あらすじ
*豊臣秀吉・秀長兄弟は、弟が兄を立て、兄を支える典型的なパターン。歴史的にも、兄弟が力を合わせ歴史を動かした例は多々ある。一方、兄弟が反目、あるいは関係のもつれから戦乱や悲劇に発展した例も多い。
*本書では、日本史において時代の節目をつくった兄弟関係にスポットを当て、とくに弟が補佐役・ナンバー2として兄を支えた事例から、古代から近代まで、兄弟が歴史上に果たした役割を読み解いてゆく。
*大河ドラマ「豊臣兄弟!」関連として、秀吉・秀長兄弟に一章を割くほか、古代から近代まで、日本史を俯瞰する一冊。
*目次
第一章 戦国時代以前の兄弟……中大兄皇子・大海人皇子/藤原時平・忠平/北条義時・時房/足利尊氏・直義
第二章 戦国時代の兄弟……北条氏政・氏規/武田信玄・信繁/三好長慶と三人の弟/毛利元就の三本の矢/島津義久・義弘
第三章 豊臣兄弟 浅井三姉妹
第四章 江戸時代の兄弟……徳川家光・保科正之/田沼意次・意誠/水野忠邦・跡部良弼
第五章 幕末・明治維新の兄弟……島津斉彬・久光/吉田松陰・久坂玄瑞/高須四兄弟/西郷隆盛・従道/岩崎弥太郎・弥之助
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Posted by ブクログ
兄弟という切り口で歴史を振り返ると、兄弟のパワーに改めて驚かされる。特に兄を全力で支える弟が居た場合の兄弟パワーの凄さには驚く。武田信玄を支えた信繁、豊臣秀吉を支えた秀長、徳川家光と保科正之、西郷隆盛と従道など弟の支えなくして偉業はなかったと言える。考えてみれば、中小企業経営も全く同じで、兄弟が無償の気持ちで支えてくれているような会社はとても強い。反対に争っているような会社には持続しない。やはりどんなに尊敬されていたとしても他人のパートナーとの繋がりは血縁には敵わないのだ。特に豊臣秀吉の場合には、秀長が死去した途端に迷走が始まってしまう。それを考えると、無茶苦茶な兄を支えた秀長って凄い。人の一生には時間的な制限がある以上、信頼し切れるパートナーに恵まれた人間の可能性の物語が歴史の面白さなのかもしれない。とてもいい本だと思いました。