佐渡島庸平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『宇宙兄弟』や『インベスターZ』の編集を手がけるクリエイティブエージェンシーであるコルクの代表、佐渡島庸平さんの生きていく上での根本となる考え方がわかりやすく書かれています。
佐渡島さんの別のインタビュー記事で、編集者の仕事は「作家の頭の中にある世界が世の中に伝わりやすい順番を、作家と一緒に考えること」と「才能を見抜いて投資をすること」と言っていて、作家ではないけれど自分がやっていきたいことと限りなく近く、それを最前線で、かつ本物の天才たちと仕事をしている人という印象が佐渡島さんにはあったので、読むことにしました。
実際に読んでみると、自分が求めるレベルの佐渡島さんの深い思考に触れられるいる感覚はあまりなかったけれど、佐渡島さんが考えるこれからの時代の流れや、その流れの中でも変わらない本質的なこと、働いていく上での根本的な考えについて、原体験も含めながら書いてあったので、ネットに多くあるインタビューをつまみ食いで読むよりも、この1冊を読んだ方が、他のインタビューを含めてすっと入ってくるなと思いました。そりゃ当たり前のことだと思うけれど。 -
Posted by ブクログ
「ドラゴン桜」や「宇宙兄弟」をヒットさせた編集者による、どのようにヒットを生み出し、どのような心構えで仕事をしてきたのかを纏めた本。文中にもあるように、しゃべりをライターが起こして纏めた形なので非常に読みやすいです。でも、類著の中では得られるものが多いように感じました。
頭の第1章にあるのは「仮説→検証」を行うことの大事さ、面白さ。「定義する(=テーマを定めること、と解釈しました)」ことで仮説が定まり、そこからそれぞれの作品にあったやり方が生まれてくる。コミックのプロデュースだけでなく、日々の何事にも応用可能なことで、取り入れていきたいと思いました。
個人的に特に考えさせられたのは、第4章の「観察する力」のくだり。優れた表現のためにはまず観察力が必要で、観察力を伸ばすことで、同じものを見ていても普通は読み取れないような変化や面白さに気付くようになる、ということで、普段の「漠然さ」を改めて意識しました。
少し禅問答感があるので、著者が上司や同僚だったりすると相当大変そうだな…と思うのですが、ビジョンが明確なだけに巻き込み力が相当高そうです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ元講談社社員で現在作家エージェント会社コルクを経営されている佐渡島さんが編集という仕事を通して見てきた出版業界での出来事や、立てた仮説について書かれている。現実で常識とされていることに対して感じる違和感の正体が、佐渡島さんの視点で言語化されているように感じられ気づくことが多く、とても学びのある本であった。まず、仮説を立てる際にやりがちなのが、情報を先に集めてから仮説を立てるという順番であるが、それをやると思考停止に陥る場合が多いそうだ。そのため、まずは日常生活で集まってくる情報や自分の中の価値観を元に先に仮説を立てるということである。また、佐渡島さんが考える仮説の元として、「全体的」というワードがある。これは、インターネットの普及によってすべてのことが可視化されることから、本という作品一つをプロダクトとするのではなく、その周りに付随する情報をすべて含めてサービスとする考え方だそうだ。10年後の世界がどうなるかはわからないが、出版業界を作家の世界観を公にしていくようなシステムにするという考え方は面白いと感じた。他には、佐渡島さんが出版業界に務めたり、歩んできた人生の中でしてきた努力や考え方についても書かれていた。例えば、努力を続けるには自分に刺激を与えてくれる環境に身を置き続けるしかないという考え方もとても鋭くて客観的な意見に感じられた。他にも、佐渡島さんならではの工夫の仕方や自信を持つための方法、実際に成長してきた作家さんの姿なども書かれている。最後に、現実を変えるために倒す一枚目のドミノは一人の熱狂であると書かれている。2枚目が仮説を立てること。3枚目は周囲の人が倒すのだそうだ。この本自体が佐渡島さんが会社を立てたり仕事を楽しんだりして熱狂し作られた仮説が書いてあるのだと思う。個人的には、佐渡島さん(この本)の魅力は、仮説を客観的に披露しており、考え方を押し付けるような感じのない謙虚さだと思った。
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Posted by ブクログ
・いい作品とは新しい定義を生み出すことができるもの。
・最近はなんとなくの 95%がスマホに集中してしまっている。
・講談社の野間せいじや文藝春秋の菊池寛はコンテンツだけでなくそれを届ける仕組みを作った。
・二重目標をつくる。毎日絶対できる目標と理想的な目標
・意思ではなく習慣でしか人生を変えることはできない。
・現代人の恐怖は努力をせずに現状維持をしたいという思いから生まれる恐怖
・嫌なことほどとにかくすぐにやる。(それが済めばあとは楽しい事が残るから)
・一枚目のドミノは熱狂しているひと、2枚目はその人の仮説、三枚目はそれに惹かれて集まってきたヒト -
Posted by ブクログ
最近、編集者という職業人に興味があり本書を取った。
本書を読んで一番驚いたのは、「アドバイスを捨てて、感想を伝える」という考え方でした。『宇宙兄弟』など多くの作品に関わってきた編集者・佐渡島庸平さんは、「こうすべき」と答えを渡すより、「私はここで心が動いた」と返す方が、相手の思考を深められると説きます。
特に面白かったのが、「鳥肌が立った」「電車を乗り過ごした」といった身体の反応を判断基準にするという話です。正解らしい言葉を探すのではなく、自分に本当に起きたことを伝える。それなら押し付けにならず、相手はそこから自分なりの答えを考えられます。
しかも感想には「要約・印象・意図・マーケット」という型があり、単なる精神論ではありません。AIとの対話にも触れながら、人間だからこそ返せる“心の震え”とは何かまで考えさせられました。
読み終えてから、「こうした方がいい」と言う前に、「私はこう感じた」と一度立ち止まりたくなりました。フィードバックとは相手を動かす技術ではなく、相手が自分で動き出す余白をつくることなのかもしれません。
人を育てる立場の人だけでなく、「感想を伝える」という行為そのものが気になる人に、ぜひすすめたい一冊です。 -
Posted by ブクログ
「過去の捉え方」と「絵の観方」に関して新たな視点を学べました。
「過去の捉え方」については、「過去は変えられない」というのが定説ですが、著者によれば、「過去は変更できない事実の積み重ねではなく、現在から観察され、意味が更新され続けるもの」とのこと。
確かに同じ出来事を思い出した時に、ある時は満たされた気持ちになる一方で、ある時は、逆に鬱屈した感情に支配されてしまうことはあります。
「絵の観方」については、以前読んだ『13歳からのアート思考』という著書を思い出しました。
絵を観る、とは、著者によれば、「絵を観て、動いた自分の心を観察し、その心の変化を生み出した絵のあり方と作者の意図に思いを巡らせる」行為とのこと。
私には美術の素養や知識はありませんが、絵の中にある何かを自身で見出して観察していく能動的な鑑賞には感銘を受けています。
一流のビジネスパーソンは美術鑑賞が趣味の方も多いと言われますが、この能動的な鑑賞で観察力を磨き、それを仕事に生かしているのでは、と感じています。