ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧

  • ボックス21

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    ネタバレ

    エーベルト・グレーンス警部シリーズ第二作。

    もはや苦行だ。
    相変わらず苛烈な暴力の描写に、
    正義の無力さ、人生の虚しさの熱帯雨林をかき分けて前進するような苦行。
    その行程の果てにあるものは、
    心洗われる大瀑布でもなければ、
    失われた古代遺跡でもない。

    前作で登場した囚人が刑務所から出所して話ははじまるが、
    そこに外国から騙されて連れてこられた売春婦たちがからんでくる。
    酷い暴力の被害者の彼女が、銃と爆弾を持って立てこもった目的はなにか。

    グレーンス警部と囚人の因縁が明らかになり、
    自分の恋人に重傷を負わせ人生を破壊したその犯罪者を、
    傷害からくる事故死を殺人の罪で追い込むのはまだ良いとして、
    亡くなった刑事仲間の犯罪を隠蔽するのは納得できない。

    著者という現地の案内人に連れられ、
    蚊やヒルに襲われ夜に怯えながら進んだ
    密林の奥にあったのは、
    馬をも飲み込む底無し沼だった。
    人の心の闇という名の。

    いや、ここが終着点ではないのかもしれない。
    救いは次の作品にあるのかも。

    0
    2020年06月16日
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下

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    作者がかわって2巻目、前巻はやや遠慮もあったそうですが、今回は現作者の特徴が色濃くなったようです

    前作者はスピード感のある展開で、勢いで読ませる感じがありましたが、現作者は練り込まれた展開をじっくり読ませるタイプのように感じます
    どちらが面白いかというと、好みもありむずかしいところです
    同じ要素を使って書かれていて、表現は寄せてあっても違うものですね

    上巻では複数の出来事が描かれ、何がどのように関連していくのか期待させられます
    書体の違うパートが何を意味するのか予想しながら下巻へ
    登場人物が多く、イニシャルなどもあってややてこずりました

    現在の経済の話や、宗教問題、人が形作られる要因の話など、意欲的なテーマを複数盛り込んだ割に、どこか消化しきれていない印象を受けてしまいます
    最後に次巻を予期させるところは、もうおなじみの感じです
    次巻の方が面白そうな予感はしますが、どうなのかな?

    0
    2020年05月19日
  • ミレニアム 4 下 蜘蛛の巣を払う女

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    著者がかわっての続編です
    前作者よりすっきりとした展開で読みやすいのですが、なにか読者が振りまわされているような感じはなくなった気がします

    おなじみとなったキャラクターはもちろんのこと、登場人物は非常に多いのですが、思い返せば予想を裏切る意外な展開はなかったように感じます
    ミステリーの要素も少なく、変にこなれてしまったのかな

    ホルゲルが予想以上のことを知っていたり、ミカエル君がえらく賢くなっていました
    当然のように続編があると匂わせてあるので、次を期待します

    0
    2020年04月20日
  • 死刑囚

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    シリーズ物は一作目から読まないと気が済まない性分だが、前二作の前評判に気圧され、第三作となる今作から手に取ってみた。現行の死刑制度が孕む矛盾点を問い質す重苦しいテーマで、ラストの一頁まで全く情け容赦ない展開が続いていく。形式上、シリーズものという体裁を取ってはいるものの、各巻で取り上げるテーマそのものが作品を司っている様な印象を受けた。それゆえ、登場人物達の造詣が実に記号的で、尚且つ傀儡的である。ダイジェストさながらに進行する終盤の無機質さ、怜悧さといい、陰鬱さに溢れたこの作風はちょっと私にはキツいな…。

    0
    2020年03月29日
  • 制裁

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    ネタバレ

    「悪童」の解説でみかけて。

    ミステリーとは謎とその解だ。
    謎は殺人だったり、盗みだったり、客の不審な態度だったり、
    解は犯人だったり、動機だったり、過去だったりする。
    主人公の恋愛に夢中になったり、
    美味しそうな食事に心を奪われたりすることもあるが、
    それだけではミステリーではない。
    謎解きの過程を楽しみたいという希望はあるが、
    残念ながらすっとばされることもある。
    全ての謎に解が与えられる訳でもない。
    しかし、謎と解がなければミステリーではない。

    それゆえ、この作品はミステリーではない。
    少女が残虐な殺され方をしていても、
    被害者の家族が悲しんでいても、
    刑事や検察官が犯人に同情しようがしまいが、
    ミステリーではない。
    どこにも謎がない。
    謎がなければ解はない。

