フィリップ・コトラーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
マーケティング5.0とは、人間を模倣した技術を使って、カスタマー・ジャーニーの全工程で価値を生み出し、伝え、提供し、高めることだ。マーケティング5.0の重要なテーマの一つが、マーケターの能力を模倣することをめざす一群のテクノロジー、いわゆるネクスト・テクノロジーである。こうしたネクスト・テクノロジーには、AI、NLP、センサー、ロボティクス、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、IoT、ブロックチェーンなどがある。これらの技術の組み合わせが、マーケティング5.0のイネーブラー(実現を可能にする要因)となる。
実際、CXは企業業績のおもなドライバーの一つである。セールスフォースの調査によると、接続された顧客の三分の一が、素晴らしいCXには上乗せ料金を払ってもよいと思っている。プライスウォーターハウスクーパースの調査でも、顧客の四人に三人弱が、素晴らしいCXは自分をそのブランドに留まらせ続けると答えている。また、顧客はよりよいCXには最高で16パーセントの上乗せ料金を払ってもよいと思っている。
■セグメント・オブ・ワンの顧客プロファイリング
1.地理的変数
・どこに住んでいるか?
・関心のある場所はどこか?
・現在どこにいるか?
2.人口統計学的変数
・年齢、性別
・職業と所得
・結婚歴と家族の人数
3.心理的変数
・何に関心や情熱を持っているか?
・モティベーションや人生の目標は何か?
・行動の推進力となる価値観や態度は何か?
4.行動変数
・どのような購買ジャーニーをたどるか?
・どのようなメディアを消費しているか?
・製品・サービスをどのように使用するか?
■アジャイル・マーケティングを構築する
アジャイル・マーケティングには、従来型企業に欠けているある種のマインドセットが求められる。スタートアップ企業はもともと資源が乏しいので、すでにアジャイルなメンタリティを備えている。こうした企業は乏しい予算が尽きる前に、素早く行動しなければならない。しかし、大企業はアジャイル・マーケティングを別の形で採用すべきである。大規模組織に特有の複雑な組織構造と硬直もう性は、アジャイル・マーケティングにとって最大の敵である。企業は安定した儲かる事業を維持しながら、次の大きなチャンスを逃さないようにするために、現在の事業とは関係のない独立したチームを設立する必要がある。アジャイルなプロセスは、通常、新しい成長エンジンに重点的に取り組むイノベーションプロジェクトにのみ適用される。
■アジャイル・マーケティング組織の重要な構成要素
・リアルタイム分析
・分散型チーム
アジャイル・マーケティングには、それぞれ異なる問題に取り組む複数の小さなチームが必要である。チームにとっての武器は、リアルタイム分析によってもたらされる知見だ。アジャイル・マーケティングでは、それぞれのチームに完了までのスケジュールが決められた特定の任務が与えられる。このモデルはスクラム―ソフトウェア開発によく使われるアジャイル手法からヒントを得ている。マーケティング分野におけるアジャイル手法の適用には、新しいCXの設計、製品イノベーション、マーケティング・プロセスの改善、新規事業の開発などが含まれる。
アジャイル・マーケティングのおもな障害に、部署間の壁がある。多くの大企業が、相容れない重要業績評価指標(KPI)を持つさまざまな部署を連携させるのに苦労している。したがって、それぞれのアジャイルチームは、製品開発、マーケティング・テクノロジーなど、多様な専門知識を持つ部門横断的な専任メンバーで構成されるとよいだろう。少人数で同じ目的に取り組むチームなので、壁を排除できる。同時に、メンバーたちはより参加意識を持ち、自分たちの仕事には意味があると感じるようになる。
部門横断的なチームは、摩擦を減らすだけでなく、いかなるイノベーション・プロジェクトにも欠かせない発散的思考に適している。また、アイデアに命を吹き込むためにも不可欠だ。たとえば、マーケティングの専門家は知見の解釈で重要な役割を果たし、エンジニアリングの専門家は作業用プロトタイプの開発で力を発揮する。それぞれのチームは、独立して目的を達成するために必要な資源を備えていなければならない。
何層もの承認プロセスを必要とする従来の意思決定モデルは、アジャイル・マーケティングにとって時間がかかりすぎる。決定は迅速になされる必要があり、遅れは結果に重大な影響を及ぼす。したがって、チームは自律的でなければならないし、任務に関連する意思決定の権限を与えられていなければならない。このような柔軟なモデルには、トップマネジメントの強いコミットメントが必要だ。アジャイル・マーケティングにおける経営陣の役割は、進捗状況をモニターし、戦略レベルでのフィードバックを与え、チームに自由を与えると同時にコーチングも行うことである。しかし、もっとも重要な点として、経営陣はすべてのアジャイル・プロジェクトを統合して、会社の全体的な目標と整合させなければならない。
・柔軟な製品プラットフォーム
・並行プロセス
・迅速なテスト
・オープンイノベーション -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章デジタル時代
