大谷真弓のレビュー一覧

  • ミッキー7 反物質ブルース

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    『ミッキー7』の続編。前作の結末から2年経った植民惑星での話。深刻なエネルギー不足が発生し、この星の人類が全滅を免れるためには前作で爆弾に改造した反物質を取り戻し、エネルギー炉に再投入する必要がある、という話。先住生命体が沢山登場したねぇ。巨大なムカデみたいなのとか、クモとか、真菌みたいのとか……
    ミッキーが「人の事を良く見ている」という設定の人物像なのが相まっての事かもしれないけど『ミッキー7』で読んだ作者の書く人間描写がとても好きで。前作で結構話が綺麗に終わるため、ストーリーが気になって続編読もう、というよりは文体が好みで続編に手が伸びたかなぁ。
    例えば『クインの髪は前より伸びている。金色

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    2025年10月12日
  • ミッキー7

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    テラフォーミングの移民船で、記憶と人格を引き継ぎながら死んでは再生される「エクスペンタブル」のミッキー。7人目の彼が任務中の事故で命からがら生還するが、基地にはすでに8人目のミッキーがいて……というお話。
    同一人間が存在することへ忌避の念を抱く者、「死ぬってどういう感じか?」という単純な興味を抱く者……主人公を取り囲む環境や、登場人物たちがそれぞれ異なる価値観や倫理観を持っていて、興味深かった。
    地球から遠く離れた地では資源は何もかも貴重で、食料は1カロリーとも無駄にできず、「余分な複製なんてタンパク質がもったいない!」と言われたり。ミッキーの日常はとても過酷。
    ミッキーは文字通り命を懸けて仕

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    2025年10月12日
  • ミッキー7 反物質ブルース

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    ネタバレ


    面白かった。前巻の内容、特にエイトがどう死んだかは忘れたけど、ミッキーセブン自体はミミズにも司令官達にも適当な嘘をついて切り抜けたのは覚えていた。
    あと爆弾。

    今巻は、ムカデとロードムービーする。
    冒険に出るまでに、コロニーでの生活やミッキー自身の振り返りはあったものの、前巻よりは歴史の話が少なくてちょっと物足りない。今巻でやることが多いせいだと思う。前巻はベルトに置いてかれてどうにか帰還して、エイトと出くわして二人一役をこなす話だったが、今巻は、コロニーでの燃料の話、ムカデの話、南へ行く話と、アクションが多い。
    その分、この星の生態がわかって面白いが。

    前巻だとエクスペンダブルズという

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    2025年08月26日
  • ミッキー7 反物質ブルース

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    前作以上に抱腹絶倒の展開で一気読みが止まらなかった、SFコメディとしての完成度が高すぎる
    終盤で残りのページ数を見てTobe continuedを覚悟し期待していたのに、あまりにも綺麗に終結してしまってさみしい…

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    2025年05月18日
  • ミッキー7

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    使い捨て(クローン)人間と惑星のテラフォーミングをうまいこと面白く書いた本で楽しかったー!でも細えことはいいんだよ精神がないと引っかかる箇所は多い気がする。結構危機に瀕した生活を強いられてるのにみんな考え方が雑で、そんなんじゃ遅かれ早かれミッキーの件がなくとも失敗してたんじゃない?っていう感じがする。映画は17まで増やされたらしくて、映画自体は楽しみだけどそこまでする必要ある??とも思う。

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    2025年03月14日
  • 12歳のロボット ぼくとエマの希望の旅

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    ネタバレ

    人間がいない世界でロボットが生きていく話だよ。そこで生き残ってる1人の人間と出会って、三台のロボットが人間に心を打たれてね、冒険して人間とロボットを共存させる話だよ(10歳本人談)