    犯人は最初からわかっているし、
    復讐も予想通りだし、
    警察は何もしていない。
    ああ、もしかしたら謎がなくても「どんでん返し」、
    意外な展開、結末があれば良いのかも。
    もちろん、それもない。

    残虐な事件や登場人物の悲惨な過去を読まされただけ、
    ミステリーではなく、
    現代社会の矛盾を描く社会派小説といえば良いのか。
    それともこれが北欧ミステリーなのか。

    0
    2020年02月16日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 上

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    これ、続き物の一巻目で、とりあえず風呂敷拡げてみました、って感じなんでしょうかね。そういう「さわり」が丁寧に書かれてる感じ。非常に売れっ子の脚本家が組んで執筆してるらしいけど、それ、私なんかからしたらマイナス要因の煽りだか。そして読メ登録してから、あんまりスウェーデンの作家に良い印象がない。えーと、この本は皮肉がすごい。主役のセバスチャンは女好きでだらしないと同僚には思われてる。えーっと舞台は学校、被害者は男子高校生。このシリーズ、続けて読むのかなあ、どうかなあ。

    0
    2019年11月26日
  • 熊と踊れ 下

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    このミス海外編2017年版1位。スゥエーデンの実在の事件を元ネタにした犯罪小説。兄弟3人を中心としたチームによる連続銀行強盗で共著者の一人が実際の主犯との3人以外のもう一人の兄弟らしい。スェーデンを舞台にした小説ははじめて読んだ。事件描写や捜査の状況は緊迫してて面白いけど、心象風景や少年時代の事件の描写が細かく分量も多くて退屈。上下巻の大作でかつくどいところもあって、読み進めるのに苦労し時間がかかってしまった。読みやすさを重視する自分的には評価つけれない。まあ、面白かったし、読書好きの人なら何の苦もなく読めるのかも。

    0
    2019年10月30日
  • 熊と踊れ 下

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    ネタバレ

    長い。父親との確執に至る章を挿入する形式は取ってつけたような印象を受け、小説としては普通かなと思ったが、実際に起きた事件の再構築による物語ということ、更には翻訳者あとがきを読んで知った作者にまつわる事実(これはネタバレなんでしょうか?)を知るにいたり、すさまじい小説だと読後感じました。

    0
    2019年10月06日
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上

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    なんか、普通のミステリーと同じくらいの
    面白さになった様な感じ…
    多分こういうことがあるんだろうな…
    の域を出ない。
    出だしは良くて、本家の人よりも長〜い細部(下準備が長い)が削られてて読みやすいけど…で下巻へ

    0
    2019年07月23日
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下

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    可もなく不可もない、そんなミステリーになってしまった感がある。
    解説にもあったが、見事にリスベットという難しいキャラクターを前作の作者から引き継いでいるという点は、お見事。ただ、扱うテーマが、少し安易で、結末が予想されてしまった。特に下巻は、上巻に比べ種明かしをしていくはずなのに、読むスピードが上がらなかった。それはきっとストーリーの絡みが薄かったからであろう。冒頭のイスラムのファリアの悲哀の話と、ダンとレイの話の絡みが、順序を絡ませ描いている割には、最後まで平行。その点がスピードが進まない理由でもあり、それぞれの話の落としどころもなんとなくわかってしまう、そんなちょっとしたところでスピード感がなくなるって感じる。
    ただ、最後のリスベットの弔辞はジンときた。何かのドラマでも同じこと言っていたが、人間おせっかいなくらいなほうがちょうど良い。そうしていると、相手は必ず振り向いて理解し合える、そんなメッセージをリスベットが弔辞でいうなんて意外ではあり、リスベットらしいと思った。

    ※解説の女性のヘイト小説の分析は面白かった。日本ってここまでつよい女性って、ゼロゼロくノ一や、梶芽衣子みたいな漫画で描かれているが、少しお色気気味でハードボイルドにはなりきれない。これはきっと日本のかわいい文化があるからだと思った。

    0
    2019年07月09日
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下

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    んーなんか双子ネタは、江戸川乱歩やなんかいろんなドラマでも使われているミステリーの鉄板なので、新鮮味が無く、作者が変わってから登場人物も描写が乏しく、あまり面白く思えませんでした。

    リスベットが、この作者になってから、妙におしゃべりになってるのも引っかかります。

    亡くなった原作者がご存命だったら。。

    悔やまれてなりません。

    0
    2019年06月29日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 白骨 下

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    ネタバレ

    読み終えてみると、今作はセバスチャンの心理捜査官としての冴えはあまり発揮されなかった。
    事件の解決もすっきりせず、何人もの人間が命を落とした。

    けれど、セバスチャンだけでなく、捜査班の面々全員が、困難な事件を追いながら、自分の内面と、あるいはプライヴェートな悩みと戦い、変化しつつあることが、じわっと重い読み心地。
    不思議と、悪くない。

