【感想・ネタバレ】ミッキー7のレビュー

あらすじ

宇宙開発で危険な仕事をこなすために生み出された【使い捨て人間/エクスペンダブル】ミッキー。すでに六度の死を経験した彼の身に思いがけないことが!?

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Posted by ブクログ

テラフォーミングの移民船で、記憶と人格を引き継ぎながら死んでは再生される「エクスペンタブル」のミッキー。7人目の彼が任務中の事故で命からがら生還するが、基地にはすでに8人目のミッキーがいて……というお話。
同一人間が存在することへ忌避の念を抱く者、「死ぬってどういう感じか?」という単純な興味を抱く者……主人公を取り囲む環境や、登場人物たちがそれぞれ異なる価値観や倫理観を持っていて、興味深かった。
地球から遠く離れた地では資源は何もかも貴重で、食料は1カロリーとも無駄にできず、「余分な複製なんてタンパク質がもったいない!」と言われたり。ミッキーの日常はとても過酷。
ミッキーは文字通り命を懸けて仕事をしている。何度も死んで宇宙船のみんなを救っている。「エクスペンタブル」はそれが仕事だから。それ故に彼をヒーロー扱いするものはいない。
ここからは少し脱線するけれど、ふとアンパンマンのことを思い出した。もしアンパンマンに番号が付いていたらどうなるのだろうか、と。バタ子さんが「アンパンマン!ナンバー1649の顔よ!」って。
誰かが「底辺労働者」となるのか「ヒーロー」となるのかってやっぱりその社会がどうなのかが大きいのかな。アンパンマンの世界は金の概念が無く「みんなが喜ぶことが対価」らしい。彼らはやっぱり妖精なんだな、と思う。
シニカルな口調が印象的で、軽妙さの中に重い問いが潜んでいる小説だった。

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2025年10月12日

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使い捨て(クローン)人間と惑星のテラフォーミングをうまいこと面白く書いた本で楽しかったー!でも細えことはいいんだよ精神がないと引っかかる箇所は多い気がする。結構危機に瀕した生活を強いられてるのにみんな考え方が雑で、そんなんじゃ遅かれ早かれミッキーの件がなくとも失敗してたんじゃない?っていう感じがする。映画は17まで増やされたらしくて、映画自体は楽しみだけどそこまでする必要ある??とも思う。

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2025年03月14日

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ネタバレ

お話として結構面白かったし、同じ体組成で同じ記憶を有しているクローンは同一人物と言えるのかというテーマもあり、地球以外に居住可能な星を見つけるための移動や環境整備、先住生物の問題だったり、結構深い話だった。
作者が物理の先生らしいから、全くの空想世界ではなくある程度裏付けがある世界なのも、楽しく読めた理由かもしれない。
ミッキー7が自身の機転によって見事に生を勝ち取ったラストもよかった。

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2023年10月01日

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久し振りにSFを読みました。
「三体」読破後、SFは本当に久しぶり。
映画の予告で面白そうと思ったミッキー7(映画は17だけど)
なんかいいですね。軽快な一人称、不死身とはいえ一旦は完全に死を経験するという書き方によってはものすごく重くなる話をさらっと書ききって、まったく難しいことは語られないし、登場人物はびっくりするほど少ない。
とても分かり易くて、面白い話です。

ラストのミッキーのブラフは拍手を送りたくなるほど
素晴らしい!!
続編があるらしいので、そちらも楽しみです。

結局映画は見てません。

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2025年07月18日

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ネタバレ

クローン技術で再生される“使い捨て人間(エクスペンダブル)”と、テラフォーミングのお話。
エクスペンダブルの主人公ミッキーが、深刻に悩みはするけどユーモアある人物なので語り口が飄々としてて、不穏さは漂いつつ楽しく読めました。

数々の惑星で、数多の失敗と成功を繰り返してきた人類。
ミッキーが歴史学者だから、これらのエピソードも無理なく登場してたのも良かったです。
歴史となる記録自体は情報としていつでも読めるけど、それを活かせるのは歴史に学んでいるからこそ……ムカデとの共存を取れたのも彼にはこれがあったからなんだなぁ。相手はこちらの言語を利用できるほど高度な知性体、でも概念や考え方はお互いに理解できないときどうするか…他の惑星に既に答えはあったみたいでした。

ニヴルヘイムでのテラフォーミングも始まったばかり、ようやく雪解けです。続きがあるのか、楽しみだなぁ。

ポン・ジュノ監督の映画版は『ミッキー17』。10人も多いけど…こちらも気になります。ポン・ジュノ作品だから観るだろうけど!

