安藤優一郎のレビュー一覧

  • 世田谷代官が見た幕末の江戸 日記が語るもう一つの維新

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    ネタバレ

    世田谷にあった井伊家の所領で代官を務めた大場家の代官夫婦の日記から読み解く幕末から明治の世。下野の佐野奉行が上官になるが、江戸の桜田御門外にある井伊家の上屋敷から直接、人足や馬などの調達を指示される関係にあり、農作業をたびたび中断される労務提供の依頼に領民が反発するのをなだめたとか、企業に働く中間管理職を連想させる場面も。桜田門外の変で井伊直弼が暗殺された直後は水戸藩と彦根藩が江戸で衝突寸前だったとか、天狗党の乱や武州世直し一揆の余波が世田谷にどう波及したかとか、幕末維新の歴史の変動を代官一家がどう対処したかを知ることができる良著。特に親子三代の代官一家に嫁いだ夫人(荏原郡中延村出身ということ

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    2013年05月28日
  • 江戸の養生所

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    再読。江戸中期から明治初期まで、現在の小石川植物園に存在した(この本を読むまで小石川後楽園にあったのだと勘違いしていたのは内緒です)小石川養生所の誕生前夜から終焉までが、やや硬派に解説されています。時代劇ではおなじみの施設ですが、何かと誇張されたり適当に扱われる事も多い養生所。この本でその実態を知れば、いい加減な設定にツッコミを入れる楽しみや、意外と実情を忠実に再現している事を発見する喜びが生まれると思いますので、時代劇を好む方は読んでみる価値があるでしょう。江戸時代の生活を美化しない姿勢も好ましいです。

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    2012年11月22日
  • 徳川将軍家のブランド戦略

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    徳川将軍のことを書いた本は多いが、その日常生活についてはなかなか知るチャンスがない。本書は、さまざまな記録からその実像に迫るとともに、幕府や寺社がその威光を積極的に利用する「ブランド戦略」があったことを明らかにする。一方、当の将軍の日常生活、たとえば食事などは意外に質素だったというような興味深い話も出てきて、気軽に読み進んだ。

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    2012年01月22日
  • 江戸っ子の意地

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    最近、江戸ブームということばがよく使われるが、実は同じようなブームが明治時代にもあった。それは、江戸開市三百年祭を祝った1889年(明治22)が起点になっているという。維新後、新政府に憚るところが多かった旧幕臣が、この祭典をきかっけに、さまざまな組織を作って展覧会を開いたり、出版事業に取り組んでいる。忘れないうちに江戸のことを残していこうという、このような努力のお陰で、研究の上でもきわめて有益な史料が多数残された。

    この本は、こうした活動の母体となった旧幕臣、なかでも「南北会」を作った南・北町奉行所に勤めていた者の動きを中心に描いたものである。

    本書を読むと、旧幕臣のかなり「したたか」な生

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    2012年01月14日
  • 江と徳川三代

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    主人公の江(ごう)は、浅井長政の三姉妹の末娘、徳川秀忠正室であるが、これまでドラマなどではあまり取り上げられることはなかった。どちらかといえば、秀吉に嫁いだ長女の茶々(淀君)、あるいは家光の乳母、春日局の陰に隠れた存在だった。

    一方、本書に描かれた時代は、戦国から徳川の世へと移る大河ドラマでもおなじみの時代であり、歴史的事実そのものも、よく知られた話ばかりである。一見、地味な物語と思われがちだろう。

    しかし、生涯で三度の結婚をし、三代将軍家光の生母となった江の一生という側面から見ると、また違った見方ができるから面白い。本書は江をはじめ、この時代のもう一つの主役だった女性たちの立場から見た織

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    2012年01月14日
  • 幕臣たちの明治維新

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    明治維新。
    どうしても明治新政府に目がいきがちなこの時代。
    この本を見つけたとき、ハッとさせられました。
    そういえば徳川家臣団、どこへ行ってしまったの…?

    中学校の実習で、ちょうど明治維新あたりの
    授業をすることになり、本屋へ直行。
    そこで見つけた本がこれ。

    ある旗本の御家人1人にクローズアップして
    取り扱っているのでとてもわかりやすい。
    そこから徳川家臣の動きや生活の様子へと
    広がりを見せているのがとても読みやすかった。

    面白かったのは、生活苦の士族たちが
    明治期に牧場経営に参入し始めたのだが
    乳牛は広い土地がいる…そうだ!うさぎにしよう!
    とうさぎを飼い始めたものの、肉や皮の利用法は

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    2009年10月24日
  • 幕臣たちの明治維新

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    幕臣たちが明治維新後、どう生き抜いたかを徳川宗家の静岡藩を中心に描く。山本政恒ら旧幕臣の回顧録などを随所に引用している。
    さらに幕臣の個人生活を知ろうと思えば「幕末下級武士のリストラ戦記 (文春新書)」も。

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    2009年10月04日
  • 幕臣たちの明治維新

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    幕末の歴史において、雄藩・志士・将軍・大名・朝廷の動きや観点は多く出版されているが、徳川幕府で禄を食み、一生を捧げようとして生きてきたはずの多数の武士たちは明治維新後どんな人生を歩んだのか? 取り扱った本は少ないように思う。以前から、時代の急激な変革に出会った庶民(この本の場合は武士であり、庶民とは言えないが)がどのように対応したのか、自分の人生との対比の意味でも興味があった。そういうモチベーションを刺激してくれる本である。

