都甲幸治のレビュー一覧

  • 21世紀の世界文学30冊を読む〔電子版〕

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    海外文学(特に米)へのひたむきな情熱を感じる良エッセイ。とにかく翻訳の既成概念を根底からゆさぶる、ときに野蛮、ときにクールな選評でぐいぐい読まされる。

    ミランダ・ジュライのひととなり興味深い。
    日本でいうところの川上未映子か。

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    2012年08月21日
  • 教養としてのアメリカ短篇小説

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    すべてを読んだわけじゃないけど、こういうガイドがないと、外国の文学は理解することが難しいと思う。まして、この本は「短編」だけを取り扱っているから、初心者には尚更とっつきやすくていい。

    p103 第一次世界大戦の戦闘は、ヨーロッパ全土に広がりました。先ほども述べたように近代兵器を使いまくった総力戦だったので、工場のような生産設備もまるごとなくなってしまうくらい、本当に焼野原になります。一方、アメリカは戦場にならなかったので、工場や生産設備が残った。単純化していうと、この時期、アメリカがどんどんものをつくってどんどんヨーロッパに売るという流れができます。アメリカが世界経済の中心になるわけです。
    米ドルがどんどん強くなって、相対的にヨーロッパの貨幣価値が下がる、すると、アメリカ合衆国ではそれほど豊かでなくても、ヨーロッパに渡ればお金持ちのような暮らしができるということになります。そこで、若くて貧しい芸術家がフランスに渡っていくことになる。

    p105 男らしさという価値と軍隊との関係については「手」の回で言及しましたが、「軍隊」と「男らしさ」と「アルコール」という要素はアメリカ合衆国の文化の中でつながっていくという部分があります。

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    2026年10月11日
  • 郵便局

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    なぜ働いているかわからない時に読みましょう。
    金がない時に読みましょう。
    元気な時に、二日酔いの時に読みましょう。
    いいです。

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    2026年09月25日
  • 生き延びるための世界文学―21世紀の24冊―〔電子版〕

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    複雑に発達したこの現代社会で生きる人々を描く世界文学のあらすじの紹介集。生きるか死ぬかが最大の問題だったような時代の人からすれば、人間関係や自己のアイデンティティの悩みなど、「贅沢な悩み」とも言えるようなことに苦悩する主人公たち。何もかもが複雑になりすぎたのを感じて、読んでいるだけで息苦しい。なるべくシンプルに生きるようにしないと心が持たないよな。

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    2026年08月11日
  • 郵便局

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    彼の人間具合を知っていたらなんでこんなに文が素敵なのかと不思議にもなるけどそれは逆説的で、人との関わりが無いほど文語体が美しくなる、と北柴教授が記していたように見事に綺麗にまとまっている

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    2026年04月12日
  • 教養としてのアメリカ短篇小説

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    一気読みしてしまった。ヘミングウェイ、オコナーをもっと読みたくなった。ベトナム戦争などのワードの解説が簡潔でわかりやすすぎてびっくりした。他の著作もよもーう。

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    2025年02月26日
  • 教養としてのアメリカ短篇小説

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    歴史が浅いだけにいびつな軋轢の中で秩序を構築してきたアメリカ。短編小説を通してそのうねりの中を生き抜いた人々の心理がよく伝わった。特にベトナム戦争前後の米国の戦争観のパラダイムシフトにはとても興味を持った。

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    2025年01月05日
  • 郵便局

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    ネタバレ

    最近、ブコウスキーの長編が河出文庫で一気に復刊して入手しやすくなり、ひととおり備蓄できたが、本作は少し前に光文社で新訳となったもの。最初のブコウスキーとするのに程よい分量と内容。読むまではアウトロー的なイメージを持っていたが、勤務状況は真面目な反面、当時の〇ハラ行為が当然な中への怒りや反攻が多く、現状、ブコウスキーの分身たるチナスキーを応援したくなってしまう。ハラスメントが当たり前の時代の読者と現代のそれとでは、明らかに読み方も違うのだろうが、彼の無頼な生き方にはどこか憧れるし目を離せないし、求心力のある物語だった。チナスキーの物語はたくさんあり、今度は「くそったれ少年時代」を読むつもり(しかし原題に比べタイトルひどいね)。

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    2024年11月05日
  • 暗闇に戯れて 白さと文学的想像力

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    都甲先生が訳していたので。
    ブロティーガンやブコウスキーを読んだ時からの何となくの直感だけど、アメリカ人の抱える悲しみは絶対日本人のそれに通底するところがある。
    被差別階級を非人間的な存在として苦しみから逃れるとか、いやもっと言語的なレベルで…
    本編もよかったけど、先生の解説だけでもかなり読む価値がある。今まで白人が差別してきた人々が自由を獲得し、境界線を侵犯してくるのではないかという不安を描く上でゴシックロマンスという形式が最適であったとか、「中立的」「科学的」言説と人種主義の強い力だとか。
    ヘミングウェイと看護師もフェミニズム的に読むと面白そう。白人が白人ぽさを出すために髪を染めるとか、すごくかなしいなとも思った。

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    2024年10月01日
  • 暗闇に戯れて 白さと文学的想像力

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    ネタバレ

    大学の講義を元にしたもの。なので専門的で分かりにくい。だが言わんとするところは今となっては当然と思われること、アメリカの移住者の自由のために黒人は作られたのだ。
    訳者の解説が丁寧でかなり理解の助けになった。

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    2023年11月28日
  • 教養としてのアメリカ短篇小説

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    勉強と思いながら、ずっと積んでいた本なのだけど、第一講のポー「黒猫」から、もう面白い。

    ガシガシ読み進めて、メルヴィルとサリンジャー、カーヴァーについては、カートの中に入れてしまった(笑)