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2025年06月07日

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前々から気になってたミッキー7。映画(そっちは17だけど)が公開されて、そういえばと思い手に取ってみた。おもしろい。まず翻訳がいい。基本、死んでも複製される契約(記憶付き)で宇宙開拓の様々な危険任務に就く主人公ミッキーの独白体だけど、西洋的な皮肉屋で自虐的で、でもユーモアは忘れない風の喋り言葉がとても自然で読みやすい。
ストーリーもおぉーそうきたかーといい驚きのある仕掛けが仕込まれてて最後まで盛り上がり続けながら楽しめる。
続巻の反物質ブルースにも期待しよう。

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2025年05月18日

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まあ亜人だって死ぬしね
ロバート・パティンソンを拝む前に読んでおくか、の気持ちで買ったところ、終始ふざけ気味で楽しく読めるエンタメSFだった。
映画も同じくらいふざけていたけれど、正直小説の方が17倍くらい面白かった。
そしてまたアイデンティティについて考える

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2025年04月20日

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人類が地球を離れ(詳細は書かれていないが、地球には住めなくなった・・・今の状況を見れば未来の姿は明白だ)、居住可能な惑星を求めて、宇宙船で光年の開拓に出ざるを得なくなった。そんな過酷な開拓で、生命の危険があっても、どうしても人がやらなければいけない任務があり、それを行うのが「使い捨て人間」・・・エクスペンタブルの主人公ミッキー7。
記憶の転生技術とDNA情報を再現する再生技術のおかげで、クローン人間がすぐに作れる、この未来の世界。
かつてブレードランナーは、レプリカントの生き続けたいという根源的な欲求から、サイボーグとは?生きるとは?というテーマを扱ったが、その世界観はディストピアだった。

この小説は、生き返るから何度死んでも大丈夫ということを前提にしている。
死という絶対的なものが曖昧になった時、人はどう考えるのか?・・・
しかし主人公は、何度も死にながら至って明るい。
重いテーマなのに、哲学的なお話は脇に追いやり、軽やかなSFに仕立てられている。こんな世界だって暗いだけじゃない、生きていることに価値があるんだと思わせてくれるし、読んでいて楽しい。だって地球が住めなくなっちゃったし、科学技術が進歩しちゃったからね。と
この作品は軽薄なSFなんかではなく、きっと人類のリアルな未来の姿を描いたんだろうと思う。

映画「パラサイト」のポン・ジュノが監督した映画も近々公開される。こっちも楽しみ。

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2025年03月21日

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ネタバレ

面白かった。読みやすい。
この作品を知った時は、面白そうだなと思いつつ、手に取らなかったけど、ポン・ジュノ監督、ロバート・パティンソン主演と聞いて読んでみた。面白かった。映画だとどう料理されるのか楽しみ。

死んだらまた一から身体を再構成される、というのは綾波レイを連想する。しかしミッキーは綾波レイの精神性は有してないので、死ぬのは怖いしお腹を空かせている。攻殻の少佐みたいに自己の同一性にこだわらない。
設定的にはスカイクロワのキルドレにも近いかもしれない。最初にとったデータの身体にバックアップしておいた記憶を読み込ませる。
何度も死ぬ体験からは、リゼロのスバルを連想した。
死ぬことにコリゴリになって記憶のバックアップを拒否するのも面白い。
また、最初の自分を無限に作り出した初代の話は面白かった。侵略じゃん。
その他、細々と、主人公が歴史家をそぶく(ここら辺は銀英伝のヤンっぽい)ゆえに、過去の記録を読むことでこの世界の開拓史を追体験出来るのが面白かった。
開拓っていうかもう、流刑地って感じ。

ロバート・パティンソンは「ハイ・ライズ」ではまさに犯罪者故に超長距離の片道切符の宇宙船に乗って、そこは地獄か天国かみたいな宇宙飛行士を演じてたけど、ミッキー7ではどうなるか楽しみ。

ムカデも良かった。意思の疎通は取れるけど、交流まではいかない関係。共生か戦争か。

マーシャル司令はリーダーとしてはまあまあ。人間としてもまあまあ。感情を抑えて指示できたり感情のままに振る舞ったり。人間。友人のベルトも恋人も。主人公からして、友人の負けに大金をつぎ込むのでクズなのは間違いないと思う。

面白かった。映画楽しみ。

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2024年03月24日

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良い意味でぶっ飛びすぎておらず、POPな形でSF小説の古典的命題に踏み込んでいてとても楽しめた。
過去の失敗からきちんと学べば、人類は今よりましな選択ができるようになるのか?

