大谷真弓のレビュー一覧
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購入済み
ちょっと難しい
同じ著者のミッドナイト・ライブラリーを読んで感動したのどこちらも読んでみました。
こっちはちょっと難しかったなぁという印象です。
大きなテーマは同じかなと思いましたが、少なくとも、同じ感覚では読めませんでした。。
とはいえ、いろいろ考えさせられる本でした。
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Posted by ブクログ
人類が居住可能な惑星を探して入植していく未来が舞台。
とある氷の惑星に降り立った200人ほどのグループのなか、死を伴う危険な作業を専門に行う“使い捨て人間(エクスペンタブル)“と呼ばれるミッキーが主人公。
エクスペンダブルは、いわゆるクローン人間で、もし死んでしまったら直前のバックアップから同じ記憶をもった人間が再生される。
ミッキーは、過去6回死んで7人目のミッキー7。
いつもと同様に危険な業務に就き、氷の惑星に住む巨大ムカデに殺されてしまったと思われ、基地では新しい“ミッキー8”が生み出されたのだが、実はミッキー7は死なずに命からがら基地に戻る。
自分の部屋に戻ったミッキー7がミッキー8に -
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Posted by ブクログ
香港ノワール映画「男たちの挽歌」「インファイナル・アフェア」を見ているような世界観の“ファンタジー”小説
架空の島国ケコンで、かつては一つの組織として民族独立の原動力となった“グリーンボーン(翡翠使い)”たちは、その中心となったコール家の無峰会とアイト家の山岳会の二つの組織に分裂し、敵対していた。そんな抗争のなか、コール家の若き指導者たちはさまざまな葛藤を抱きながら組織のために戦う……。
翡翠による特殊能力と架空の場所や国でなければ、ファンタジーという言葉の響きからはひどくかけ離れている。
人はなぜ”石“に意味を持たせようとするのか。
たしかに多くの工業製品にその特性を生かした鉱石が用い -
Posted by ブクログ
「時代に追いつかれたパンデミック小説」解説でも言われている通りストーリーとしてはまさにこれ。
男だけが感染し、感染・発症すれば致死率ほぼ100%で、しかも感染率も異常に高く世界中のすべての男性が感染するという世界。
covid-19を目の当たりにして、致死率と感染率の関係や、人類の知恵が ー局所的に見れば決断できない政治や事実を理解できないメディアがあったとしてもー 全体としてはどんなフィクションよりも遥かに良心的であることを知る現代には、パンデミックの描写はすでに古臭いと感じることも多々ある。
しかし、パンデミックを舞台装置としてそこに生きる女性を描いたこの小説は、それぞれの立場で絶望し、そ -
Posted by ブクログ
翡翠-身に付けると超常的パワーが手に入る-を身に纏った男たちのノワール物。
舞台となる架空のケコン島は、台湾とベトナムを足して2で割ったか、台湾に対外戦争という意味でベトナム歴史を振りかけた感じ。祖父達が戦った独立戦争の余韻がありつつ、米ソを彷彿とさせる世界情勢が取り巻いている。
そんな中で無峰会と山岳会という二大組織(ぶっちゃけ青幇)の争いを描いている。
香港ノワール風味なのでカンフー映画的アクションもあるが、それよりも家族の絆と葛藤、武力だけではどうにもならない策謀、政治的駆け引きがしっかり描かれているので、読み応えがある。
以下ネタバレ
もう少し悲劇的な最後になる -
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Posted by ブクログ
トム・ハザードは1581年生まれで400年以上生きている「遅老症」。現代とトムが生きた時代を行き来しながら物語は進みます。老化が遅いなんて夢のようですが、400年生きても40歳くらいにしか見えない彼の痛切な孤独や、過去のたくさんの記憶に悩まされる様子は、辛くていたたまれず悠久の命の意味を問われます。彼はどうやって希望を見つけるのか?人は何のために生きるのか?”かげろう”である私たちも同じなのはないかと考えさせられます。シェークスピアが出てきたり太平洋航海にでたり、歴史の体現者としても読者を引き込んでページをめくる手が止められません。翻訳ものにある読みにくさもなくとてもよかったです。