    筆者の作品の要約がまず上手いんだと思う。
    短編だからかもしれないが、ストーリーが分かりやすく流れていって、原本に当たりたくなるような、いいバランスで語られている。
    それだけでなく、作家の経歴と、当時のアメリカの社会的な状況、当時の人々にとって身につけねばならなかった「らしさ」などにも触れている。

    アメリカ文学って名前くらいしか知らない、な人が読むと良いのではないかと思う。

    エドガー・アラン・ポー「黒猫」
    ハーマン・メルヴィル「書記バートルビー」
    マーク・トウェイン「失敗に終わった行軍の個人史」
    シャーウッド・アンダソン「手」
    F・スコット・フィッツジェラルド「バビロン再訪」
    ウィリアム・フォークナー「孫むすめ」
    アーネスト・ヘミングウェイ「白い象のような山並み」
    J.D.サリンジャー「エズメにーー愛と悲惨をこめて」
    トルーマン・カポーティー「クリスマスの思い出」
    フラナリー・オコナー「善人はなかなかいない」
    レイモンド・カーヴァー「足もとに流れる深い川」
    ティム・オブライエン「レイニー河で」
    イーユン・リー「優しさ」

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    2023年01月29日
  • 「街小説」読みくらべ

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    著者のゆかりあるいくつかの街について、それぞれその街が舞台の小説を3つずつ挙げて書評?するもの。Web連載だったようで読みやすく面白かった!全部読みたくなった。
    早稲田大学が褒められててうれしかったし、金沢、国立、福岡と私自身もなんとなく縁のある街が多くてうれしかった。

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    2023年01月01日
  • 教養としてのアメリカ短篇小説

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    本の読み方が深まると同時に、
    アメリカという国への理解が
    深まる好著。
    この本をガイドにアメリカ文学の
    世界に挑戦したい。

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    2022年05月04日
  • 教養としてのアメリカ短篇小説

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    アメリカ文学をアメリカという国の成り立ちをしっかりと踏まえて読み解くとどう読めるのかを紹介している。

    ポーの『黒猫』にアメリカの根深い問題である人種(黒人に対する暴力)と飲酒が描かれていることを知り驚いた。戦争と男らしさ、そこから生まれる弱き者(女性、性的マイノリティ等)に対する蔑視等がアメリカ文学の底流にあることを各作品の読み解きから学ぶことができた。こうした機会はあまりないので(「100分de名著」を除けば)有益な読書体験になった。

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    2022年04月17日
  • 教養としてのアメリカ短篇小説

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    思えば文学評論を読むのは学生時代以来かもしれない。しかも私は短編小説はあまり読まないので、本書で取り上げられた作品も、読んでいるのはポーの「黒猫」くらい。
    にもかかわらず、たいへん面白く読めた。アメリカ人の精神構造を醸成してきた地理的、歴史的事情が、アメリカ文学にも多大な影響を与えていることが平易な文体でわかりやすく書かれている。
    本書で取り上げられた短篇はもちろん、これまでなんとなく読み過ごしてきたヘミングウェイやカポーティの長編も再読したくなった。きっと新たな発見があるだろう。

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    2022年03月15日
  • 生き延びるための世界文学―21世紀の24冊―〔電子版〕

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    読んでいる間、非常に辛かった。この24冊を翻訳本や原著で読む体力も能力も今の私にはないと自覚した。しかし、この本があったからこそ、この24冊の本とその著者らを知ることができたし、文学にできることは何なのかについて考える機会を得た。

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    2021年05月26日
  • 今を生きる人のための世界文学案内(立東舎)

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    命がけでないことなど何もない( ^ω^ )人生は有限、限られた可能性からの選択(^o^)いつもベストを尽くす(^o^)/

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    2020年05月26日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    作家別に紹介した読書ガイド。とても良心的だと思う。自分としては「コナンドイル」の章でピンチョンの新訳が出ているのを知ったのがよかった。希望としては、取り上げた作家が限らているのが残念なので、シリーズ化してくれるとうれしい。

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    2019年05月01日
  • きっとあなたは、あの本が好き。 連想でつながる読書ガイド

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    村上春樹/ルイス・キャロル/大島弓子/谷崎潤一郎/コナン・ドイル/J・R・R・トールキン/伊坂幸太郎/太宰治

    どれかの名前にピンときたら読んでみてもいいかもしれない。
    書評家、作家、翻訳家が10人。
    ブコウスキーの訳者として知られる都甲幸治さんをホスト役にして1作家3人ずつの鼎談方式のブックガイド。

    ブックガイド好きな上に本について語り合ってる人たちも好きな自分には楽しかった。

    各テーマも興味深く、例えばキャロルは「あえて男三人で『不思議の国のアリス』を語る」とか太宰は「ダメ人間を描く小説の作者はダメ人間か」とか。

    なるほど~と膝を打ちたくなるような考察もあって面白かった。いやあ、自分頭固いわ。

    ただ他の方も書かれているようにネタバレも激しく、映画『ファイト・クラブ』のどんでん返しもしゃべってしまっているので、伏せ字にするとかネタバレ注意をいれるとかしてほしかった。

    あと話題に上がった作品のリストもつけてほしかったな。

    大島さんファンなのでミランダ・ジュライとケリー・リンクはひとまず読んでみようと思った。

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    2017年11月25日
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今

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    タイトル通り各文学賞について複数の方たちが好き勝手(?)話をしたものが1っ冊の本にまとめられている。面白かったのは文学賞の背景であったり、審査の仕方であったり文学賞の周辺まで考察したり説明があったりで、なかなか読み越えのある本だった。世の中にはまだまだ知らない本がたくさんあるのでとても勉強になった。

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    2016年12月11日