奥山真司のレビュー一覧
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今読むべき本
昨今、地政学についての関心が高くなってきていると思う。
ロシアによるウクライナ侵攻、ハマスのテロに端を発するイスラエルのガザ地区攻撃。そして、益々武力による勢力拡大の意図をあらわにしてきている中国の一帯一路戦略。
これら世界の覇権争いについて分析し、国家、独裁者の考えを理解する考え方が地政学だと思う。
奥山氏の新著は、この地政学の歴史的な流れと、理論の進展、そして実際に歴史がどのように動いてきたかを平易に紹介してくれる。
世界の地理は変わることがない。
その地図の上に成り立つ国家の考え方を考察する助けになると思う。
面白かった。 -
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先週(2024.5)数日間ですが入院しました、前回入院した時には会社のパソコンや携帯電話を持ち込んで仕事をしながらでしたが、今回はそれは不要になりました。手術が終わって、まる二日やることがないので、入院前に近くの本屋さんで興味のあるテーマ:地政学について描かれたこの本を買いました。
著者の奥山氏の本は初めてでしたが、地政学をイギリスで勉強されたエッセンスを分かりやすく解説してあり興味を持って読むことができました。奥山氏は「地政学は学問ではない、考え方である」と言われていますが、地政学を学んでおくと、現代起きている戦争・紛争及び過去に日本を含めて様々な国が関わってきた戦争がなぜ起きたのか、なぜそのエリアに拘ったのかが理解できるような気がしました。
以下は気になったポイントです。
・地政学は学問ではなく、地理をベースとした国際政治・外交政策についてのものの見方、考え方である(p19)
・教科書に書かれている「国家」の条件は、1)一定の領土、2)国民、3)政府、である(p22)国家が置かれている環境の中でも、変化の少ない「地理」が、戦略を考える上での出発点とされる(p23)
・日本も、近代を迎えるまでは列島内の争いが中心で、メインは陸上戦力に置かれており、シーパワーではなかった。島国という地理的条件に加え、海洋での活動を国の主軸におくという国家としての「世界像」を備えて初めて海洋国家=シーパワーが成立する(p25)
・リアリズム(=衝突モデル)は人間は自分の利益の最大化を図るが、それは集団になると抑制されるどころか、一層顕著になるという考え方。軍事力・経済力などの「力」を持つものが、世界を動かす。一方、リベラリズムは強調モデルで、個人が協調して集団、社会を形成するように、国家は交易によって繁栄する、基本ルールに基づいた法、秩序を共有することによって、衝突のリスクを減らす(p29)
・現代でも輸送において海運は圧倒的に優位を保っている、世界貿易のうち、海上輸送が占める割合は、金額で7割、重量では9割を占める(p77)
・本国の領土も大きくなく、人口も世界各地を占領支配できる規模ではないイギリスが編み出したのは、世界中で自分たちの拠点となる港湾(点)を押さえ、それを結ぶ航路(線)を支配する「ネットワーク型の支配」であった(p78)これに対して、ランドパワーが目指すのは、面(領土)の拡大である(p85)
・陸の大国で国境を防衛するのは難しい、そのジレンマを解消するのが、馬や鉄道といった高速の移動手段であった(p87)
・冷戦期にはソ連(ロシア)の「内海」であったはずの黒海の西側が、NATO加盟国で囲まれてしまった。2008年夏にロシアはジョージア(クルジア)の南オセチアとアブハジア自治共和国に軍事介入する(南オセチア紛争)が、これを地政学的な観点で見ると、NATOの海化が進んでしまった黒海を取り戻そうとした行動である(p92)2022年ウクライナ戦争により、フィンんランド・スウェーデンのNATO入りが決定した、これは数少ない重要な南下ルートであったバルト海が「NATOの海」になってしまった(p93)
・中国の海洋進出(台湾、シンガポール、オーストラリア北端のトレス海峡)=アジアの地中海、をコントロールしようとしているのは、「内海の法則」に基づくもの。国が対外進出する際には、自国の周辺の内海を支配しようとするというもの。(p100)
