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大家フィリップ・コトラーが満を持して贈る、社会を変える方法=ソーシャル・マーケティング!
「本書は、半世紀以上にもわたって民間企業で顧客満足を高め、売上と利益を上げるために使われてきた「マーケティング」を、社会に変革をもたらすために活用することを提案している。マーケティングの基礎から具体的な実践手法まで、そして世界中の豊富な事例を紹介する。中には日本では考えられないような事例もあり、公共分野に関心のない方も、興味深く読むことができるだろう」(訳者まえがきより)
イギリスの学校給食を劇的に改善した有名シェフ。サービス精神が豊富なアメリカの郵政公社。フィンランドを世界で最も健康的な国に変えた「ファット(肥満)からフィット(スリム)へ」運動。官民あげて取り組まれたヨルダンの水資源節約キャンペーン。ネパールの画期的なHIV対策。……世界各国で実践されている、優れた公共サービスとそのマーケティング活動。コトラー教授が豊富な事例で「社会を変える方法」を解説する。
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Posted by ブクログ
一、全体として何に関する本か
英語タイトルは「Marketing in the Public Sector」(公共機関のマーケティング)である。本書が対象にしているのは行政機関だけではなく、電気・ガス・上下水道・郵便などの公共サービスを提供する社会基盤全般で働く職員、社員のマーケティングについて書かれている。公共部門の特徴としては、「公共機関は独占であることが多い」「公共機関は市民の利益のために奉仕する」「公共機関は衆人環視のもとで行われ、メディアの注目を大いに集める」ということが挙げれら、一般企業と置かれている立場が異なる。一般企業のマーケティングのスローガンは顧客価値と顧客満足であるが、公共機関のマーケティングのモットーは市民価値と市民満足である。
二、何がどのように詳しく述べられているか
本書ではまず、マーケティングの基本的な考え方を分かりやすく説明している。重要な要素は①顧客中心主義に徹する②市場を細分化しターゲットを定める③競争相手の特定④マーケティングの4P(Product,Price,Place,Promotion)を利用する⑤活動をモニタリングし修正を加える、の5つである。これらは、ビジネスだけではなく普段の活動をより有意義にするためにも必要だと考えられる。
これらの基本的な考えを整理した上で、本書では世界中で公共機関が行った革新的なマーケティングを実例と共に説明している。例えば、アメリカの郵政公社(USPS)では、「郵便を届ける」という一見単純な製品(Product)のように思えるが、様々な工夫を凝らしてその製品価値を向上させている。魅力的な切手の販売から、新兵の登録やパスポートの申請などの付属サービス、詐欺や個人情報の盗難から家庭を守る方法を説明したDVDの無料提供、切手を買うことによって慈善事業に寄付ができ、乳がんの研究や家庭内暴力の防止などの社会的運動を支援できる制度の導入など、郵政事業と直接関係がないサービスまで提供している。また、市民からの意見を取り入れる仕組みも整っており、年間212の顧客諮問委員会を主催している。これらの取り組みによって、顧客満足度調査では、93%の顧客がUSPSとの取引経験を「素晴らしい」「非常に良い」「良い」のいずれかに評価している。
三、その本は全体として真実か、どんな意義があるのか
あるレポートによると、米国人の84%は価格と品質が同じであれば、より重要な社会問題の改善を支援している企業の製品に鞍替えしても良いと答えている。これは日本におていも同様で、民間企業は「業績も良く、慈善も行っている」という姿勢を今後ますます強めていかなければならないだろう。
四、一番面白かったのはどこか、なぜ自分は面白かったのか
今回、本書を読もうと思った理由は、コーズマーケティングについて学びたかったからである。コーズマーケティングとは、ボルビック社の「1ℓ for 10ℓ」に代表されるような、企業の社会問題や環境問題などへの積極的な取り組みを対外的にアピールすることで顧客の興味を喚起し、利益の獲得を目指すマーケティング手法である。大きな成功例としては、アメリカンエキスプレス社のカードが使われる度に自由の女神修復資金を拠出する制度があり、修復拠出金は約2億円となり、カードの使用率は27%増え、新しいカードの加入者は10%も増えたという。市民の社会問題への関心が高まっている中で、日本の会社も社会問題をきちんと捉え、その解決策を示すことができれば、今以上に顧客満足度も社員の誇りも高めることが可能だと考える。
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ビジネス・実用
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