第2章リテール4.0における10の法則
第3章経営者の視点
P10デジタルツールを使う人が増え続けていることで
誘発された変化に照らし、他の業界同様、
小売りの伝統的モデルを見直す必要がある
P14リテール1.0セルフサービス式店舗の誕生
P15リテール2.0ショッピングセンターの誕生
P17リテール3.0インターネットとECの誕生
P18リテール4.0デジタル技術の加速
P30人々は企業よりもすっと早いスピードで変化して
いく~~テデジタル革命による変化とピュアデジタルプレーヤー
の出現の結果、顧客経験が全面的に最優先事項となった
そして、人々の期待が進化した。
P248リテール4.0とは主に消費者の拡大した期待と予備軍で
あり、それと並行して進んだ、製品N経済から経験の
経済への移行である(リーバイス中欧)
P263リアル店舗は人間的であれの法則に従って、差別化
できる役割を追及しながら、ユーザーの複雑に入り組ん
だジャーニーに調和的に取り込まれなければならない
(モレスキン)
P269企業の経営幹部は、現在ほんの4,5年前とは全く
異なった戦略をとらなくてはならない。当然異なる
能力、メンタリティー、マネージメントが求められる。
最近の小売りのデジタル化、などは、ちゃらちゃらした
流行的なイメージがあった。しかしコトラーのおっさん
が妙にまじめに語っていると、それはとても大事なこと
であろうと思ってきた。
コトラー承認の時代の流れである、いやコトラーは
もはや時代おくれか。 -
Posted by ブクログ
人間の最も重要な欲求として、精神的欲求が生存欲求にますます取って代わりつつある。
物質的充足に加えて精神的豊かさもますます求められる時代に。
このトレンドの結果、消費者は今では、自分たちのニーズを満たす製品やサービスだけ
でなく、自分たちの精神を感動させる経験やビジネスモデルも求めている
心理的精神的便益は実際には消費者のもっとも基本的なニーズであり、マーケターが
実現できる究極の差別化。(メリンダ・デイビス)
この精神的欲求を満たす価値提案が、マーケティング3.0のキラーアプリケーション。
提供する商品だけでなく、企業のミッションやビジョンについても
その企業がどのように人間の幸福に貢献できるかを考え、提案する必要がある。
マーケティング3.0は、企業のミッションやビジョンや価値に組み込まれた意味を
マーケティングすること。 -
Posted by ブクログ
『コトラーのマーケティング4.0』
近代マーケティングの父と評される フィリップ・コトラー 氏の著書です。
マーケティングに興味のある方は、必読の書ですね。
本書の内容は、以下のようになります。
マーケティングは、過去に以下のような変遷を辿ってきた。
生産主導マーケティング(1.0)
→顧客中心のマーケティング(2.0)
→人間中心のマーケティング(3.0)
デジタル技術の進歩により、世界は縦から横へつながりの強さの構造が変化している。
その結果、マーケティング・キャンペーン、権威者、専門家よりFファクターが重視されている。
Fファクター:Friend、Families、Facebook Fan、Twitter Follower
主要なセグメントは、以下の3つになっている。
①若者(youth)
②女性(women)
③ネティズン(netizen)
そんなデジタル経済におけるマーケティング4.0とは?
「顧客のオンライン交流とオフライン交流を一体化させるマーケティング・アプローチ」である。
顧客は、「自己実現と他者への共感を同時に可能にする完璧な技術の応用を求めている。」
つまり、「伝統的マーケティングとデジタルマーケティングの統合」が必要となる。
【本書で学べること・考えること】
・過去のマーケティングのトレンド
・世界のトレンド
・顧客に対するパラドックス
・主要セグメント
・マーケティング4.0
・新しいフレームワーク:AIDA、4A → 5A
・3つの影響 Oゾーン
・マーケティングの測定指標:PAR、BAR
・ロイヤルティ
・産業類型と理想的な型
・ベスト・プラクティス
・「人間的性格」のマーケティング
・他者を引きつける6つの人間的特性
・コンテンツ・マーケティング
・オムニチャネル・マーケティング
・エンゲージメント・マーケティング
・「ワオ!」
読んでみての感想です。
内容的には、非常に盛り沢山です。
ただ、全体をカバーするにはどうしてもこれくらいの分量になってしまうのは仕方がないと思います。
範囲が広い分、それぞれの項目はどうしても浅くなりますが、基本的に現在進行形で自分の周辺で行われている活動なので、イメージはしやすいです。
主にアメリカの事例で書かれていますので、少し身近ではない部分もありますが、日本にも似たようなサービスがあるので、事例は思いつきます。
この本の出版は2017年8月と約3年前です。
2020年6月現在、この本に書かれている傾向は更に加速していると考えられます。
新しいメディアも登場していますし、インフルエンサーがマーケティングに果たす役割も更に大きくなっています。
その反面、不正なレビューなど信頼性を担保する仕組みも求められています。
本書には書かれていませんが、個人的には小さくPDCAサイクルを回しながら、正解に近づいていく手法が必要だと感じました。