・15世紀後期に、アフリカ大陸の南端を通ってインドに至る喜望峰ルートが確立するまで、アジアとヨーロッパを結ぶルートは中東地域を経由する陸上ルートであった。そのルートはアジアから始まって、それぞれの地域の商人たちがリレーしていくもの、なかでもイスラム商人の力が強かった、ヨーロッパ商人の出番は、地中海以降に限られていた。それが海のルートが確立したことで、船を出す欧州商人たちが主導権を握るようになった、陸から海への大逆転は、アジア・中東優位から欧州優位への大逆転であった(p110)
・国内でも海のルートは思いがけない場所を結びつける、和歌山県と千葉県には、勝浦・白浜・亀山・網代など共通の地名が多い、和歌山から千葉へ移り住んだ人たちが故郷の地名をつけたことに由来する。千葉の一部が安房と呼ばれたのも、徳島の国名=阿波がルーツという説もある(p121)
・京都に立てこもって勝利を収めたケースはほとんどない、源頼朝、徳川家康が幕府を開く場所として京都を選ばなかったのも、南北朝の争いや応仁の乱のような京都を巡る争いにいつまでも決着がつかなかったのも、攻めやすく守りにくい京都という町の地政学的特質が大きかったと考えられる(p113)
・比叡山延暦寺は、重要な軍事拠点であった、また琵琶湖の水運、そこから荷を運ぶ馬借、さらには土倉と呼ばれる京都の金融業者も、延暦寺が押さえていた。織田信長が焼き討ちを行ったのも、京都に自由に出入りするには、その入り口に塞がる比叡山を確保する必要があった(p114)
・大航海の時代に、陸から海にルートが変わることで、欧州内の勢力図も一変した、それまで欧州経済をリードしていた、地中海の商業都市。ベネチア・ジェノバが衰退し、大西洋にアクセスしやすい、ポルトガルのリスボン、ベルギーのアントウェルペン、オランダのアムステルダムが繁栄した、その意味で、これから注目されるのがロシアの北極海ルートである(p117)
・南米大陸横断回廊(ブラジル→パラグアイ→アルゼンチン→チリ)が開通することで、パナマ運河を使うことなく、陸路だけで太平洋側まで輸送ができる、輸送コストは3分の1となる試算がある(p120)
・大戦略とは、その国家にとって有利な状態を作り出し、維持するために、持てる力をいかに使うか、の指針や計画を考え行うレベルということになる、軍事的な戦略よりも上位に石する。技術→戦術→作戦→軍事戦略→大戦略→政策→世界観(p129)
・ナポレオン戦争の終結後、ウィーン会議において、イギリスは、フランスからマルタ島、オランダからセイロン島、ケープ植民地を獲得、イオニア諸島を保護国とするが欧州大陸には手を伸ばさなかなった、イギリスが求めたのは、相互協調体制(コンサート・オブ・ヨーロッパ)であった(p132)第二次世界大戦においてイギリスはアメリカに対して、負債返済のために、多くの海外利権をアメリカに渡さざるを得なかった(p134)
・アメリカは「封じ込め』=ソ連の拡大を抑え込むという、グランド・ストラテジーに従って、第二次世界大戦の敵国であった、ドイツ・日本を抱き込んで強国化させるという「同盟の組み替え」を行った(p143)
・スペイン継承戦争の最大の焦点は、フランス(ルイ14世)によるスペイン統合の是非であった、フランスとスペインが統合すると欧州に巨大な支配国が出現するので、それに反対する、イギリス・オランダ・オーストリアは同盟して戦った、オランダの都市・ユトレヒトで結ばれた条約において、キリスト教世界の平和を維持するためにフランスとスペインは統合を認めないと記された(p165)
・1980年代になって日米貿易摩擦が起き、日米構造協議があったは、アメリカが変心(アメリカに裏切られた)よりも、力のバランスが変化したことの表れであった、その証拠に日本のバブルが崩壊すると、アメリカからの圧力も徐々に低下した(p176)今起きている「米中対立」もパワーオブバランスの一つである、ライバルの衰退(中国)が必ずしも自国に有利になることにつながらない、これは地政学的なものの見方である(p177)
2024年5月17日読破
2024年5月21日作成 -
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中国(中国共産党)が世界、特に米国、欧州、そして日本に対して行なっている見えない侵略の事実を多くの証拠とともに見える化した参考書。
もしトラのトランプ大統領候補は親中派で知られるが、バイデン現大統領の家族も中国ビジネスとは無関係ではない。
