【感想・ネタバレ】江と徳川三代のレビュー

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Posted by ブクログ 2012年01月14日

主人公の江(ごう)は、浅井長政の三姉妹の末娘、徳川秀忠正室であるが、これまでドラマなどではあまり取り上げられることはなかった。どちらかといえば、秀吉に嫁いだ長女の茶々(淀君)、あるいは家光の乳母、春日局の陰に隠れた存在だった。

一方、本書に描かれた時代は、戦国から徳川の世へと移る大河ドラマでもおな...続きを読むじみの時代であり、歴史的事実そのものも、よく知られた話ばかりである。一見、地味な物語と思われがちだろう。

しかし、生涯で三度の結婚をし、三代将軍家光の生母となった江の一生という側面から見ると、また違った見方ができるから面白い。本書は江をはじめ、この時代のもう一つの主役だった女性たちの立場から見た織田、豊臣、徳川の「新しい」歴史を描きだす。

ともすれば、戦国から徳川政権成立期にかけての女性は、戦乱に巻き込まれた悲劇の存在として描かれることが多い。しかし、安藤氏は、その見方は一面であり、むしろ、たくましく生きる存在としての女性像に注目するのである。

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