奥山真司のレビュー一覧
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地政学にはさまざまな流派が存在するが、本書はマッキンダーやマハンらの古典的な「ランドパワー」と「シーパワー」の理論を軸に展開されている。複雑な国際情勢を、地理的要因という不変の基盤から解き明かす視点は非常に刺激的だ。
入門書として手に取ったが、国際政治の構造に対する理解をこれほど深めてくれる本は少ない。なぜ特定の地域で紛争が絶えないのか、なぜ大国は特定の海域を重視するのか。そうした問いに対して、個別のニュースを追いかけるだけでは見えてこない「地図の裏側にある論理」を丁寧に説いている。地政学を学び始めたいと考えている人にとっては、最初の一冊として間違いなくおすすめできる。 -
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国の地形や位置といった地理的条件が、それぞれの国家の戦略や行動にどのような影響を与えているのかが分かりやすく解説されている。
各国の成長の仕方や対抗国とのバランスの取り方も、単なる政治判断ではなく、地理的条件に大きく左右されていることが理解でき、学びが多かった。
特に印象的だったのは、日本にある米軍基地の位置づけ。横須賀や沖縄は日本を守るためだけでなく、アメリカにとっても対中国を見据えた戦略的に重要な拠点であることが分かり、見方が大きく変わった。
また、ヨーロッパ、ロシア、中東とアメリカとの関係性についても、これまで漠然としたイメージでしか捉えられていなかったものが、地政学の視点を通して立体的に理解できるようになった。
世界情勢を構造的に捉える面白さを感じ、他の地政学の本も読んでみたいと思える一冊だった。 -
Posted by ブクログ
今は何度目かの地政学ブームだそうです。
年末の高市総理の台湾有事に関する発言以来、この世界がどう動いていくのか?興味を強く持ちました。中国はなぜ横暴とも言える一帯一路政策で海洋進出まで行ってくるのか?米国は自国第一主義 モンロー主義など世界の警察という立ち位置を変えたのか?日本はどうすればよいのか?どんな事がこれから起こりそうなのか?地政学は面白い。その国の元首の立場で考えると今起こっている事の合理性が見えてくる。目的は戦いに勝つことではなく次の局面をコントロール出来るか。日本は第二次世界大戦で負けたが米国は日本の復興に協力し対ソ勢力の強化しました。 -
Posted by ブクログ
著者は元イスラエル諜報部員で現在はオープンソース・インテリジェンス(OSINT)を提供する民間諜報サービス企業を創業して国や企業へのアドバイスなどを行っている。「認知戦(影響力工作)」については「グレーゾーンの戦い」として認識はしていたが、著者による日本を取り巻く状況の分析に改めて現状の厳しさを確認させられた。
例として「福島原発のALPS処理水」問題でわかりやすく説明いている。
WHO飲料水基準の7分の1という水準でIAEAが安全性を確認したものに対して「汚染水」という名称でキャンペーンを展開した中国に対し、日本は評判を守るだけではなく、原発の冷却水を直接海に流している中国に対し、反撃しなければいけないと指摘している。さらに、中国は日本との戦争も想定したうえで、何年も前からあらゆるレベルでの認知戦を仕掛けており、日本の領土が攻撃を受けたにもかかわらず、日本が侵略者だとの認識が世界に広まる可能性すらあると述べている。
本書は高市発言の前に刊行されているが、高市発言後の中国の対応はまさに著者の指摘の通りの展開と思える。
【目次】
序 日本は認知戦に備えよ 奥山真司
第1章 これが認知戦だ
第2章 クレイジーだけが生き残る、イスラエルの諜報機関
第3章 中国 日本にいちばん近い脅威
第4章 ロシア コミンテルンの謀略の系譜
第5章 認知戦への対抗措置
終章 残された時間は少ない
おわりに 日本は「マインドセット」の入れ替えを 奥山真司