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    2025年01月06日
  • ミッキー7

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    ネタバレ

    お話として結構面白かったし、同じ体組成で同じ記憶を有しているクローンは同一人物と言えるのかというテーマもあり、地球以外に居住可能な星を見つけるための移動や環境整備、先住生物の問題だったり、結構深い話だった。
    作者が物理の先生らしいから、全くの空想世界ではなくある程度裏付けがある世界なのも、楽しく読めた理由かもしれない。
    ミッキー7が自身の機転によって見事に生を勝ち取ったラストもよかった。

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    2023年10月01日
  • 無情の月 下

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    改変歴史を描くSF「レディ・アストロノート」第三弾。月面で連続する危機的状況の中、過激派の犯人を探すが……。

    ニコール・ウォーギンは50歳を超えた女性だが、魅力ある主人公だ。これは前作との類似点、つまり閉鎖空間での危機的状況、夫婦や仲間との絆、心理的な弱点との戦い、といった複合的な要素によって、ニコールの心理が緻密に描かれているからだろうか。

    すべての人を疑わなければならない状況の中で、前作主人公エルマと最も仲の良かったメンバーたちが友愛を深め、次第に団結していく姿が美しい。月面で繰り広げられるサスペンス・ミステリーは、中盤やや冗長にも思える長さではあるものの、犯人がわからなければ全員が危

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    2023年02月21日
  • 無情の月 上

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    『宇宙へ』『火星へ』に続く改変歴史SF第三弾。火星探検隊が道半ばに達するころ、ニコールが月へ行くことに。

    前作のヨーク夫妻から今度はウォーギン夫妻へと主人公を変えて、地球と月での物語が展開。すでに月面での経験のある宇宙飛行士であり、カンザス州知事夫人でもあるニコール・ウォーギンが、地球で謎の事故が頻発するなか、月へ向かい、過激派の工作員を探すことに。

    月面基地という閉ざされた世界の中で、宇宙船の事故、停電から感染症など、次々と発生する危機。犯人は仲間たちの中にいる?SFとしての緻密なディティールはそのままに、今作はミステリー調で進んでいく。早く犯人を見つけなければ月面では皆が生き残れないた

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    2023年02月21日
  • 男たちを知らない女

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    表紙の神秘的な雰囲気にひとめぼれして購入。
    ドキュメンタリーを見てるかのように臨場感溢れる作品で、複数の登場人物の疫病との向き合い方が目紛しく描かれる。

    解説がとても秀逸!すべてを語ってくれていて、答え合わせのようだった。
    男たちを「知らない」女がこれからの世界をどう担っていくのか。男たちを知る女(愛する人を失った女)は後世に何を残せるのか。
    ジェンダーの域を越えた、科学の力を越えた、人間味の試される本でした。

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    2022年04月04日
  • 男たちを知らない女

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    ネタバレ

    災厄な災禍とも言える状態の中で、この作品に出合うことが出来たのは幸運だったと思います。

     インフルエンザに似た症状を起こし、わずか28時間という短い時間で男性を死に至らしめる疫病。

     潜伏期間も短く、死亡に至ってはあっという間。

     ワクチンの開発は厳しく、平凡で幸せな家族が夫を、男の子である我が子の死を見つめるしかない。

     世界は一変し、男性の仕事を女性が行い、食料も減ったために配給制度に変わっていく。

     そんな物語の中心にいるのは、人類学者のキャサリン・ローレンス。彼女は夫と息子を亡くすことになる。

     そして、のちに0号感染者と呼ばれるユアン・フレイザーを診断し、看取った救急外来

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    2022年03月07日
  • 12歳のロボット ぼくとエマの希望の旅

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    世界にとって害悪でしかない人間を消し、ロボットだけとなった世界。毎日決められたことを完璧に繰り返していた12歳のロボットXR935は、ある日いるはずのない人間に出会う。12歳の少女エマとの出会いがXR935を、そして世界をも変えていく。

    ロボット視点で語られる物語。ロボットならでは思考や行動原理が、すんなりと受け入れられ、人間とは違う存在であることがわかりやすい。
    ロボットと人間が違う存在だと認識させておき、物語が展開するにつれ、本当に違う存在なのかと思わせることにも、ロボット視点ならではの見せ方が活きています。

