大谷真弓のレビュー一覧
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ネタバレクローン技術で再生される“使い捨て人間(エクスペンダブル)”と、テラフォーミングのお話。
エクスペンダブルの主人公ミッキーが、深刻に悩みはするけどユーモアある人物なので語り口が飄々としてて、不穏さは漂いつつ楽しく読めました。
数々の惑星で、数多の失敗と成功を繰り返してきた人類。
ミッキーが歴史学者だから、これらのエピソードも無理なく登場してたのも良かったです。
歴史となる記録自体は情報としていつでも読めるけど、それを活かせるのは歴史に学んでいるからこそ……ムカデとの共存を取れたのも彼にはこれがあったからなんだなぁ。相手はこちらの言語を利用できるほど高度な知性体、でも概念や考え方はお互いに理解 -
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Posted by ブクログ
人類が地球を離れ(詳細は書かれていないが、地球には住めなくなった・・・今の状況を見れば未来の姿は明白だ)、居住可能な惑星を求めて、宇宙船で光年の開拓に出ざるを得なくなった。そんな過酷な開拓で、生命の危険があっても、どうしても人がやらなければいけない任務があり、それを行うのが「使い捨て人間」・・・エクスペンタブルの主人公ミッキー7。
記憶の転生技術とDNA情報を再現する再生技術のおかげで、クローン人間がすぐに作れる、この未来の世界。
かつてブレードランナーは、レプリカントの生き続けたいという根源的な欲求から、サイボーグとは?生きるとは?というテーマを扱ったが、その世界観はディストピアだった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。読みやすい。
この作品を知った時は、面白そうだなと思いつつ、手に取らなかったけど、ポン・ジュノ監督、ロバート・パティンソン主演と聞いて読んでみた。面白かった。映画だとどう料理されるのか楽しみ。
死んだらまた一から身体を再構成される、というのは綾波レイを連想する。しかしミッキーは綾波レイの精神性は有してないので、死ぬのは怖いしお腹を空かせている。攻殻の少佐みたいに自己の同一性にこだわらない。
設定的にはスカイクロワのキルドレにも近いかもしれない。最初にとったデータの身体にバックアップしておいた記憶を読み込ませる。
何度も死ぬ体験からは、リゼロのスバルを連想した。
死ぬことにコリゴリ -
Posted by ブクログ
15歳のメイドのグローリアは逃亡した首相(マダム・スプリーマ)の影武者になるよう首相の夫ティモールに命じられ、国の水害に立ち向かう。
国のトップは嘘付きでメディアの情報も嘘だらけで事態は悪化。嘘がどんどん溢れる中、グローリアは最初はスプリーマの振りだけだったのもなんとかしなくてはと思う様になる。
人的被害も多数出て、食べ物は無くなり、都市部の働き手は全員工場に閉じ込められ、子供の体調は悪化、不安と不満がたまる国民たちという険しい状況はどの様に収束するのか予測がつかず読み応えあった。
そんな殺伐としたなかでも登場する犬が癒し。
描かれる人物は凄く人間味が溢れてた。
グローリアとティモールが -
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Posted by ブクログ
主人公ミッキーは使い捨て人間(エクスペンダブル)。氷の惑星でのコロニー建設ミッションで危険な任務を担当する彼は、任務で死ぬたびに過去の記憶を引き継いで新しい肉体に生まれ変わる。死を繰り返した彼は、現在ミッキー7。次のミッションで命からがら帰還すると、ミッキー8が生まれていて・・・
高評価!
設定も面白いのですが、展開もまた引き込まれる。ふたりのミッキーはその存在を隠しつつ、コロニー建設のゴタゴタやムカデ型の先住生物との抗争に巻き込まれてしまい、ついに・・・といった感じで、コンパクトな内容なのですが、合間合間に世界背景の描写があったりと、意外と奥行きも感じる作品でした。結末もキレイにまとめて良 -
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
北京五輪の開会式を彼女と見たあの日から、世界はあまりにも変わってしまった――『三体X』の著者・宝樹が、中国の歴史とある男女の運命を重ね合わせた表題作、『三体』の劉慈欣が描く環境SFの佳品「月の光」、春節シーズンに突如消えた列車の謎を追う「折りたたみ北京」著者の郝景芳による「正月列車」など、14作家による中国SF16篇を収録。ケン・リュウ編による綺羅星のごときアンソロジー第2弾。解説/立原透耶 本書は新☆ハヤカワ・SF・シリーズ『月の光 現代中国SFアンソロジー』を改題・文庫化したものです。
〈収録作品〉
序文
ケン・リュウ
夏笳(シアジア)「おやすみなさい、メランコリー」