安藤優一郎のレビュー一覧
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購入済み
面白い本だった
江戸時代の旅行全般を扱う本には書かれないようなネタを提供してくれるので、読んでも良いと思う。
なかなかに活き活きとした庶民の生活の様子などを見せてくれるし、将軍の外出など興味深い。戸山荘のことは初めて知ったので、別途、調べることが出来た。
ただし、何回か出てくる「今も江戸も変わらない」という奇妙な表現に緊張させられた。最後に、第六章冒頭で「今も江戸時代も変わらない」とありホッとする。朝日新書出版の編集者にはシッカリしておくれと言いたい。
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兄弟という切り口で歴史を振り返ると、兄弟のパワーに改めて驚かされる。特に兄を全力で支える弟が居た場合の兄弟パワーの凄さには驚く。武田信玄を支えた信繁、豊臣秀吉を支えた秀長、徳川家光と保科正之、西郷隆盛と従道など弟の支えなくして偉業はなかったと言える。考えてみれば、中小企業経営も全く同じで、兄弟が無償の気持ちで支えてくれているような会社はとても強い。反対に争っているような会社には持続しない。やはりどんなに尊敬されていたとしても他人のパートナーとの繋がりは血縁には敵わないのだ。特に豊臣秀吉の場合には、秀長が死去した途端に迷走が始まってしまう。それを考えると、無茶苦茶な兄を支えた秀長って凄い。人の一生には時間的な制限がある以上、信頼し切れるパートナーに恵まれた人間の可能性の物語が歴史の面白さなのかもしれない。とてもいい本だと思いました。
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audible89冊目。
大河ドラマとか全く関係なく、もうずいぶん前(10年以上前かと)に、サントリー美術館かどこかで行われた蔦屋重三郎の展覧会を見に行きました。
その影響で、『蔦重の教え』なる小説も読み、江戸時代にもこんなプロデューサーがいたのだなあと感心し、とても興味を持ちました。
作画も天性の才能に因るところが大きいけれど、他者の光る才能を見出してうまく売り出すのも、目立たないけれども素晴らしい才能だと思います。
ただし、広く世間に売り出すためには、時代の潮流に敏感で、政治や経済にも詳しい感覚が必要になるでしょう。
その意味で、今作では、蔦屋重三郎がその敏腕ぶりを発揮した頃と、田沼意次の政治との関係性がしっかりと書かれていて、とても面白かったです。
いつも授業では、化政文化を最後に回しがちだったけれども、教科書どおりの配列で取り扱うことに納得できました。今更ながら。
できれば、紙の本でも熟読したい一冊。 -
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べらぼうで、登場する田沼意次
賄賂政治のイメージが強かったですが、意次というよりも、その家臣団の脇の甘さが、そのイメージを強くしたということでしょうか。
一代で成り上がった、豊臣秀吉のイメージと重なりました。家康と違い、代々の家臣団を持たない秀吉も、家の団結には苦労したはず。意次も一代で、政権のトップに立ち、城持ち大名となったから、苦労はあったのだろうなと。
徳川慶喜が将軍になったことで、意次の運命も開ける。商業主義で、財政を立て直した手法は流石という一方で、人は一度、権力を握ることで、権力の維持に腐心する。
当然、成り上がりは周りの嫉妬心から、一気に不満が湧く。
意次の子の死や、大飢饉、その後の松平定信による政治
白川の 清きに魚も 棲みかねて
もとの濁りの 田沼恋しき
中庸の政治というのは、いつの時代も難しいものだと感じます。 -
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古来から人物の往来が街道を栄えさせ、その逆もまた然り。武士、皇族や貴族、商人や庶民など、様々な人々が行き交い、その歴史を見つめて来た全国各地の街道。
その成立の由来と、歴史的価値や大きなイベントなど、各街道毎に独自の視点から触れられていて読みやすい。個人的には江戸時代に整備が進んだ五街道(東海道、中山道など)よりも、伊勢参宮街道や西国街道など、マイナーな道にまつわるエピソードの方が興味深い。
ネタバレ覚悟で取り上げると。。
◯京都の七口(伏見口など)
京(都)はその成立から防御を重要視していて、京都と諸国を結ぶ主要街道の七つの出入り口は、激しい戦闘の部隊となって来た。血生臭い権力闘争の歴史を物語る証人である。
◯伊勢参宮街道
お伊勢参りの熱狂は、参宮街道沿いの「御師(おんし)」=(プロモーター)による、参拝者集団への手厚いおもてなしが、各地に口コミで伝わり広まっていった。
◯熊野古道
平安期に上皇や貴族による「熊野詣」で整備され繁栄を極めた熊野古道だが、峻険で静寂なこの道を歩く事が仏門修道に繋がり、心の平安をもたらす。現世利益を願い、陽気に練り歩くお伊勢参りとの対比が興味深い。
◯西国街道
江戸時代、西日本の大名の参勤交代には、当初は主に瀬戸内の海路が利用されたが、海路の危険さや瀬戸内の気象条件、何より各藩の財政難が海路より陸路を選択させ、江戸期後半の繁栄に繋がっていった。
◯四国お遍路道
江戸期に大ブームになった四国八十八霊場巡りは、ある一人の修行僧が発刊し、版を重ねた「ガイドブック」の力に依る所が大きい。「地球の歩き方」ならぬ「四国霊場の歩き方」、旅心を掻き立てるものは今も昔も変わらない。
