田中靖浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◯イタリア
・画家のカラバッジョ。
・香辛料とともに疫病が東から運ばれてきた。
・ペスト黒死病。ペスト流行の後、多くのルネサンス芸術家が教会の支援を受けて活躍するようになった。(ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなど)
・死の病ペストが社会、経済、文化といった面で揺らぎとリセットを起こし、そこから各分野で活躍するスターが生まれた。
・当時のバンコは「融資」をメイン業務としていなかった。なぜなら教会が融資で利息を取ることを禁止していたから。時間は神のものだから、時間の経過に伴って生じる利息もまた神のもの。だからそれを商売人が取ることはまかりならぬとされていた。
・ペスト流行後の15世紀に発展したメディチ銀行はフィレンツェに本店を置きつつ、イタリア各都市に視点を増やし、のちにヨーロッパ各都市に支店を作り、融資を行えないからこそ、巨大組織を作って手数料ビジネスを展開した。
・大航海以前=地中海貿易(東方貿易)、イタリア全盛の時代。
◯スペイン
・大航海時代=スペイン、ポルトガルの時代。
・徴税業務の委任...。教会だけでなく国家レベルでも大きな問題だった。「税金を計算する仕組み」まだは作れても「徴税業務」まできっちり行うのはとても大変だった。そこでこれを請け負う「徴税請負人」が現れた。
・当時は、カトリック教会が強大な権力をもつ一方で、国家の輪郭を作る王様は意外に権力が弱く、特に資金面でとても苦労していた。15世紀、今のスペインと呼ばれる地域が統一して一つの王国になり、大航海時代が始まった。
・親譲りの会計嫌いのフェリペ2世は、資金繰りに苦しんで返済期間の長い公債を発行したり、他国の金融業者から借入を行うなどした結果、何度も破産宣言を出した。
◯フランス
・17世紀、王立の絵画彫刻アカデミーを設立。国を挙げて芸術振興を図るとともに、美術品の輸出国側に転じて金銀の流出を阻止しようとした。
・キッチリ男コルベールの徴税請負人制度
フランス財務総監として活躍。あまりにも複雑になりすぎた税制を整理、徴税制度にもメスを入れた。税金徴収業務の民間委託を実施した。アメリカのルイジアナ周辺に所有する領土にフランス国有の会社を設立した。
・ほら吹き男、ジョンロー。
ルイジアナのミシシッピ開発を担保とした紙幣を発行、発行元のバンクロワイヤルの初代総裁に就任した。その後、海外の貿易特権を集中させたミシシッピ会社を設立した。バブル化したのちにあっけなく破綻した。
・やりすぎ男、ネッケル。
スイスの銀行家でプロテスタントを招聘した。
◯イギリス
・イギリスで 1830年に登場した世界最初の鉄道である「リバプール&マンチェスター鉄道」は港街と工業都市を結んでいた。この鉄道によって港で輸入した原材料を工場へ運び、大量に製造し、完成品を港へ運ぶまでの仕事が手早く行えるようになった。
・蒸気機関はオランダ東インド会社をはるかに上回る規模の資金が調達できてそれを資本に大量に初期投資しないと事業が始められなかった。
・まずは土地を買い、造成工事をして、鋼鉄製のレールをひく。そこまで一連の投資でやっと「道」が完成。そのあとは何カ所かに駅をつくらねばならないし、機関車の車両を揃えなければならない。さらには燃料に用いる石炭、駅の備品、補修部品、その他諸々、とてつもなく巨大な資金が必要だった。
・南海泡沫事件。
南海会社は 1711年、南米地域と独占貿易を行う会社として設立された。イギリスは当時抱えていた財政赤字の解消を目論み、国債を南海会社株式と交換するプランを立てたが、これがはじまると、南海会社の株価が急騰、フランスと同じく大騒ぎとなった。
・「会社に投資」して稼ぐのか、それとも「会社で働く」ことで稼ぐのか。それをどう組み合わせればいいのか。これは 21世紀のいまなお続く、永遠の難問。
・コカ・コーラにとって、 CMをはじめブランドに対する支出はまぎれもなく「投資」です。もしかするとそれは工場の建物や機械への投資より重要性が高いかもしれない。自らのブランドを守り育てるために、どこへどれだけの投資をすべきなのか。これは従来の会計や経営の枠組みを超えた新しいテーマといえる。 -
Posted by ブクログ
ルネサンスからはじまる西洋美術、絵画の歴史を辿るところは、一般的な美術史の本と共通していると思うけれど、
この本は、西洋美術において大きな動きのあった地域とメインとなる画家に焦点をおきつつ、さらにタイトルのとおり、その時代の経済史的な背景についても説明してくれるものになっている。
こう書くと、すごく堅苦しい本に思えるけれど、そんなことはなく、著者自身の感想や趣味もまじえつつ、フランクな語り口で、楽しく読める本になっている。
絵画というと、芸術、文化というイメージがあるが、この本では、それだけでない、画家のパトロンの変化や、商品、投資対象としての絵画のあり方など、絵画には経済的な側面もあるということが、言われてみれば当たり前のことなのだけれど、発見だった。
また、絵画や芸術は、高尚なものと遠ざけてしまってはもったいない、もっと身近にふれて、視野を広げてくれるものなんだなと思える本だった。 -
購入済み
経済だけにとどまらない
非常に読みやすい。ただ、ときに軽すぎる文体は賛否が分かれるかも。
絵画という視点を通しての歴史講義が、これほどまでに面白いとは読む前には想像できなかった。
各国の国民性や時代による特色も判りやすいし、同時代同地域の画家でも方向性が分かれるなど興味深い内容であった。
好きな絵を描くか、人々に好まれる絵を描くかのスタンスの考察などは、国や時代・仕事を越えて、人間の真理を捉えていると思える。
最後に、日本のバブル期に関するエピソードは、日本人として悲しくなるが。