列挙されている多くの証拠の中にはすぐに想像できるもの周知のものもあるが、知られていないものがその何倍もの規模で繰り広げられているようだ。
中国4000年の歴史を権力闘争に明け暮れてきた中国が、世界を征服することのないよう、世界中で監視をしなければならないという気持ちを呼び起こしてくれる参考書。
残念ながら各国の政治的指導者たちは、無傷ではない。 -
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国際関係のアナーキー性に着目し国家間の競争に焦点を当てて分析する「リアリズム」の立場に立つ本書。著者は、自説を「オフェンシヴ・リアリズム」と称し、大国がパワーを求めることを前提にその理論を展開する。その理論では国家がパワーを求めるのは生来備わった性質ではなく、アナーキーな国際システムによる構造的なものだとする。そのシステムの下で大国の目標は自国の生存を脅かす脅威を取り除いた地域覇権国になることであり、近代以降にこの目標を唯一達成した国はアメリカ合衆国だけであるとする。
本書の一番の読みどころは、最終章の中国の台頭に関する分析だろう。それまでに近代以降の欧州、米国、日本に対して用いてきた分析枠組みを中国に対して適用し、米中間の対立を鮮やかに分析している。ただ、その結果、「オフェンシヴ・リアリズム」の理論に従えば、米中の競争・衝突は避けなれないという身も蓋もない結論が導かれてしまう。
最終章手前までの著者の議論は、歴史の事実に強引に自説を当てはめているような印象もあったが、中国の台頭に対する米国や周辺国の反応が著者の理論に沿った動きを示していたことから、一気に説明力が高いもののように感じた。私自身は米中対立はそうは言ってもどこかでエスカレーションが止まり手打ちになる、あるいは世界のために手を取り合うことができるという考えだったが、本書を読むことで悲観的な見方に傾きつつある。もう少し別の視点の著作を読むなどして自身の考えを整理していきたい。 -
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タイトルが気になり本書を手に取ってみた。一見すると戦争する事で生み出される利益に注目する様な刺激的な内容を想像するタイトルだが、戦争は極力避けるべきという考え方に基づいて書かれている。
筆者エドワード・ルトワックが1999年に記した同タイトルの論文について訳者のインタビュー形式にて日本語化されたもののようだ。全編にわたってベースとなる考え方は「パラドキシカル・ロジック(逆説的理論)」で、私の理解ではある一方向からみた正しさはその影響を受ける他方から見た場合、誤った見方になっているという点だろうか。良かれと思ってしている事が、実は物事の根本解決にはなっておらず、逆に本来望んでいる姿とは真逆の結果を引き起こしているという事だ。例に挙げられているものの一つに、一方的に攻撃を受けて、難民化した人々の難民キャンプを支援するNGOのケースである。食糧支援や過度の保護が、却ってキャンプ内の反撃者を増加させ、結果的に「一時的な停戦状態」を作れても、攻撃者に対する憎しみは「永久に消えない」といったものだ。こうしたパラドキシカル・ロジックを国家の戦略レベルに適用する必要性を説く。太平洋戦争での日本の真珠湾攻撃も部分的な戦術では勝利したが、最終的に日本への原子爆弾投下によって敗戦に繋がった。日本に足りなかったのは長期視点に基づく戦略があまりに甘い予想だった事もあるが、期待する同盟関係が全く役に立たなかった事が最終的な敗北に繋がった。当時同盟を結んでいたドイツ・イタリアは遥かに遠い存在であり、戦力的な面でも軍需支援もほぼ期待できない。ソ連との不可侵条約も中身が無く強固なものではないから(何より相手は簡単に裏切るソ連)、最後の最後で北方領土まで失った。日本は決定的に同盟の存在が足りてなかったと言える。ならば外交力であろうか。筆者は何より周辺諸国の情報を重視するが、これも我が国では耳が痛いインテリジェンスの話だから、当時のレーダー能力が示す様に、また現代においても期待は薄い。ならば対外的には意思をはっきり表示せよ、これは尖閣問題での中国に対する態度をはっきり示す必要性へと繋がる。
