場人物の特性も(特に孤児院の特殊な子供たち)子どもが喜びそうなものばかり。それってつまり、大人だって楽しいってこと。大人の男なんて子どもが身体だけ大きくなったようなものですからね。私なんてその典型。だから、ここまでの展開にはワクワクしているし、後編でどう転ぶかが楽しみ。前編は少し長い前フリ。だから評価は普通だけど、この物語の真髄は後編にある!と信じたい!

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    2020年02月16日
  • トム・ハザードの止まらない時間

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    遅老症という病気を抱えてるトム。同様に遅老症である娘を何百年も探している。
    不死ではないが不老のように見え長生きする、人に知られないようにしながら。
    過去と現在を交互に章立てていてサスペンスのように読める。ただストーリーとしてはありがちな気がする。

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    2019年06月15日
  • トム・ハザードの止まらない時間

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    ゆっくり年を取る男性のお話。
    主人公であるトム・ハザード自身の語りによって、現代と記憶を繰り返しながら進んでいく形。
    読みやすいけど、理解は難しい。
    長すぎる人生に疲れきっているし、愛する人との別れから何百年たっても悲しみのうちにある。
    孤独である。
    そんな独り語りを聞いているような暗闇から、ラストは希望の光が見えて良かった。
    エイブラハムは癒し。
    マリオンが思ったよりパンクな感じで、最終的に私の中では怪物事変の綾ちゃんみたいなイメージでした。

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    2019年05月31日
  • ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち<下>

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    ネタバレ

    追い詰められていくピキューリアたちを守ろうと、ジェイコブはエマと3人のピキューリアと共に、ハヤブサとなってとらわれたミス・ぺリグリンンの救出に向かう。駆け引きとピキューリアの能力を駆使して追手(ホロウガスト)と戦い、ミス・ペリグリンを救い、これまでのジェイコブの生活がすべて監視されていたことを知る。そして、ジェイコブはピキューリアたちを守りながら共に暮らしていくことを選ぶ。

    なかなか面白かったけれど、あれだけ両親を悲しませたくないからとピキューリアの世界で暮らすことをためらっていたジェイコブが、今までの生活が常に見張られていたことに気付いたことで、両親のもとを去る決心をしたことが今一つふに落

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    2019年02月13日
  • ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち<上>

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    フロリダに住むジェイコブの祖父は、奇妙な子どもたちの写真を見せて不思議な話を聞かせてくれる。そんなジェイコブが大好きな祖父が森の中でズタズタにされて死んでいた。警察は森の獣に襲われたとしたが、ジェイコブは口から触手を出す怪物の姿を確かに見た。祖父の死のショックと思われ、精神科医のカウンセリングを受けるが、その医師の勧めで祖父がナチスの迫害から逃れて暮らしていたイングランドの小島の孤児院跡を父と訪ねる。ジェイコブはそこで1940年の孤児院へタイムスリップし、祖父の写真の中の子どもたちと暮らすミス・ペレグリンに出会う。そこは、特殊な能力を持ったピキューリアの子どもたちが暮らす永遠の時のループを繰り

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    2019年02月11日
  • 魂の図書館〈下〉――――ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち3

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    第1部までは面白かったけど、それ以降は結構めちゃくちゃだった。すごく遠回りしてやっと完結した印象。
    皮肉の混じるジョークがしょっちゅう出てくるし、アメリカ映画みたいでした。

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    2018年12月16日
  • 魂の図書館〈下〉――――ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち3

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    相変わらず自分勝手な人たちだが
    面白かった!
    ホロウガストが可愛く思えるし…
    しかしこのピキューリアの世界は
    緩やかな地獄にも思えるけど
    どうなんだろ⁇
    タイムループのなかでも年とるように
    なったってこと⁇
    よくわからんかった!

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    2018年12月06日
  • ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち<下>

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    僕は選択する。僕の生き方を。

    あれ,ここで終わるの? 映画で見たあの派手でグロテスクな戦闘シーンはどこに? ちょっと肩すかしだったかもしれないが,あの流れは映画の演出ということで納得。そもそもキャラクターがちょっと変わっているからね。敵のイメージは,映画を観てしまっているので,それ以上のものは思いつかず,必要以上に怖くならずに読めたと思う。

    ジェイコブは祖父の人生を知る。そして,自分の人生を選ぶことになる。父と母と平凡な人生か,求めてくれる仲間との戦いの人生か。写真が印象的な物語だった。

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    2017年07月02日