あらすじ
〈レデイ・アストロノート〉シリーズ最新刊 巨大隕石落下の影響で人類が宇宙進出を迫られ、月面基地が設立された世界。1963年、初の有人探査船が火星への旅路のなかばに到達したある日、カンザス宇宙港で打ち上げ直後の貨物ロケットが爆発する。宇宙開発に反対する過激派のテロ工作らしい。月面にも一味が侵入した形跡があるとわかり、極秘調査のため、宇宙飛行士で州知事夫人のニコールが月へ送りこまれることに……。主要SF三賞受賞『宇宙へ』シリーズ第3弾!
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Posted by ブクログ
『宇宙へ』『火星へ』に続く改変歴史SF第三弾。火星探検隊が道半ばに達するころ、ニコールが月へ行くことに。
前作のヨーク夫妻から今度はウォーギン夫妻へと主人公を変えて、地球と月での物語が展開。すでに月面での経験のある宇宙飛行士であり、カンザス州知事夫人でもあるニコール・ウォーギンが、地球で謎の事故が頻発するなか、月へ向かい、過激派の工作員を探すことに。
月面基地という閉ざされた世界の中で、宇宙船の事故、停電から感染症など、次々と発生する危機。犯人は仲間たちの中にいる?SFとしての緻密なディティールはそのままに、今作はミステリー調で進んでいく。早く犯人を見つけなければ月面では皆が生き残れないため、連続するトラブルと仲間への疑惑の中で緊張感とスリルが高まっていく。やたら多いページ数がネックにも思えるが、先が気になる展開が続くので一気に読めると思う。