いずれにしても、日本の周辺は北朝鮮に代表される危険な国、アジア最大の経済国となったが大国として安定性に欠ける中国、そして態度を明確にせずに安全に慢心しつつ自国経済最優先する韓国と、同盟相手になり得ない国家から、同盟関係を築いてもさして得られる利益の無い国家ばかり。当面はアメリカの軍事力頼みになるのは間違いないし、その結果戦後の高度成長の恩恵が得られたのも事実だ。
筆者は日本の読者のためにか、戦国武将の武田信玄や徳川家康、織田信長も引き合いに出し、それらの戦い方や戦略における凄さにも着目している。遥か歴史上には優れたリーダーが多くいたが、再び世界に目を向け、今日本がとるべき戦略(大戦略)を真剣に考える時が来ていると、読みながら強く感じた。
現在の敵は将来の味方、その逆、今の味方は将来の敵といった様に必ずしも近視眼的に相手を選ぶのでは無く同盟国は長期視点で選ぶべきであり、また仮に不安定で先読みの難しい状況では、一時的な利用と割り切る事も必要だ。そのベースには相手を知る深い情報と、グローバル化によって距離に関係なく地球規模で影響し合う国家間の力関係を見誤らない事が重要だと感じた。 -
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ネタバレ人生戦略の本?なかなか面白そうな出だし。
戦いにはパースペクティブ、戦略、戦術、技術といったレイヤーがあり、どれもそれぞれ重要ではあるが、そもそも論、抜本的なところから価値を目指していくにはそれまで培った技術やドメインから目を離し、武器を捨て、そもそも論にたちかえり、抽象度を上げて考えることが重要という話。
人生までも戦略や階層で整理してくれておりとても興味深い
累積戦略という観点が新鮮だった。
メモ
・自分には世界を変えられるパワーがあるのだと自覚する。個人主義。自分を持つ、自責になる。
・そもそも論で自分自身を考えるようになると人間は個人の責任を意識するようになる。
・一つ以上高いレベルを常にイメージすること
・抽象度をあぜるとそのときのスキルに固執する必要がなくなる
・軍事戦略は実際にどう戦うかと言う考え方が含まれるが、大戦略にはそれが含まれない。
・真似ができないものは抽象度が高い
・順次戦略と累積戦略。流れが見える戦略と見えない見せない戦略
・見えない戦略、累積戦略は積み重ねであり自信につながるもの。
・自分のビジョンを盛り込んだ戦略文書を書くこと
・まず累積戦略に着手すること
・代表的な戦略理論書の共通点
冷静であれ、選択肢を持て、柔軟であれ -
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3
執筆にとりかかったのは1991年末
ソ連が崩壊した直後
終えたのは、ほぼ10年後だった
冷戦の終わりは、大国間戦争が存在せず、バランス・オブ・パワーのような概念が意味を失う新しい時代の始まりだと広く信じられていたから
リアリズムは世界の動きについて、今後も重要な示唆を与え続けるものであることを論じた。
ただし私は、本書の大部分を、ハンス・モーゲンソーやケネス・ウォルツのような著名なリアリストたちの議論とは大きく異る、独自の国際政治の理論を提唱することに費やした。
4
アメリカがアフガニスタンだけでなく、イラクにおいて負け戦にはまってしまったことが明らかになって
アメリカの「テロとの戦争」に終わりが見えないことが段々と明らかになってきた。
アメリカが
25年前の冷戦終了から、6つの
戦争を戦っている
1 イラク 1991年
2 ボスニアをめぐるセルビアとの戦い 1995年
3 コソボをめぐるセルビアとの戦い 1999年
4 アフガニスタン 2001年~現在
5 イラク 2003年~
6 リビア 2011年
米軍は1989年から、3分の2の期間は戦争をしている。
これらの戦争はすべて小国に対して行われたものであった。
ビュー研究所の意識調査によれば
39カ国中の23カ国の過半数や多数派の人々が、中国は超大国として、すでにアメリカを追い抜いた、もしくは最終的に追い抜くだろうと答えている
アメリカでも 47%の人々が
中国がナンバーワンになりつつある、と答えており
同じく、47%がその反対の回答をしている。
5
中国が台頭を続ければ、アメリカが西半球で行ったように、アジアを支配しようとするだろう。
地域覇権国家になることが生き残りの確立を最大化するうえで最適な方法だからだ
6
本書は、初版からほとんど何も書き換えていない
自分の理論であるオフェンシヴ・リアリズムについての考えを変えていない
中国の台頭は平和的なものだろうか?