    背景に深いロボットに関する情報がありながら、ロボットの一人称で語ることでごく

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    2021年06月04日
  • 翡翠城市

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    アジアン・ゴッドファーザーとも呼べるようなSF超大作。
    翻訳モノにも関わらずスラスラ読み進めることができた。
    約600ページ(それも二段組)という超長編だったので、読み終えるのに時間がかかったけれど、最後まで飽きずに読むことができた。
    圧倒的なスケールと濃厚な物語。
    続編もあるということで続きが楽しみ過ぎる!

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    2021年06月02日
  • ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち<下>

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    ダレン・シャンでうぉぉ~ってなった人は、
    これもうぉぉぉ~ってなると思う

    個人的には、主人公と同じものを実際に見ながら話を読むと物語により入り込む傾向があるとみた

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    2020年02月26日
  • 翡翠城市

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    面白かった!
    翡翠を身に付けた戦士たちの異能バトルは読んでいてアクションが目に見えるようだった。
    無峰会、コール一族の人間模様も最高だった。

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    2019年12月13日
  • 翡翠城市

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    やー、面白かった!つかみもいい、設定もいい、キャラもいい、だいたいタイトルがいいよね。
    これゴッドファーザーじゃないの?!と思いながら読んだら、解説にやはり「21世紀版ゴッドファーザー×魔術」と。でもゴッドファーザーとの大きな違いは、闘う女性キャラたち。ジェイはもちろん、ウェンも、敵ながらアイトも、弱さを孕みながらの強さがカッコいい。

    エピローグ読みながら、続きそうだなーこれ、と思っていたら、やはり続いているらしい、本国ではもう出ているらしい。続きも期待出来そう。邦訳を待つ。

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    2019年11月20日
  • ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち<上>

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    ネタバレ

    2019.9.21

    映画が面白かったから原作も読んでみることに。

    エマとオリーブの特性が逆になってるって読んでみるまで知らなかったから、一瞬あれれ?ってなったけれど、特に違和感なく楽しめた。
    そんなわけで、映画とはヒロインの特性が違うから、この先どんな感じに展開していくのか下巻を読むのが楽しみ。

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    2019年09月23日
  • トム・ハザードの止まらない時間

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    「2019版SFが読みたい!」に紹介があり、面白そうだったので読んでみた。面白かった。遅老症の主人公は、16世紀生まれで、400歳を超える。見かけは、40歳ぐらいにしか見えない。400年前に愛したローズを忘れられず、ずっと孤独に過ごして来た。シェイクスピア、クック船長、フィッツジェラルドなど歴史上の人物とも接してきた。400年ぶりに帰ってきたロンドンで、歴史教師としてカミーユという女性に出会う。ここから止まっていた時間が動き出したのではないか。遅老症というあり得ないSF的な設定を描きながら、人間にとっての時、人生、そして愛について考えさせるのである。そう言えば、バンパイヤも同様に長命だったけ。

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    2019年07月06日
  • ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち<上>

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    すごく面白くて下巻まで一気に読んでしまった!
    ティム・バートンが映画化したものの原作で、とても面白かったのでこちらも読んでみました。
    映画とはベースが同じだけで、キャラクターの設定が大きく違うところがたくさんあったけど、それが気にならないくらい物語に引き込まれました。
    原作も映画もそれぞれ違う魅力がありました。

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    2018年11月11日
  • 魂の図書館〈下〉――――ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち3

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    『ミスペレグリン』の続編が完結した。どんどん広がりを見せ、思いもつかない形で完結した。古くて奇妙な写真も、ちゃんとお話しの中に納まっている。訳者あとがきによると『ピキューリア物語』というスピンオフ小説があるらしい。「興味のある方はぜひ読んでみてほしい」と書かれているが「ぜひ訳してほしい」と思う。

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    2018年03月22日