ざっとこんなエピソードがありました。
個人的にはここに取り上げられた参拝道、とくに熊野古道や四国八十八霊場、歩ける身体の内に実際に踏破してみたいです。 -
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日経ビジネス人文庫の歴史シリーズ。
このシリーズで新刊が出ると、ついつい読みたくなってしまいます。様々な角度から歴史を見直すきっかけをくれるシリーズですので、毎回楽しみにしています。
今回のテーマは「街道」、道です。
いわゆる五街道だけでなく、いろいろな街道をテーマにしていますので、なかなかマニアックです。
「街道はそんな歴史のドラマを生んだだけではない。逆に歴史が街道を生み出したこともあった」と冒頭に述べているように、街道は、一時代だけのものでは決してなく、長い歴史の中で生まれてきたものであり、様々な歴史の場面で異なる顔を見せていたのだとすると、改めて歴史の奥深さを感じることができる一冊です。
<目次>
1 松尾芭蕉は奥州街道で見た名所旧跡に何を思ったのか
2 日光街道は四つあった
3 鎌倉街道は常に「いざ鎌倉」への道だった
4 富士山の噴火で東海道のルートは変更された
5 参勤交代では東海道よりも人気があった中山道
6 甲州街道最大の宿場内藤新宿はなぜ復活したのか
7 なぜ上杉謙信は北国街道を整備したのか
8 街道輸送の主力だった馬が街道名になった中馬街道
9 京都への道(京の七口)は明治維新の狼煙が上がった道でもあった
10 伊勢参宮街道からやってきたお伊勢参りはどんなもてなしを受けたのか
11 上皇や貴族は熊野古道をどのように旅したのか
12 なぜ西国街道は五街道にまさるとも劣らず賑わったのか
13 お遍路道はどのようにして生まれたのか
14 オランダ商館長一行は長崎街道で何を見たのか
15 武士の旅日記に国内の主要街道はどう書かれていたのか -
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物価高でお金がドンドン羽ばたいていく。
江戸時代の人の懐事情はどうだったのか。
将軍、加賀百万石、旗本・御家人、大奥、豪商、庶民の生活がどうだったのか載っている。
派手な生活を送っていると目をつけられる。今なら国税局、裏社会の怖い人たちだが、江戸時代は幕府。
豪商として有名な淀屋。淀屋は、材木店から始まった。その後、米の売買にも乗り出し、幕府の許可を得て各大名の米の売買を行うようになった。
諸藩の米屋敷が大坂の中之島にあり、淀川の中洲にある中之島は、船が荷物の荷下ろしをするのにいい場所で、2代目の淀屋言當(げんどう)は中之島と自分の屋敷を行き来するための橋を自腹で架けた。これが淀屋橋。
両替商も始めて、儲かっていたが、1705(宝永2)年、突然、幕府から全財産没収と所払いを言い渡された。
贅沢をしていたのが理由だが、一説によると年間に浪費した額は今の金額にすると、100億円以上。
お金を持っているからといって、見せびらかすと良くない事例だな。
一般の世界とはかなり浮いている歌舞伎の世界。
8代目の市川團十郎(だんじゅうろう)は、絶大な人気だった。
その人気ぶりを物語るエピソードがある。
水桶の中に入るシーンで使われた水は、白粉(おしろい)を溶かす時に使うと美顔になれると評判になった。
徳利1本で、1分(3万円)の値段がついたのに、飛ぶように売れたそうだ。
いつの時代も物好きな方がいるなあ。
お金にまつわる話は興味深いなあ。 -
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庶民も旅を楽しめるようになった江戸時代。その旅の実情とは?
プロローグ~街道には旅人がいっぱい
第一章 庶民の旅の表と裏
第二章 買い物、芝居ーしたたかな女性の旅
第三章 大江戸、人気観光地になる
第四章 大名の「団体旅行」は七難八苦
第五章 乱暴極まりない武士・公家の旅
第六章 自粛を求められた将軍の旅
第七章 外交使節、江戸へ行く
参考文献有り。
添乗員付きの団体パッケージツアー、旅をPRするメディア、
様々なガイドブックに観光マップ、観光ガイドの案内、
協定旅館のシステム・・・現代の旅行の如くのそれらは、
江戸時代の旅行ブームの姿だった。
講と御師の繋がりで行く参詣は、添乗員付きの団体旅行。
各地名所や食事、楽しみが盛り込まれたパッケージツアー。
湯治のための温泉旅行もある。献上湯が箱根のPRに。
女性だって旅に行こう!
一か月かけて関東の名所を巡り、買い物&芝居を満喫。
そりゃあ、入り鉄砲に出女、煩雑で厳しい手続きもあるけれど、
こんなに旅行者が増えちゃあ、抜け道だってあるさ。
江戸が観光地になったのは、寺の戦略と将軍・吉宗の存在。
そんな江戸へ向かう大名行列の真相は、藩にも本陣にも苦難。
旅程を記すダイヤグラムまで作成するくらい。
更に大変なのがお国替え。全藩士の引っ越しは七難八苦。
迷惑な旅もある。権威を傘に着た旗本と公家の公用旅。
茶壺に追われてトッピンシャンとは言ったものです。
将軍の御成と江戸在府の大名の疑似旅行、
オランダ使節、朝鮮通信使、琉球使節の江戸行きもあり、
旅という視点での江戸の時代様子が楽しめますが、
裏事情といっても抜け参りや、犯罪等の暗い事情には
ほとんど触れられていないのが、残念。危険もあったはず。