私の答えは「ノー」である。
19
20世紀は、国際的に、暴力の時代であった。
第1次世界対戦1914-1918 約900万人がヨーロッパの洗浄で死んだ
第2次世界対戦1939-1945 約5000万人が死んだ
その半分以上は、一般市民であった。
第2次世界対戦が終わったとたん、全世界が冷戦に飲み込まれた。
21
私が「攻撃的現実主義 Offensive Realism」と名付けた理論は
本質的には
現実主義 Realism と呼ばれるものである。
E・H・カー
ハンス・モーゲンソー
ケネス・ウォルツ
などのリアリストの思想家たちの伝統に沿ったものだ。
大国は、セカイ権力の分け前を常に最大化しようと行動する
中でも特に強力な大国を含む多極システムでは、戦争の起こる傾向が強まる
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フランシス・フクヤマの言葉を借りれば
冷戦の集結は「歴史の終わり」をもたらした、ということになる。
アメリカは
ソ連の驚異が消滅した後でも、ヨーロッパに10万人、北東アジアにもほぼ同じくらいの規模の軍隊を引き続き維持している。
もし米軍が撤退すれば、大国の間で危険な高層が起こるだろうと見越しているからだ。
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台湾をめぐるアメリカと中国の衝突の可能性もなくなったとは言い切れない。
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多極システム multipolar systems の場合には
二極システム bipolar systems の場合よりも戦争が起こりやすい
覇権国となる可能性を持つ強力な国家、潜在覇権国家 potential hegemons を一つだけ含む「多極システム」こそが、実は一番危険な国際システムである
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社会科学の理論は「現実の世界」で怒っていることとは関係がなく
ボケた学者たちの暇な推測だ、と思われることが多い
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リベラリズム 対 リアリズム
20世紀に書かれた最も影響力の大きいリアリストの3つの代表作
1 E・h・カー 『危機の20年 1919-1939』1939
2 ハンス・モーゲンソー 『国際政治』1948
3 ケネス・ウォルツ 『国際政治の理論』1979
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カーとウォルツは、経済による相互依存関係が平和実現の可能性を高めるというリベラリズムの主張を批判している。
カーとモーゲンソーは、リベラリズムが国際政治に関して大災害を引き起こす可能性のあるユートピア的な視点を持っていることをくり返し批判している
ウォルツは
多極システムが、二極システムよりも安定しているというモーゲンソーの意見に対して意義を唱え
モーゲンソーが
「国家がパワーを求めるのは、国家にはそもそもパワーを求める欲望が本質的に備わっているからだ」と論じているのに対し
ウォルツは
『国家は国際システムの構造による働きのために、自国の存在の確立を上げていこうとしてパワーを求める」と論じている。
リベラリズムと、リアリストの違い -
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無料の不妊治療とチャイルドケアで子どもの数を増やせ、から入る。少子化と戦争の密接な結びつきを主張、クレフェルトを引用し、男たちの戦争忌避で女は愛する戦士を失い子どもが生まれなくなったという。
