あらすじ
イスラエル国防軍出身者が警鐘を鳴らす
戦場は、スマホと脳だ!
日本に仕掛けられる工作の手口と対策を、元イスラエル諜報部員が暴く!
X TikTok Facebook…
中国、ロシア…
炎上、陰謀論…
日本は被害者なのに、世界中から侵略者と認識され、
国際的な支持を得られない立場に追い込まれてしまう――。
このまま対策をしなければ、このような事態が数年後に起こる。
誰もがスマホでソーシャルメディアを使っているなか、
人間の脳や心をターゲットにした「認知戦」や「影響力工作」の脅威が増している。
イスラエルの諜報機関で実務経験を重ねた第一人者が、中国やロシアなどによる工作の手口と対抗策を初めて明かす。
・中国とロシアは「ALPS処理水」を悪用した
・トランプ大統領が再選のために使った手法とは?
・中国は自動車業界でもキャンペーンを展開
・「反原発」をソ連、ロシアが支援していた理由
・アフリカで「政権転覆」したロシアの次の標的は?
・中ロにとって「役に立つ馬鹿」
・TikTokやタクシーアプリに警戒せよ!
・日本、ルーマニア…選挙で極右が台頭する背景
■目次
序 日本は認知戦に備えよ 奥山真司
第1章 これが認知戦だ
第2章 クレイジーだけが生き残る、イスラエルの諜報機関
第3章 中国 日本にいちばん近い脅威
第4章 ロシア コミンテルンの謀略の系譜
第5章 認知戦への対抗措置
終章 残された時間は少ない
おわりに 日本は「マインドセット」の入れ替えを 奥山真司
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
インタビュー形式で読みやすい。奥山氏がラジオ等で述べていた内容の補強といった感じ。「認知戦」の認知とよぶべきもの以上の国家的な対応は、左右の論陣の中で果たして進行するのだろうか。
Posted by ブクログ
世界は恐ろしいと思ってしまう。
私のような『善良な市民(笑)』にとっては想像つかない世界だけど、実際に脅威は潜んでいて知らず知らずのうちに影響を受けているんだろうなぁと思ってしまう。
形こそ違うけど、何年か前のコロナの茶番も『認知戦』だったのかなぁ
Posted by ブクログ
認知戦について実務経験をもとに書かれているのが参考になった
てかこの人のキャリアすごすぎ
認知戦への対抗措置の話が面白かった
インテリジェンスが発達してる国と対抗することの難易度の高さを痛感させられた
Posted by ブクログ
イスラエル国防軍と民間企業を行き来した筆者が、認知戦の概要から対抗措置について解説した書籍。認知戦は、言論の自由が守られ市民を監視する事ができない民主主義国家にとって弱い部分であり、権威主義にとって民主主義国家の世論を動かせる一つのツールであると理解した。民主主義を守りつつ認知戦をこなす事は難しい。本書の言う通り、SNSを見ていると同じ事柄を繰り返し主張するbotの様なアカウントが増えた様に感じるし、認知戦は確かに行われているのだろう。とにかく「役に立つ馬鹿」にだけはならない様に精進せねば。
Posted by ブクログ
同調圧力という事なら社会心理学者のソロモン・アッシュが行った「アッシュの同調実験」が有名だが、それを引くまでもなく、芸能人の不倫ニュースを見れば真実は分からなくても信じ切って不快感を持つ。もっと単純な現象としても、漫画のスラムダンクを見てバスケを始めたり、不良漫画に影響されてヤンキーが増えた世代があったというように、人間の認知は流されやすいし、書き換えられやすい。
だからこそ危険なのだ。意のままに操りたければ、正義感を煽り、強烈な印象を与え、最もらしい内容を権威ある媒体を通じるか、数を頼りに働きかければ良いのだから。
それが至近ではAIが普及した事で日本語訳も自然な感じになり、また完成度の高い“語りかけ“が可能となった。更に音声や映像までフェイクが蔓延。認知操作がし易くなり、極めて危険な状況だ。何が真実だろう。
日本の言論が海外から操作され、掻き乱されている。日本ファーストを強調しているのはロシアや北朝鮮であり、日本人と外国人の対立を煽ろうとしている可能性だってあるのだ。
ー 日本のタクシー会社が提供しているアプリのなかには、サーバーが中国に置かれているものがあります。データが日本ではなく、中国にあるということは、中国は日本のタクシーのユーザーがいつどこからどこへ移動し、どのクレジットカードが使われたか、その他いろいろなデータを握っているということです。さらに、そのアプリのユーザーが、中国企業によって運営されているティックトックのアカウントに接続していれば、決済アプリとSNSアプリを接続し、ユーザーに関するより多くの個人データを収集できます。そして、中国は、そのユーザーが誰なのか、どこに住んでいるのか、職場はどこか、交際相手はいるかなどさえ把握できてしまうわけです。
イスラエルの元諜報部員が日本の危うさに警鐘を鳴らす。悪名は無名に勝る。そんな風にメディアに登場してくる人たちの狙いは何だろう。最もらしい言論は、全て疑わねばならないのだろうか。
情報がただ氾濫するのではなく、主体的に“仕掛けられる”時代に私たちは生きているのだという事実。アッシュの同調実験が示したのは、個人が集団に流される脆さ。しかし今日の世界では、その“集団”さえも人工的に設計され、演出され、生成AIがつくった言論空間が私たちの感情の方向さえ決めてしまう。
「思考の自衛」が必要だ。外から流し込まれる物語に無抵抗でいてはならない。本書はその覚醒に繋がる。
Posted by ブクログ
認知戦に焦点を当てた著作。書かれている内容はそれほど目新しくない。インテリジェンス系の話は表面を撫でるだけにとどまっている。しかし、サイバー戦が進むことによって民主主義は果たして守られるのかという著者の問いは私の最近の問題意識に合致する。デジタルデモクラシーという、ある意味矛盾する「デジタル」と「デモクラシー」が結びついて機能するのかどうか。考えさせられる一冊ではある。