大谷真弓のレビュー一覧
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翡翠-身に付けると超常的パワーが手に入る-を身に纏った男たちのノワール物。
舞台となる架空のケコン島は、台湾とベトナムを足して2で割ったか、台湾に対外戦争という意味でベトナム歴史を振りかけた感じ。祖父達が戦った独立戦争の余韻がありつつ、米ソを彷彿とさせる世界情勢が取り巻いている。
そんな中で無峰会と山岳会という二大組織(ぶっちゃけ青幇)の争いを描いている。
香港ノワール風味なのでカンフー映画的アクションもあるが、それよりも家族の絆と葛藤、武力だけではどうにもならない策謀、政治的駆け引きがしっかり描かれているので、読み応えがある。
以下ネタバレ
もう少し悲劇的な最後になるかと思ったが、一応落ち着いた最後だった。続刊があるらしいのでそれにも期待。 -
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トム・ハザードは1581年生まれで400年以上生きている「遅老症」。現代とトムが生きた時代を行き来しながら物語は進みます。老化が遅いなんて夢のようですが、400年生きても40歳くらいにしか見えない彼の痛切な孤独や、過去のたくさんの記憶に悩まされる様子は、辛くていたたまれず悠久の命の意味を問われます。彼はどうやって希望を見つけるのか?人は何のために生きるのか?”かげろう”である私たちも同じなのはないかと考えさせられます。シェークスピアが出てきたり太平洋航海にでたり、歴史の体現者としても読者を引き込んでページをめくる手が止められません。翻訳ものにある読みにくさもなくとてもよかったです。
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作者のフロストさんは映画畑出身の方で、小説はまだそんな書いていないはず。
そのためか、文章はあまりうまくない(翻訳のせいもあるかも知れないのですが……)ように感じるのですが、とにかくキャラクターが魅力的。
センターに入学し始め、ルームメイトたちが出るころには、すっかり物語の虜になってしまいました。
普通に見えて負けん気が強くスパイスの効いた切り返しをするウィル。
ショートケーキのような美少女、優しくていい子なブルック
いたずら好きで子供みたいなスポーツマン、ニック。
エジプトの女王のように神秘的なエリース。
妖精のように小柄で、丁寧に喋る社交的なアジェイ。
それぞれタイプの違う五人のキャラクターは、物語を読み進めるには十分な魅力となっています。 -
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死んでも生き返る・生まれ変わる 過酷な状況に投げ込まれる
不死身の使い捨て人間 そりゃ死んだら終いの人間はそんなことしたくないから
他人に押し付けるだろうね
それにしてもその役を担ってくれるミッキーに対してリスペクトの欠片もない司令官
浅慮?から使い捨てを選んだ主人公が数度の転生で積み重ねた経験と知恵をもとに
生きる道をいきていってたどり着いたその先に何が待っているのか
この物語最大の仕掛けにみえる、いてはならない自分がもうひとりいる
さてどうするというのは実はたいしたことなくて
あることを経験していない自分と経験した自分を並行してはしらせて
セブンが生の深さをアップデートしていく物語 -
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科学的手法から不死身になった人間が考えがちなテセウスの船問題、或いはスワンプマン問題について主人公が特に考えないまま物語が進行していくことに新鮮な驚きがありました。普通もう一人の自分が現れたらもっと驚くし色々考えるけどな……と思いましたが、その辺りを深く考えないところが主人公であるミッキーの魅力なのかもしれないですね。
道中、主人公が種々のピンチに襲われるわけですが、常に危機感薄くない?といった感じで物事が進んでいると感じました。私ならもっと慌てそうだと感じる場面でも、物事の流れにゆったりと身を任せながら進んでいく一連の描写が、必要以上の焦燥感に駆られず安心して読める感じがあり、むしろ読みやすさを演出している気がしました。
ジャンルはSFではありますが、小難しい専門用語が登場することも無く、堅苦しい雰囲気がある訳でも無かったので、どんな人にも読み易い一冊として勧めることが出来るように感じました。強いて言えば、哲学的な物事を考えたり死生観についての討論が好みな内向的な人にはとりわけお勧めかなと思います。
……概ね楽しめた本作でしたが、中盤でミッキー7と8及びナーシャ三人が私の価値観では考えられないぶっ飛んだことをし始め、完全に置いてけぼりを食らいました。私もマーシャルと同じく人口増加提唱者だったのかもしれない。 -
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長雨で洪水が発生する中、アフェイリア国の最高指導者であるスプリーマがこっそり逃げてしまう。国が洪水に飲み込まれてしまう危機に瀕し、スプリーマの夫は、本人が戻ってくるまでメイドの女の子にスプリーマのふりをさせることを思いつく。そのメイドの女の子の、冒険と成長の物語です。
小学生向けの書棚にあり、表紙のイラストが可愛かったので購入しましたが、とても読み応えがありまし
た!
大雨で川が氾濫し、人々が避難する描写はとても緊迫感があり大人の私が読んでも恐ろしいなと感じました。小学生の時に読んでいたら、どう感じただろう。
これは、1927年にアメリカのミシシッピ川流域で実際に起きた災害をモデルにしているそうです。
災害だけでも悲劇だけれど、非常事態の中ではびこるウソや差別、自分だけが良ければいいという傲慢さなど、人々の残酷な面があらわになるのがショッキングだなと思います。
そんな物語の中で、お屋敷で飼われているゴールデンレトリバーのわんちゃんの天真爛漫さに癒され、散りばめられた仕掛けを楽しみ、最後まで読むことができました。