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    2009年10月04日
  • 幕臣たちの明治維新

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    大政奉還後、徳川16代・徳川家達(いえさと)と家臣団3万人は静岡70万石に移封。江戸に登用された有能なものの多いこと、渋沢栄一らの尽力、「氏族の商法」で没落したものは・・・など、楽しく読める。

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    2009年10月04日
  • 徳川将軍家の演出力

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    のっけに家茂公の上洛の様子を外国人の目から見た章が登場しますが、まずそこに興味をそそられましたね!!
    それに続き、将軍家の楽しみの一つでもある鷹狩りなど、将軍家が華やかな演出をする一方の民の苦労なども描かれています。
    やはり、歴史には表舞台もあれば裏もある。「葵のご威光」の虚像と実像が良く分かる本だと思います。

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    2009年10月04日
  • 日本史のなかの兄弟たち

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    来年(2026年)の大河ドラマに合わせた企画なんでしょうね。豊臣秀長、秀吉兄弟を紹介する手段として日本史のなかの兄弟たちをとりあげている。
    豊臣兄弟以前は、兄弟とは争う関係だったのが、戦国以降は助け合う関係に変わっていくとしているけど、これは無理があるかな。秀吉、秀長の場合は、その出自からして家臣団を持たず、よって担がれることがない。だから争いが起こらない。同じ家に兄弟がいる場合、代替わりの際は、兄弟皆殺しが成功の秘訣だ。本書で助け合った戦国の例として毛利家をあげてるけど、これ吉川家と小早川家であって毛利家ではないもんね。

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    2025年11月21日
  • 蔦屋重三郎と田沼時代の謎

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    蔦重の抱えている作家はほとんどどこかの藩に所属する武士。曲亭馬琴のような職業作家が現れるのはもう少し先。
    それにしても春町先生可哀想。

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    2025年06月14日
  • 江戸の不動産

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    土地から読み解く江戸。

    武士も商人も、農民も、みなしたたかな不動産ビジネスを行っていた。フィクションではなかなか描かれない視点なので面白かった。

    福沢諭吉が、三田の地を手に入れた方法に驚かされる!

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    2025年04月02日
  • 江戸時代はアンダーグラウンド

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    ネタバレ

    軽く読めるが知っていること。
    ・1785(天明5)年の酒造米の消費量は800万石を超える。800万石×0.7=560万石=56000万升=100800万L
    仮に3000万で割って33.6L/人 1920年代の平均30Lより多いが本当か?

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    2025年03月11日
  • 田沼意次 汚名を着せられた改革者

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    小中学校の時の日本史で学んだ田沼意次はまさに「賄賂政治家」のイメージそのものであるが、時代背景や政治的な思惑から過大なイメージがとなっているのがわかるし、当時の幕府の厳しい財政を立て直すには彼が必要だったと思う。
    ただ政治家として脇が甘かったのは自己の責任だろう。

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    2024年11月09日
  • 蔦屋重三郎と田沼時代の謎

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    <目次>
    第1章  蔦屋重三郎とは、何者だったのか?
    第2章  蔦屋重三郎が活躍した田沼時代とは?
    第3章  蔦屋重三郎が世に送り出した文化人にはどんな人物がいたのか?
    第4章  なぜ田沼時代が終わってしまったのか?
    第5章  松平定信はなぜ蔦屋重三郎を処罰したのか?
    第6章  なぜ蔦屋重三郎は東洲斎写楽を売り出したのか?

    <内容>
    江戸後期、田沼時代に活躍した蔦屋重三郎。来年の大河ドラマの主人公だったような…。その便乗本だが、コンパクトにまとまってはいる。田沼の評価などは好意的。寛政の改革期の評価も最近の評価を取り入れつつある。

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    2024年07月28日
  • 江戸文化から見る 男娼と男色の歴史

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    面白かった!陰間茶屋は今はもうないけれど、他の売春とかは今とそれほど変わってない。
    BLとかではないな、一応。ただ、本当になんてんだろ…、なんか、訳わからんくなる…。性というものが不思議になってくる…。
    (小学生には刺激が強かったです。照)

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    2024年05月18日
  • 江戸の色町 遊女と吉原の歴史 江戸文化から見た吉原と遊女の生活

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    大吉原展をみる前の予習で読んでみた。
    吉原の成り立ちやどこにあったか、どんな人間が関わっていたか、遊女はどんな生活をしてきたか、など知りたかったことが分かりやすく書かれていた。いずれにせよ、あり得ない人権侵害が幕府のお墨付きのもと行われていたのだと思う。

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    2024年04月15日
  • 江戸の給与明細

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    1両12万円の計算で将軍、商人はおろか中村主水など創作系の金について書いてある。千両役者で1億2000万円!市川團十郎(八代目はなる前に自殺したので厳密には違うけど)辺りは現在の芸能人とかと同じレベルであったことが窺える。

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    2023年07月07日
  • 大名格差

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    旗本に近い一万石の大名から、鎌倉以来の名門の外様の大大名の違いはもとより、家格の差は参勤交代の道中だけでなく、江戸城内の各種催事にまで。
    御三家と御三卿の「格差」にまで言及あり、これは面白かった。

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    2023年05月16日