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2024年03月03日

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もう、難しい話はいらないでしょう。

あたまをからにして楽しめます。
特に、ミッキー7と8との掛け合いは、1960年代アメリカのホームコメディ(馬や車が喋ったりするやつ)でのコントのように、奇妙に面白い。
それでいて、スリルありアクションありラブあり……映画化されるそうで、ええ、そうでしょう。わかります。

さて、主人公のミッキー・バーンズは歴史学専攻で、宇宙でも暇を見つけて過去の出来事を調べてました。
そこには、エンタメ作品の中にも社会風刺を潜ませてます。

やっぱり地球って大切なんだなぁ〜

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2023年08月21日

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映画化が決定しているSFエンタメ作品で派手な展開はないものの、SFならではのアイディアが沢山盛り込まれていてSF好きとしては楽しめた。現在の主人公の動向と、主人公のこれまでの「死亡履歴」、そしてこの世界の他の植民星の状況を歴史として語るパートがあり、ディテールが深掘りされていて、実在感のある世界観を形成できている。ただちょくちょくパートが切り替わるため、本編の展開の進み方のテンポは悪く、続きが気になって仕方がないページターナーとは言えないかもしれない。SF的思考実験をエンタメ化した哲学書という印象が強い。

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2023年08月20日

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主人公ミッキーは使い捨て人間(エクスペンダブル)。氷の惑星でのコロニー建設ミッションで危険な任務を担当する彼は、任務で死ぬたびに過去の記憶を引き継いで新しい肉体に生まれ変わる。死を繰り返した彼は、現在ミッキー7。次のミッションで命からがら帰還すると、ミッキー8が生まれていて・・・

高評価!
設定も面白いのですが、展開もまた引き込まれる。ふたりのミッキーはその存在を隠しつつ、コロニー建設のゴタゴタやムカデ型の先住生物との抗争に巻き込まれてしまい、ついに・・・といった感じで、コンパクトな内容なのですが、合間合間に世界背景の描写があったりと、意外と奥行きも感じる作品でした。結末もキレイにまとめて良い感じ。

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2023年08月10日

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人類が居住可能な惑星を探して入植していく未来が舞台。
とある氷の惑星に降り立った200人ほどのグループのなか、死を伴う危険な作業を専門に行う“使い捨て人間(エクスペンタブル)“と呼ばれるミッキーが主人公。
エクスペンダブルは、いわゆるクローン人間で、もし死んでしまったら直前のバックアップから同じ記憶をもった人間が再生される。
ミッキーは、過去6回死んで7人目のミッキー7。
いつもと同様に危険な業務に就き、氷の惑星に住む巨大ムカデに殺されてしまったと思われ、基地では新しい“ミッキー8”が生み出されたのだが、実はミッキー7は死なずに命からがら基地に戻る。
自分の部屋に戻ったミッキー7がミッキー8に出会い困惑。このことが周りにばれたら二人とも処分されてしまうということで、ミッキーが2人いるということがばれないように行動していくが・・・ということから始まり、物語は徐々に大きくなり最後は先住生物である巨大ムカデとの対峙に至る。
最近読んでいるものと同様設定はわかりやすく、宇宙モノのSF冒険譚として楽しめた。
ある人間が死んで、直前の記憶をもった人間が再生されたら、それは同じ人間と言えるのか。それが同時に2人存在してしまったらそれらは同じ人間なのか。
SFにはありがちだけども、この手の哲学的な問いをわくわくする物語の中にうまく埋め込んでいる。
映画化が進んでいるようだけれども、確かに映像向きの物語。公開されたらきっと観に行くなー。
というわけで万人にお勧めできるSF。

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2023年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

うーん、面白いんですが、手放しで喜べないこの感じ。 主人公ミッキーとその彼女がなかなかなクズのせいかも知れません笑  最後はいろいろとモヤモヤっと急速に終わりました。

テセウスの船のくだりですが、使い捨て人間達は、単純に再生してるだけで、毎回同じ人では無いように思いました。
みなさんどう捉えたでしようか。

一気に読めたので面白いのは間違いないです♪

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2023年03月08日

Posted by ブクログ

初読。もっとはまるかなと思ったけど、そうでもなかった。登場人物のなかで、すきになれる人がいなかった。自分の場合、それが作品のすききらいに結構関係するんだなと改めて思った。

