あらすじ
誰もが振り回される「感情」とは、そもそも何なのか? 佐渡島庸平(編集者)×石川善樹(研究者)×羽賀翔一(マンガ家)が、三者三様の視点から感情の本質を探る! 無自覚の感情に気づくと、世界の見え方が変わっていく。
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Posted by ブクログ
自分の感情を細かく認知できるようなると、あらゆるアウトプットの質が高くなる。感情を理解することで、自分の価値観や行動特性を理解できたり、感情に脳が支配されずに冷静かつ主体的な行動が選択できたり、他人への過度な期待に苦しめられなくなったり、様々な効果がある。
感情に対して、認知、受容、(行動)選択のプロセスが紹介されている。
1.認知
感情には、強弱や基本感情が混ざったものがある。強弱は、イライラ、怒り、激怒のようなもので、混ざったものは、喜び(平穏)と信頼(受容)が混ざったものとして愛などがある。今感じているものが、どの感情なのか理解する(プルチックの感情の輪が有効なツール)。そして、何に対してその感情を感じたのかを理解する。例えば、相手に怒っているのか、自分に怒っているのか、何を不安に思っているのか、など。ここで、感情を相手に手渡さないことが重要である。相手に手渡すと思考停止に陥る。認知とは、表層的な感情だけでなく、そこに紐づく別の感情や価値観を理解する。
2.受容
嫌悪、嫉妬、不安、惜しみなど一般的にネガティブな感情は認めて受け入れることは難しい。しかし、すべての感情には意味と価値があり、もってはいけない感情などない。例えば嫉妬も自分が何に対して嫉妬するのか知るチャンスでもある。悲しみがあるから、わび、さび的な美しさを感じることができる。
3.選択
感情のどの部分に注目するかで、自分が求める選択が見えてくる。例えば、
・不安はわからないこと
・恐怖は手に負えないこと
・怒りは大切なものが脅かされること
・喜びは獲得したこと
・安らぎはみたされていること
・悲しみは失われること
に関連する。
自分の感情を受容したうえで、どの感情に注目し、自分の納得できる答えを出し、行動を選択する。
ここで、私がこの本を読んでいる間に起った、認知、受容、選択のプロセスを紹介する。
①事象発生
ある朝、自分の有給休暇予定日に自分の出席が必要な会議の案内メールが入っていた。なぜ私の参加が必要な会議を私の休みの日に入れたのだ?その日は、友人と遊ぶ約束をしていたし、その友人に対しては前回リスケしてもらったので、もう一度というわけにはいかない。私には、何かを言う権利はある!
②感情のラベリング(認知)
プルチックの輪を見て、この感情は怒りであることを特定した。うすうすは気づいていたが、改めて言葉にすると原因をつかみやすい。
③感情の原因の抽象的理解(受容①)
怒りはじぶんが大切にしているものが脅かされるときに発言する感情である。この場合、大切なものは自分の存在で、それが蔑ろにされたことに怒っているとわかった。
④感情の原因検証(受容②)
自分は本当に蔑ろにされたのか。可能性としては、a.相手は私の予定を見たうえで、私の予定なんてどうでもよいと思って予定をいれた、b.相手は私の予定を水に、他の重役の予定から設定した、の2つが考えられた。客観的状況から、bである可能性が高い。そうすると大切にしたものが脅かされたわけではないと、怒りが収まった。
⑤対策の立案・決定(選択)
15:30-17:00の打合せなので、電車に乗ってもらい一足早くホテルに入ってもらってゆっくりしてもらおう。観光の時間は少し減るが、なんとかなりたいそう。
①~⑤のプロセスを経ることで、怒りは完全に収まり、建設的な対応をとることができた。
恥について
人間が持ちうる高級な感情。罪に似ているが、罪の告白は英雄になれるが恥はなれない。常識や自分が良いと思っているところから外れた時に感じる。
罪について
社会・自分ルールを破ったことに対する感情。罪の反対は功。
悲しみ
怒りと悲しみは近い。あるべきものがないことに対する感情。失ったものをどう受容する。あきらめるの語源は明らむ(明らかにする)。
絶望
野望 身の丈を超えた。制約を無視した。大きい。強い意志。
希望 身の丈に合った。かなうことが前提。ゆるく握った。
絶望 かなうことを待ち続けている状態。その状態に縛り付けられ不自由な状態。しかし、本当の絶望とは縛り付けから解放された状態を作るもの。
怒り 期待との乖離。歴史上の革命には怒りが関与している。怒りは何かの感情とセットになりやすい。例えば悲しみ+怒り、くやしさ+怒りなど。怒りは瞬間的、悲しみは継続的。悲しみは一つ、怒りは多様。
