【感想・ネタバレ】田沼意次 汚名を着せられた改革者のレビュー

あらすじ

25年大河ドラマ「べらぼう」でも注目!

幕府の財政難に立ち向かい、時の将軍の厚い信任をバックに、大商人ら民間の力も取り入れバラエティーに富んだ新規事業を積極展開した田沼意次。新田開拓、鉱山開発、改鋳、貿易取引の見直しなど、前例にとらわれず改革に奔走。農本主義から重商主義への転換により税収の増加を図る。
民間活力の導入は町人文化の隆盛ももたらし、歌麿や北斎、山東京伝らによる黄表紙や浮世絵を世に拡げた蔦屋重三郎を筆頭に、新しい文化の担い手たちも生み出した。
しかし、利権を見出した商人が贈る賄賂により舞台裏で政治の腐敗が進行するなか、天災による飢饉などが重なり失脚する。
保守派・守旧派たちからの「成り上がり者」への嫉妬も絡み貼り付けられた「賄賂政治家」というレッテルにより、その評価を曲げられてきた男の、改革者としての実像に迫る歴史読み物。

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Posted by ブクログ

べらぼうで、登場する田沼意次
賄賂政治のイメージが強かったですが、意次というよりも、その家臣団の脇の甘さが、そのイメージを強くしたということでしょうか。
一代で成り上がった、豊臣秀吉のイメージと重なりました。家康と違い、代々の家臣団を持たない秀吉も、家の団結には苦労したはず。意次も一代で、政権のトップに立ち、城持ち大名となったから、苦労はあったのだろうなと。

徳川慶喜が将軍になったことで、意次の運命も開ける。商業主義で、財政を立て直した手法は流石という一方で、人は一度、権力を握ることで、権力の維持に腐心する。
当然、成り上がりは周りの嫉妬心から、一気に不満が湧く。
意次の子の死や、大飢饉、その後の松平定信による政治

白川の 清きに魚も 棲みかねて
もとの濁りの 田沼恋しき

中庸の政治というのは、いつの時代も難しいものだと感じます。

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2025年01月30日

Posted by ブクログ

小中学校の時の日本史で学んだ田沼意次はまさに「賄賂政治家」のイメージそのものであるが、時代背景や政治的な思惑から過大なイメージがとなっているのがわかるし、当時の幕府の厳しい財政を立て直すには彼が必要だったと思う。
ただ政治家として脇が甘かったのは自己の責任だろう。

0
2024年11月09日

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