奥山真司のレビュー一覧
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些か煽情的なタイトルの本書。
内容としては、1999年にforeign affairsに掲載された同タイトルの論文を中心として、2016年に東京でインタビューされた記事によって構成されている。
要点としては①「戦争は平和へとつながる。中途半端に止めなければ」②「戦術の成否は戦略の成否とはつながっていない」③「イギリス凄い」④「強い国との同盟は大切」あたりだろうか。
①が本書の大きな柱の一つを成している。中途半端に止めることは、戦争から平和へとつながる「決定的な勝利」と「戦争による疲弊」の流れを滞らせ、戦闘状態を凍結するだけである。実例としては、アメリカのアフガン紛争、イラク戦争介入、ルワンダ大 -
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戦争を、平和の世界から見てはならない、と何かの本で読んだ記憶があって、そのことを証明する内容だった。
この国で、戦争にチャンスを与えよ、だなんて、刺激の強い題名をつけたものだと本屋で見かけ、つい購入。
ワイドショーやニュース、新聞、それにまつわる様々な人々のコメント、それらはただ、弾も何も飛んでこない場で行われていて、今目の前をどうにかする、数年の間にっていう考え方でしかなくて、実際それらは半世紀以上の覚悟がいるのだ。
でもそれは、戦争が、先の大戦でしかないこの国の人じゃ考えられないんじゃないかと考えされられた。
学校で、世界は広いなどと言われるけれど、言ってる人たちの頭の中の世界は、さほ -
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ネタバレアメリカ戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問。戦略家。歴史家。経済学者。
ルーマニアのトランシルバニア地方のアラド生まれ。イタリア、イギリス軍にて教育を受ける。一時イスラエルに居住。第3次中東戦争と第4次中東戦争を戦っている(陸戦でそれなりの戦果をあげている様子)。ロンドン大学で経済学の学位を取ったのちアメリカのジョンホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。国防省の官僚や軍のアドバイザー。ホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーも歴任。著書に「中国4.0」「自滅する中国〜なぜ世界帝国になれないのか」「クーデター入門ーその攻防 -
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ルトワックの現代中国に対する見方をまとめたもので、彼の逆説的論理や中国は戦略下手説を知っている読者にとっては、本書の論旨に驚くところはない。 ただ、説得力に重厚さがないのは新書と薄い本のせいかと思っていたが、そうではなかった。
本書は、ルトワック著、奥山訳ではないのだ。奥山がルトワックにインタビューしてまとめた本だという。あとがきでそれを知り、少し興ざめである。
それでも、ルトワックの考えが、韓国の対日感情の解釈や、seapowerとmaritime powerなどで示され、さすが現代戦略家として説得力のある意見が開陳されている。一方で、周近平の後継が見えなくて不安定との意見には同意でき -
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戦略論を人生論に適用した自己啓発本です。この本の「武器」というのは、持っている目の前のスキル、技術ということ。もっと上の階層の戦略、世界観、要は自分がどのように生きてどのように死にたいのか、ということを明確にすれば、目の前のスキルに縛られずに済むということのようです。というより、そのようなスキルに拘っていたら負けるよ、自分のもっと大きな目標のためにはスキルを持っていなくても、他の人を使えばもいいんだよ、という事のようです。まぁ上から目線というか、社長レベルの人を使う立場の発想で、どうだかなぁ、と思っていると、後半では、日々の蓄積(累積戦略)も大事でもあり、それを基盤にしつつ世界観を持ち目標を明
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あなたは、この弱肉強食の世界で生き抜いていく自信があるだろうか?
世知辛い世の中。誰も助けてはくれない。自分自身で何とか世間の荒波を乗り切っていくしかないのだ。
もしあなたが、これまでのような、やられっぱなしの人生は嫌だと思うなら、もっと上の視点から目標を立て直さなければいけない。
そのために必要なものが「人生の戦略」。
サバイバル社会を生き抜くための思考だ。
著者は、地政学・戦略学者の奥山真司氏。
イギリスの戦略学の権威で、米レーガン政権のブレーンでもあったコリン・グレイ教授に師事した経歴をお持ちの、まさに戦略の専門家。
戦略の専門家が語る「人生の戦略」とは、どのようなものなのだろ -
Posted by ブクログ
同調圧力という事なら社会心理学者のソロモン・アッシュが行った「アッシュの同調実験」が有名だが、それを引くまでもなく、芸能人の不倫ニュースを見れば真実は分からなくても信じ切って不快感を持つ。もっと単純な現象としても、漫画のスラムダンクを見てバスケを始めたり、不良漫画に影響されてヤンキーが増えた世代があったというように、人間の認知は流されやすいし、書き換えられやすい。
だからこそ危険なのだ。意のままに操りたければ、正義感を煽り、強烈な印象を与え、最もらしい内容を権威ある媒体を通じるか、数を頼りに働きかければ良いのだから。
それが至近ではAIが普及した事で日本語訳も自然な感じになり、また完成度の