例えば、何かの可能性を奪う行為に怒り。嘘やこそこそに怒り。思い通りにならないことに怒り。他人を配慮せず自分勝手なふるまいに怒り。こちらの行為や配慮に鈍感で蔑ろにする行為に怒り。
誇り
自分に対して感じにくい。他人や所属集団に対して感じやすい。
堂々と見せる誇りとポケットの中で握りしめながら、自分のいる場所の確からしさを感じる手のひらサイズの誇り。
プライドとは何か強く守りたい。不利な状況でしがみつく根拠(誇りまでは奪われない)。根拠のない自信を根拠あるように見せる。
驚き
どんな感情の前にも小さな驚きの感情が存在している。心が動く=驚き=チャンス。体験知。瞬間的。「●●では」ではなく、「●●」とはで話す。
安心
居場所。受け入れられている感覚と自分らしくいられる場所。与えられた仮面をつける居場所と外す居場所。場所で名前を変える。
役割を与えられる=自由との引き換え。自分はここにいていいんだという気持ち。いつでも仮面を外せるという自信。
感謝
自分の心が動いたことをまっすぐに相手に伝えること。一方通行でいい。感謝が伝わるかどうかは相手にゆだねる。感謝は伝えるものではなく、伝わるもの。
最後に当たり前のことが当たり前ではないことに気づき、幸せを感じる。感じなくなるのは、慣れと教育の問題があると思う。特に教育は、資本主義の計画性と再現性に対し、不確定要素となる感情をできるだけ排除しようという暗黙の合意があるように思う。まずは、慣れない、バカになる。
いる、する、なる(一緒にいる、何かを一緒にする、年に2回旅行する関係になる)。
Posted by ブクログ
数年前にマッチングアプリでこの佐渡島さんとマッチしたことがあるのですが、この人既婚だし何やってんだろと思いつつ、結局会うこともなくフェードアウトされた経験があってこの人が嫌いだったのですが、まぁスマホ越しの知らない相手の人格なんてあってないようなものだし、彼にとってはさしずめ本の制作に必要な実験のサンプルみたいなものだったでしょう。別に彼自身も人格者と思われたいわけじゃなさそうだしな。
本は良いこと書いてありました。『感情の輪』というツールを使用し冷静にシステマチックに自分の感情を分析し、自分ができる対応をとることができるというものです。
「怒り」を感じたのなら『感情の輪』で「怒り」と両隣にある「期待」や「嫌悪」、対極の「恐れ」までも視野に入れて、下記ような問いを立ててみます。
・自分は相手に 何を「期待」 していたのか
・自分は 何に対して「嫌悪」 しているのか
・自分は 何を「恐れて」 いるのか
こういう使い方をすることによって、自分の中の奥にしまってあって気づかなかった感情に気づくことができるようです。
「感情をうまくコントロールする」方法を求めがちですが、「表層的な感情の先にある本質を理解し、正しく認知する」ほうが自由に生きていけるというのは発見でした。
後半の対談は、3人で感情についてトークするというもの。『感情』というおおまかなくくりではなく、「怒り」「安心」など小分けにした感情を掘り下げていて、3人の個体差からいろんな特性が出てきて興味深かったです。
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メモ
・より強い刺激を求めていると多様性が失われ、わかりやすく似たような感情ばかりになる。あえて退屈な時間を過ごすことが感情の波に気づけるようになる。→退屈だかったからこそ生まれたのが哲学だったりするもんね。
・「感情を、簡単に他者に渡してしまわないほうがよい」。たとえば、僕が誰かに対して怒りを感じているときに「こんな気持ちになっているのは相手のせいだ!」と受け止めてしまったら、「感情を他者に渡している」ことになる。自分の感情は他者との関わりがきっかけになるにすぎず、自分に価値観や観念に紐づいて内在している。
・人は概念を通して世界を知覚するので、逆に言えば概念にないことは知覚できない。→感情に関する概念を豊かにするため、私だったらやはり小説を読むのが有効かな。漫画もいいよね。
Posted by ブクログ
自分の感情を抑えてできるだけニコニコして生きてきた私はそれが正しい生き方と思っていただけに、色々考えさせられる1冊でした。自分の感情がもっとコントロールできるのではないか?と思い手にとりましたが、むしろ自分の感情と向き合い、自分の正直な感情を知ろう、そこから始めようと考えさせられました。
最後のあとがきの内容は正直難しいと感じましたが、僕の解釈として、幸せになるためにするということが無意識にできるようになった時(無敵状態)に結果があとからついてくるのではないかと思いました。継続は力なり!
