中野京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書録「危険な世界史運命の女編」3
著者 中野京子
出版 角川文庫
p150より引用
“ ゴッホの絵は、生前にたった一枚しか売
れなかった。テオがいなければ、ゴッホは傑
作を産み出すもなにも、とっくに野垂れ死に
していたに違いない。”
目次から抜粋引用
“騒がしい時代
有名であろうが、なかろうが
映画が語る世界史
芸術家たちの光と影
民衆の底力”
ドイツ文学者である著者による、フランス
革命前後の歴史上の逸話を集めた一冊。
web連載まとめ、同社過去出版単行本加筆修
正文庫版。
マリー・アントワネットの手紙についてか
ら史実を題材にした映画の史実との差異につ
いてまで、激動の時代のドラマチックなエピ
ソードが記されています。
上記の引用は、ゴッホとその弟・テオを描
いた映画について書かれた項での一節。
ゴッホが兄弟に恵まれていなければ、ゴッホ
の絵を現代の私たちは見ることが出来ていな
かったのですね。気の毒なことに、テオは
ゴッホの死後半年で死んだとのこと。ゴッホ
の絵が売れて喜んだのは、結局一体誰だった
のでしょうね。
遠い時代のゴシップなので気楽に読んでい
られますが、当時に生きていた人々は、時代
が荒れていて大変そうです。それとも、最中
にいたら、毎日何とも思わずに生きて行くも
のなのでしょうか。
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Posted by ブクログ
有名なボッティチェリからエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、あとおれは知らなかったけどドラクロワ、レービン、エゴン・シーレといった画家25人の33作品が、それぞれ「運命」、「呪縛」、「憎悪」、「救済」といた8つの章に分けて解説されている。カラーで見ることができるが、細かい部分はちょっと見にくい。それぞれ作中の人物(神話上の架空のものも含めて)、風景がなぜそのように描かれているのか、画家は何を思って書いたのか、主に歴史的な背景について説明されており、もともとはNHKの教養番組のテキストだったものを再編集したもの。
読む前から怖い絵として出てくるだろうと思ってたのはゴヤの「黒い絵」シリーズ、『我が子を喰らうサトゥルヌス』で、あらためて見てもやっぱり怖い。ただ怖い絵としてしか認識していなかったが、実は「人間をやめてしまったにもかかわらず、まだ人間的弱さの残滓だけはあるという、引き裂かれた自己の苦悶」(p.115)をあの目は物語っているということだった。「つまりこの絵の本当の怖さは、我が子を喰っているところにあるわけではない。」(同)らしい。同じようにイリヤ・レービンという人の『イワン雷帝とその息子』という作品もとても印象的で、このイワン雷帝の目も「狂気から醒め、自分のしたことを突きつけられ」(p.171)た時の恐怖を描いているらしい。神話についてもおれは全く知らないけれど、そのサトゥルヌスが父親ウラノスを殺して、海に投げ込んで血まみれになった海水から泡が出てきて、ヴィーナスが誕生、というのも、すごい話だと思った。「ヴィーナスのギリシャ名はアプロディテで、アプロ(泡)が語源」(p.127)だそうだ。あと意外だったのは、風景画についての話で、「当時の教会は、自然を、やがては消滅する物質と見做し、永遠不滅の神に対置させます。そのため人々は、風景を愛でることと肉の快楽に耽ることを似た行為のように思い、罪悪感すら持たされていました。」(p.138)というのが納得。確かにヨーロッパの美術館に行っても古い作品はだいたい宗教画か歴史的な人物の絵のような気がして、風景画はあんまり見たことないなあと思った。エル・グレコは独特の色遣いが面白いと思っていたけど、この『トレド眺望』という作品の不気味さにも見入ってしまう。
という感じで、怖いといってもお化けとか幽霊とかそういう怖さというよりは、作中の人物を待ち受ける悲惨な宿命とか、人間のどうしようもない性とか、そういう種類の怖さを描いている。ハプスブルク家といった西洋史、神話の話が難しくて、おれにとっては誰が何したのかだんだん分からなくなってきたが、絵のだいたいの雰囲気や背景を知るだけでも印象深いものが多い。(16/09/04) -
Posted by ブクログ
15世紀~17世紀ごろのヨーロッパの凄惨で劇的な生涯をすごした人たちを、絵画を辿りながらどんな人物だったか、どんな人生を歩んだか解き進めていく本。
凄惨な話はなぜこうも人を惹きつけるのか。
読みやすい文章と、全体の構成も流れを汲んでいるので、あっという間に読み終えてしまいました。
謀略や裏切りなど血なまぐさい話がつきものの王室ですが、こんなにひどかったとは・・・。
世界史を避けてきた身としては、年表や系譜などの知識が抜けている分、面白さが半減してしまったのかと思うと悔しい。
でもこの頃の女性は日本でもそうだけど、子供を産む道具としてでしか見られないことが多いから、相当なプレッシャーだったんでしょうね。
子供を産んでも自分やその子供が殺されてしまうかもしれないという恐怖・・・。
といっても、現代の尺度でしか考えられない私より、もしかしたら彼女たちは相当タフだったのかもしれないいけど・・・。
その女性の運命を決めてしまう非道な王様たちも、いろんなタイプがいて、本当にろくでなしの人間もいれば、過去の生い立ちが一生ついて回ってしまう人など、王様側の視点でも見れるのが面白いですね。
なんとな~く歴史が学べる本。
まるでどこかのテレビ番組みたいだねww