奥山真司のレビュー一覧
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■キケロは「演出されたものほど、人の心に深く入り込み、聴衆の心の状態を作り上げ、それを動かす力を持ったものはない」と語った。
■「汚染水」。名前はメッセージを持っている。日本にダメージを与える影響力工作という観点から言えば、中国は非常に効果的な名称を選んだ。
■中国やロシアが展開している影響力工作の中には、子供だましのようなレベルのものが多くある。しかし、そんな程度であっても悲しいことに効果がある。
■中国の狙い。
①中国国民を日本との戦争に備えさせること。
②日本を弱体化させること(日本が中台間の戦争へ参戦することを阻止するため)
③国際的に日本を孤立させること(友軍、主にアメリカ軍を沖縄か -
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「古典地政学は「すべてを説明する理論」などではありません。国際社会を動かす要素は宗教、文化、その国の歴史、経済、人口構造、科学技術など、実に様々で、それらが複雑に交錯しています。地政学は、それを、「地理」を出発点とするひとつの切り口で考察する営みにすぎませんが、その知的実践の蓄積は、いまの世界を理解するうえでも、大いに役立つと考えているのです。」
—『世界最強の地政学 (文春新書)』奥山 真司著
「では、なぜ地政学は「地理」に注目するのか? それは国家にとって地理が最も不変的な条件だからです。 教科書に書かれている「国家」の条件は3つあります。「一定の領土」「国民」「政府」です。 こ -
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ほとんど知らないことでした。衝撃ポイント(!)も多かったです。
歴史的な背景を踏まえて解説されていて、初心者にも分かりやすかったです。
ニュースは、個々のイベントをバラバラに捉えるより、大元の背景や地政学を理解した上で見ると理解が早そうです。
アメリカがイスラエルを支持する理由の一つ(最終戦争をユダヤ人に起こしてもらうため)は斜め上すぎて衝撃でした。
日本の場合、国際政治に宗教的思想はそんなに関与しないと思うので。いろんな価値観があるなと思いました。
⭐️学んだこと
•ランドパワー、シーパワー、大規模紛争の多くが勃発したリムランド
•ランドパワーとシーパワーの両立は不可(1国で)
•拠 -
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アメリカの若き戦略家であるハル・ブランズ氏とマイケル・ベックリー氏の共著を奥山真司氏が訳したもの。
論旨としては、情勢分析と処方箋の二つに大別されると思う。
冒頭の4章までで、いわゆるトゥキディデスの罠的な台頭する国と老成した大国の対峙が危険なのではなく、台頭する国がピークアウトした後こそ危険であり、機械の窓が閉じないうちに行動に移すことこそ危険としており、過去の例として1914年のドイツ第二帝国、1941年の大日本帝国を挙げている。この中で、2027年頃が危険だという説について、中国側の事情だけではなく、米海軍・空軍のアセットが2020年代後半にかけて大量退役して復活までに時間を要するこ -
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戦争を始めたら中途半端に休戦したりしてはならない。難民キャンプなどを作ってしまうと越境攻撃したりする拠点になってしまい難民以外の生き方をしらない世代も生まれてしまう。そのため徹底的にやらせるべきだし二度と歯向かう気が起きないようにすべきであると。つまり戦争当事者の両国の戦争欲を失くすために、心を折るまで戦わせるということ。
「うまくいくだろう」という考えはなにもしていない以上にひどい最悪の状態。降伏したほうがましなくらい。やるかやられるかしかない。備えよ常にや平和のために備えよが正しい。
男は戦士であるべきで、女は戦士を好む、としてそれが少子化や衰退の原因であるとしている。イーリアスの戦士の文 -
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『世界最強の地政学』 奥山 真司 著
「世界最強」かどうかは別にして、地政学の歴史や考え方、現在進行中のロシア、中東、中国、果ては宇宙の話まで、これ一冊で十分という感じです。地図が多用されていることから、眼で見てわかる工夫もされており、新書版としては「最強」かと思います。
日本は海洋国家であるはずなのに陸軍というランドパワーが強い理由、隣国とはどこも敵国、戦争に勝つ定義は何か(この定義ではロシアは敗戦状態)など、改めて考えさせられるところがありました。新聞やニュースなどで断片的に入ってくる情報を俯瞰することができ、これで1,000円チョットとはお得な一冊です。 -
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ネタバレ「フルコースのディナーをワインとともにガッツリいただきました」という読後感です。辞書並みに分厚い本で、読むのを躊躇しましたが、この「新装完全版」には「中国は平和的に台頭できるか?」が追記されているとのことで、思い切って挑戦。発行年は、2019年ですが、歴史を振り返りつつ(日本についても詳述)、いまにも通じる内容です。