    それより!ラスト!!ウルスラがあんな事になるなんて。
    しかもセバスチャンの部屋で!
    うわわわわ。
    またまた関係者一同…とりわけトルケルは、どれほどの傷を負うことか…

    早く続きを読まなくては。

    0
    2019年06月26日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 白骨 上

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    犯罪心理捜査官セバスチャン・ベリマンシリーズ、その3。

    山中で謎の白骨死体が6体…
    な〜んて話はあらすじを参照してもらうことにして、セバスチャンのヴァニヤに対する執着がますますヒートアップ。
    どうしようもなく孤独にも、救いようのない身勝手にも、滑稽なほど愛情に飢えているようにも見えて、まったく油断ならない主人公!

    殺人捜査特別班の面々も、人生の悩みの見本市のよう。
    シリーズを読み進むにつれて、どのメンバーの人間くささもどんどんむき出しになってきて、興味深くなってきた。

    0
    2019年06月26日
  • 地下道の少女

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    ストックホルムで、バスに乗せられた43人の子供が放置される。病院の地下では女性の遺体が。地下道で暮らす者たちとの関係は・・・

    同一作者の「三秒間の死角」や「死刑囚」と比べると落ちる感じがする。

    子供たちが海外から連れて来られた話は実話らしく、動機は興味深い。しかし地下道で暮らす者たちの話が冗長に感じられた。

    0
    2019年05月26日
  • 熊と踊れ 下

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    第三部と第四部の転換が強烈だった。登場人物の見え方ががらりと変わる。彼自身の嫌悪の対象と同化している姿がはっきりと示される。おぞましく哀れな教育の成果としての過剰な暴力は、決してコントロールできず、彼を飲み込んでいる。

    暴力のある家庭の悲惨さは言うまでもない。言うまでもないから言語化できていなかったが、この作品を読んで暴力の悪影響の手触りを感じた。

    してはならないことは何を捨てても失っても、してはならないのだと、理解できるのは大人だからだ。子供は愛を求めることが正解で、実際にはそこに選択肢はない。
    だから、服従させてはならない。

    上巻は結構疲れたが、下巻は一気に読めた。

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    2019年02月18日
  • 熊と踊れ 上

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    読み応えがある分、登場人物が抱えるトラウマへの不快さも強く感じる。精緻な計画が首謀者たちの虚栄心や情緒不安定さで歪み、綻んで行く様もギリギリなので、翻訳小説の難読さはないにも関わらず、全体的に読んでいると疲れる。

    0
    2019年02月17日
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下

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    やっぱ悪くないなー。筋書きが練られていて、キャラも立ってて深みを増す。少なくともリスベットは。やや、告白だけでタネ明かしされる感はあるけど、虐げられたもののために闘うリスベットを応援しないではいられない。

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    2019年02月16日
  • ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上

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    第5部。
    上巻は今回の謎を浮き彫りにした感じ。
    ただでさえ波乱万丈だったリスベットの過去にまだ隠されている部分がある様子。
    その鍵を握るのはレジストリーという機関。リスベットのような身よりのない子らを集めて何か実験をしていたようだが… ここにどんな陰謀が隠されているのか?
    そして双子の妹にして宿敵カミラは登場するのか?

    回収は後半。期待したい。

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    2020年01月19日
  • 兄弟の血―熊と踊れII 上

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    12月-6。3.5点。
    熊と踊れの続編。長男の出所から物語が始まる。
    出所直後から、刑務所で会った相棒とある計画を実行に移していく。

    スピード感はさすが。下巻に期待。

    0
    2018年12月14日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 上

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    読みやすい。

    ミカエル・ヨートは映画監督、プロデューサー、脚本家。
    ヴァランダーシリーズの脚本やエリカ&パトリックシリーズの映像化などを手がける。

    ハンス・ローセンフェルトは脚本家、司会者。
    ザ・ブリッジやヴァランダーシリーズの脚本などを手がける。

    つまりとてもワクワクする二人組ということだ♪

    邦題からするとセバスチャンが一応主人公のようだが、他のキャラもなかなか立ってる。
    著者たちの意向ほどには、セバスチャンのクソ野郎具合がさほど鼻につかない。
    もっとやな奴に仕立ててもいいのでは。

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    2018年11月14日