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

主人公はエクスペンダブルと呼ばれる特殊な役割をもつ人間。記憶を引き継いでコピーを作れるため、「死ぬ」けれども不死とほぼ同義。タンパク質等の資源がごく枯渇した植民惑星で半ば使い捨てのように利用される立場…という、設定が面白い。
7番目のミッキーがまだ生きているのに8番目が生成されてしまい…というところから始まる。

読者として「こういう場面を詳しく読みたいなぁ」と思うところと、書き手が書きたいシーンが違うらしく、読みながら、あーこういうとこは描かれないのね、残念、と思うところがしばしばあった。

面白いのだけど、コメディなのかシリアスなのかどういうテンションで読めばいいのか掴みきれず、また、主人公含めてキャラクターたちに奥行きを感じられず、共感や思い入れを抱けなかったのが残念。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

居住可能な惑星を開拓する難事業に挑むチームに配属されたミッキーは、使い捨て可能な「エクスペンダブル」。極めて危険なミッションに投入され、死ねばそれまでの自分の記憶をコピーされた複製体がいくらでも生産される。今のミッキーはオリジナルから数えて7代目、「ミッキー7」と呼ばれている。ある日、異星生物を相手にした危険なミッションで死んだものと早とちりされ、命からがら逃げ帰ってきたベースキャンプには「ミッキー8」がいた。ギリギリの食糧生産力しかないベースキャンプで、エクスペンダブルが二人いることは許されない。どちらも生き延びたい二人のミッキーは、反目しあいながらもある作戦を立てて・・・!?

あのポン・ジュノ監督が映画化したというので、どんなもんかと手に取ってみました。あらすじを見る限りでは、なるほどポン・ジュノ監督が興味を惹かれそうな、「上級民と下級民の社会的軋轢」的な問題意識を感じます。

が。がっ。・・・か、軽い・・・

面白いか否かと問われたら、間違いなく面白いです。幾多の危機を乗り切る二人のミッキーのドタバタぶりや、チームメイトや異星生物との丁々発止のやりとりには、手に汗にぎり、ページを繰る手が止まらないほどです。
ただ、登場人物があまりに薄っぺらくて、感情移入できないんですよね。借金取りから逃げるために専門性を必要としないエクスペンダブルになった主人公、大した戦略はないのに高圧的で怒鳴り散らすだけのリーダー、愛情は深いが思慮は浅い軽薄なガールフレンド、自己保身が一番で非を認めようとしない同僚・・・まぁ、どいつもこいつもクソみたいな奴らばっかりで、深みが一切ないです。敵役の異星生物もステロタイプな描かれ方で、魅力を感じません。
要するに、ポン・ジュノ監督の名を聞いて想起するような社会批判性は、全くないんですね。おそらく、そこを期待してはいけない作品なのだと、鴨は思います。

人類の宇宙開拓史であったり、エクスペンダブルの経緯と発展であったり、主人公が幕間にそうしたことがらをつらつらと思索するシーンには、そこそこのSF味はあります。が、それ以上でもそれ以下でもない作品ですので、シンプルに後腐れのないエンターテインメントとして楽しむのが正解かな、と思います。

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

映画ミッキー17を見ようかと思ったら原作があるということでこちらの方から先に読む。設定は面白い。クローン技術の発達した未来、クローン人間も作れてはいるが、その対象となる条件は極めて限定されており、代替の効くものとして、エクペンダブル(消耗品)なる名前が作られて様々な危険な作業に従事される。この世界ではすでに地球が無く(なのかな?)、人類は宇宙の様々な場所に散って生存可能な環境を探しているのだ。主人公のミッキー7は、つまりは7回目のミッキーとなる。6回死んで複製されたということだ。そして死んだと判断されてミッキー8が作られてしまったところでミッキー同士の鉢合わせが始まり、彼らの資源に極めて乏しい惑星探査環境の中では2人が存在することが許されないだろうことで生き残るためにどうするとよいかと葛藤が始まるわけだ。自分が二人いる場合のアイデンティティに関してはとても考えさせられるというか…そう、記憶の連続が自分を自分たらしめているとすれば、ミッキー7にとってミッキー8は、実は必要な記憶のアップロードが数週間無いために他人なんですよね。そして同時に存在することで、体験世界はどんどんズレていくのでますます相手は自分ではなくそれぞれが別のミッキー。でもミッキーを取り巻く周囲からすれば、恋人以外からは、同じミッキーとして扱われるわけで。。。そのあたり本書は全編どちらかといえばコメディタッチなのでそれほど悲壮感があるわけではないけど、しっかり扱われているのは良い点かなと。映画はよりコメディ寄りなのかな。アマプラで出てきたら観ることにしよう。ちなみに続編もあるけど続編ではもうエクスペンダブル設定じゃないようだから面白みはどうなんだろう。。