「オフェンシィブ・リアリズム」を主張される著者の要点は、おおよそ以下の3点。①国家を超えて全世界の安全を守る中心的な権威がなく、②どの国もある程度の攻撃的な軍事力を持ち、③国家同士は夫々が何を考え何をしようとしているかを完全に把握できない、なかでは、大国は生き残りのために覇 -
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2018年トランプ政権下で出版された軍事専門家による国家戦略論
日本の高度な戦略文化論から入る
1.0 江戸システム 幕藩体制をもって敵を消失させる戦略論
2.0 明治システム 西洋近代から日本を防衛し、近代化を達成した戦略
3.0 戦後システム 防衛費をGNPの1%に抑えながら経済大国に押し上げた戦略
4.0 今求められているシステム 北朝鮮の核や、中国の尖閣から日本を守るために必要な戦略
4.0に必要なもの
①北朝鮮のすべての核関連施設とすべてのミサイルを排除するために、先制攻撃を行う能力
②国家の衰退を防ぐために少子化を解消する。
③アメリカの同盟軍としての期 -
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字数は少ないが内容は豊富な本。
2021年現在の国際環境は、日本にとってかなり有利になっている。チャイナ4.0の戦狼外交はチャイナ2.0の悪化版。世界的に反中ムードが高まっている。シーパワー=海軍力、マリタイムパワー=海洋力で、これは中国の理解していない同盟の戦略。
人材が常に入れ替わるため、ジェットエンジンのようなチームワークが必要な技術は開発できない。
日本が中国に対する戦略としては、冷戦期にスウェーデンがソ連とフィンランド国境に精鋭を配置したように、中立のまま台湾を支援できるような体勢をとることで抑止する。そして習近平をつまづかせる、すなわち中国からの様々な要請に全てノーと答えて習近平は -
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予想以上におもしろい本でした。現代中国については、とにかく猛烈な経済成長をしているので、経済力で世界第一位となるのは時間の問題なので、習近平の支配が成功していると考えたくなります。彼は政敵になる可能性のある共産党員幹部たちなんと153万7000人を虐殺や投獄によって一掃し、憲法改正までして終身国家主席という地位を確保して独裁者となりました。
任期が決まっていて、後継者は選挙で選ばれるなら、クーデターによる暗殺の影に怯える必要はあまりないのですが、終身独裁者は常に暗殺に怯えて政敵を抹殺し続けなければならないところに彼の最大の弱みがある。そして彼がその地位を守るためには、経済成長と国力拡張を臣 -
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ルトワックの日本への指南書(前半)とグローバルな情勢分析。
題名の日本4.0とは、日本の戦略文化について、内戦を一掃した徳川幕府を1.0、西欧の帝国主義に飲み込まれないための明治政府の近代化政策が2.0、戦後の軍事面での弱体を日米安保に依存して経済に全力集中した3.0と整理する。その上で、3.0の構造は抑止が効く中露にはともかく、抑止できない北朝鮮との間では、自らの身を自らで守る必要があり、4.0と言うべき戦略文化に移行すべきというもの。
方法論としては、少子化の傾向を変えて、イノベーションや経済成長の基盤を維持し、北との関係で持っても使えない核兵器は持たず、代わりに実戦的な先制攻撃力や特 -
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ネタバレ 購入済み
ビザンツ帝国の戦略
一部ご紹介します。
・すべての考えられる状況において、可能な限り戦争を回避する。しかし、いつ何時戦争が勃発しても大丈夫なように行動する。
訓練を怠らないこと。常に戦闘準備を整えておくこと。
戦争準備の最大の目的は、戦争開始を余儀なくされる確率を減らすことにある。
・敵とその考え方に関する情報をできるだけ集め、継続的に敵の動きを監視する。
・攻撃と防御の両方で精力的に軍事行動を実施する。
多くの場合、小規模な部隊で攻撃し、総攻撃よりも斥候、襲撃および小規模な戦闘に重点を置く。
武力行使を最小限に留めることは、説得に応じる可能性のある者を説得する助けになり、
説得に応じない者を弱め -
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自身の人生への取り組み方を考えることができる。
戦略を自身の人生や生き方に取り入れることができる。
大切なのは、
自身がどう生きるべきか(大戦略)から紐解いて、
戦術にまで落とし込むことが大切。
技術レベルで活動をしていても、最終的にはレッドオーシャンに行き着くことが多い。思想になにを置くか。
どのようにして最後を迎えたいかを考えて、絵を書くことが大切。
順次戦略、累積戦略では、
うまく双方の歯車を回すことが大切。
一方で陰徳や、影の努力などは疎かにしがちなため、意識的に行っていくべき。
また、陰徳を積むことで「運」も良くなる。
なにか小さなことから陰徳を積み。
自身のブレイクスルーに向