オランダ人やスウェーデン人の反独感情と韓国の反日感情との比較が面白い。積極的に協力した臆病な父祖を持つ国ほど、後で憎しみを増す。韓国が苦悩しながら自国の歴史と向き合わない限り、日韓関係の発展はない。
シーパワーとマリタイムパワーを理解していない中国。経済が停滞すれば、自由の代わりに経済成長を約束してきた共産党への不満が膨れ上がり、目を国外にそらせるために冒険的な行動に出ることがありうる。日本が他国に装備品を輸出するのであれば、高度な整備技術のいらないものにすべき。
北朝鮮の核武装は確実なので、日本は真剣に独力で自らを守ることを考えなければならない。北朝鮮は防空体制を欠いているので、空対地ミサイルを購入すべき。
自衛隊は本格的なウォーゲームを実施すべし。そして日本は本格的な情報機関を設置すべし。 -
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訳者の奥山さんが著者のルトワックさんにインタビューなどをしたものをまとめた、ということなので半分くらいは共著に近いのかもしれない。実際、いつものルトワック節論文よりかなり柔らかい感じの習近平論考になっていると思う。
中国は確かに豊かになり強くなったが、それが災いして戦略的には弱くなる一方である、例えば、という論考がいくつも披露される。曰く、チャイナ4.0になって内も外も全方位に喧嘩を売って回る戦狼外交があらゆる他者を反中国同盟に駆り立てる。ジャックマーはじめ国内の起業家を叩いて回るから中国経済の行方に暗雲が立ち込める。お前たちは小国だから黙っていうことを聞けと明言するほどの外交音痴。
毛沢東になりたい習近平がラストエンペラーだというのは説得力があると思う。そのメンツを潰す小さな不同意を小国が積み重ねれば習近平は倒れるだろうとの予測もそうだろう。しかし、最末期の彼が乾坤一擲の台湾侵攻に賭ける恐れが増すのではないか。そうなれば米軍は沖縄その他日本の基地から出撃するから日本は必ず当事国になる。それが嫌で基地利用を認めなければ日米同盟が破綻するから選択の余地はない。そんな選択をせずに済む軟着陸を考えたいがそうは問屋が下さぬかもしれないね。 -
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今、世界で、中国による“目に見えぬ侵略”が進んでいる。中国共産党が民主主義諸国を屈服させるために行っていることや、彼らの世界観を明らかにし、警鐘を鳴らす書籍。
ソ連崩壊後、中国共産党は、周囲を敵に囲まれてしまったと捉え、「敵対勢力」とのイデオロギー闘争を続けている。同党にとって、冷戦は終わっていない。
中国共産党にとり、「一帯一路」構想は世界の地政学体制を再編するツールである。
習近平は、この構想は人類共通の運命共同体の構築に不可欠だと述べているが、その目的は自国を中心とした世界の構築にある。彼らは、中国主導の世界秩序を「中華民族の偉大なる復興」に不可欠な要素と見ている。
ブレグジット(英国の欧州連合離脱)やドナルド・トランプの当選は、中国共産党に、米欧間の同盟関係を弱めるチャンスをもたらした。同党は欧州を味方につけることで、世界に対し、中国が「多国間主義の守り手」だと伝えようとしている。
中国共産党は、中国社会のあらゆる部門に浸透し、軍や国家機関を含む、すべての制度機関の上に存在している。経済分野でも、企業内に党組織を設置することが義務づけられている。
中国共産党は、友と敵の双方を心理的に操作するテクニックを開発してきた。その目的は、相手に「自分は中国と特別な関係を持っている」と思わせ、北京の政治目標に沿うよう誘導することだ。
例えば、オバマ政権の時、バイデン副大統領の息子が経営する会社に有利な取引を行い、彼の好意を得ている。
海外で事業を展開する中国企業は、中国共産党の利益に奉仕することを求められ、指示に従わないと資産没収などの罰を受ける。党への忠誠は、事業を行うための必要条件である。