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2025年05月10日

Posted by ブクログ

ロバートパティンソンの映画の原作!原作先に読んでから映画観るかぁと思って挑んだけど、半分くらい読んだところで映画観ちゃった。原作は淡々としていて映画のようなダイナミックさはなかったけど、どっちにも良さがあっていい。でも原作読むとやっぱ原作のがいいなって思っちゃうな。文体?がすごくコミカルな感じ。謝辞もユーモアに溢れてて著者良い人そうなのが伝わってくるのが好きだった。

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2025年04月23日

Posted by ブクログ

ディストピアの雰囲気漂うSFエンタメ小説。長いけど文章が軽くて読みやすいので、SF初心者にもオススメかも。
使い捨てできる人間として使われている主人公が、とある事件から出会うはずのない自分のクローンに出会っちゃって…から始まる物語。
登場人物みんな色々と問題があるけど、テセウスの船の思考実験や星間探索の歴史を語るシーンはSF『らしさ』を感じられて好きだった。

ムカデとの交流がもっとあったらよかったなぁと思って星3つ。

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2024年07月11日

Posted by ブクログ

監督:ポン・ジュノ、主演:ロバート・パティンソンで映画化が進行している長編SF。あらすじを読んで面白そうだったので、当たってみることに。

人類が、居住出来る惑星を求めて地球外へ旅立つ近未来。命が保障されない危険なミッションにおいて、特別な役割を持つ者がいた。"エクスペンダブルズ(使い捨て人間)"―――それは、命を落とす可能性の高い任務を担当し、死ぬ度に過去の記憶を受け継いで、新しい肉体(クローン体)で生まれ変わる役割を持つ者。
氷で覆われた惑星ニヴルヘイムでのコロニー建設ミッションに"エクスペンダブルズ"として参加するミッキー・バーンズは7人目のミッキー、つまり"ミッキー7"であった。とある任務で6度目の死を覚悟したミッキー7だが、生き残ることに成功して基地へ帰還する。しかし、そこには次のミッキーである"ミッキー8"が既に生み出されており―――。

あらすじを読んですぐ頭に浮かんだのは、映画『月に囚われた男』だったので、サスペンス・ミステリ調の作品になるものと想像していたのだが、実際に読んでみた印象は、オーソドックスなSFアドベンチャー。「"再生産"出来るために使い捨てられる、記憶を引き継ぐクローン体」というのは、SF好きには堪らない設定で、さらに「本来1体しか存在してはいけないクローン体が、同時に2体存在してしまっている」となると、その設定を活かしたトリック等が期待されたのだが・・・だが・・・。

映画化のタイトルは、原題の『ミッキー7』から、使い捨てられた数がだいぶ増えたのか、『ミッキー17』に。ポン・ジュノ監督の力で、本作の魅力的な設定を活かした、原作を超える作品に是非仕上げていただきたい!

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2024年01月26日

Posted by ブクログ

うーん期待した割に普通。ポンジュノが映画がするっていってたからクソおもしろいかと思ったが。考えてみるとポンジュノってストーリーテラーって感じじゃないよね。
自己とはなにかとか異生物との遭遇とか個展的なモチーフの組み合わせになっていて退屈にもなりかねない主題なのだけど、もう一人の自分との対話とかハードボイルド調の諦観に基づく語りの魅力とかでグイグイ読まされる。モノローグは上手。
逆に主人公以外の登場人物が没個性的で魅力が足りない。この辺は素人臭く、もっと熟練してほしい。
次作に期待。

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2023年10月09日

Posted by ブクログ

大変楽しいエンタメSF。
環境厳しい植民星で、何度でも再生できるクローンちゅうかコピー人間“エクスペンダブル”のミッキー7(7体目)が、ひのんなことから生きてるうちに8が作られてしまい、必死で隠しながら、生き残る道を切り開く。
ポン・ジュノ監督で映画化が進んでるそうだが、ロバート・パティンソンはダークすぎないか…短躯で陽気なキャラなのだが。敵のムカデはともかく、あとムシが出てくる幻想シーンはやめてくれー見られなーい。

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2023年04月01日

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