半分自分のためのメモ書きのような感想でした汗僕にとって気づきの1冊です!
Posted by ブクログ
私たちは感情に左右されて生活していると言っても良い。しかしながら、感情の動きに対してあまりにも無頓着なのかもしれない。そんなことを本書で学んだ。
5分前、1週間前に何をしていたか?との問いには答えられる人は多いが、5分前はどんな感情だったか?との問いに答えられる人は少ないだろう。
自分の感情に向き合うことで、より良い人生を歩むことができるのではないか?
そんな提案をしている一冊。とても面白く、そして今後の人生の糧になるヒントを得られた。
Posted by ブクログ
感情にも、「良いor悪い」は無い。
嫌な感情も見ないようにすると、手放せなくなる。
まずは、「認知、受容」しなければ、手放せない。
(手放して、「在った」事がわかる。の挿絵がとても分かりやすい。)
感情的に伝える事と、感情を伝えることの違いについても、とても興味深かった。これは、日常で使える✍️
幸せとは、「する」を、手放した状態なのでは無いか。
well doingではなく、well being
「する」を手放すと、因果関係を意識しなくなり、過去と未来を妄想しなくなり、今に集中できて、幸せな状態になる。
Posted by ブクログ
この本の面白さを語るには、著者の言葉をそのまま引用するのが良いと思います。
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佐渡島氏は言います。
『あらゆる感情は、自分の行動や意思決定に影響している』
『思考と感情は密接な関係にあるので、日常生活において何かしらの思考活動をしている以上、感情も存在しているはず。それなのに私たちは、ほんの5分前の感情さえ、覚えていない(思いだせない)ことが多々あります』
『そもそも自分の感情をちゃんと認識できているのか?』
『感情には無自覚なものもあり、どんな感情ゆえに行動しているのか、自分では気づいていないことがある』
『怒りや焦り、恐れ、嫌悪、嫉妬など、社会的に「表に出さない方が良い」とされている感情は、たとえ抱いたとしても、ないものとして振る舞っていることがある』
『社会はこれほどまでに感情であふれているのに、僕らは感情そのものに鈍感である。』
『感情の一つひとつを認知し、解像度をどれだけ高められるか』
『物事を精緻に伝えるには多くの語彙が必要となるように、感情をメタ認知するには、感情の種類や本質を知っていることが求められます。』
もう一人の著者、石川善樹氏は言います
『もし「ヤバい」という概念しかないのであれば、湧き上がるいかなる感情も「ヤバい」としか知覚されないでしょう。それは極端にしても、「喜怒哀楽」の4つしかなければ、世の中にある感情は4種類しか知覚されない可能性もあります。』
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本書は学術書やビジネス本ではないので、何かしらの答えや指針が示されているわけではないのですが、普段から感情について深く考えることによって、これまで見えてなかったものが見えてくる可能性があるかも?と期待させてくれる内容でした。
恥ずかしながら、ちょっと小難しい映画なんかで、「そんな悲惨なことばっか起こったのになんでスッキリした顔してんの?」とか「なんで夜明けの平原見ただけで気が変わったの?」とか、主人公の気持ちがわからないことが良くあります。それがラストシーンなんかだったりすると、映画全体を否定したくなってしまいます。この本の影響で少しは理解できたり、主人公の心理の解像度が上がってると嬉しいなぁ。
Posted by ブクログ
人間は理屈じゃなく感情で生きている。
ほんとにその通りだと思う。
つい昨日も、自分の中でうっ、辛い…という気持ちが起こったけどうまく受け止めることができなくて、つい言い訳めいたことを言ったり、自分は悪くないみたいな態度をとってしまった。
慌てずうまく対処する大人でありたいって思っていながらもこのざま。。
その辛い気持ちは、単純な辛さだけじゃなくて、周りからうまくできなかったねって思われるのでは…という「恥」が実は絡んでいたり、途中で自分でもうまくいってないかもという「不安」「焦り」をずっと感じていたから余計ストレスだったんだと思う。
→本の中で人間の8つの基本的感情とそれらが結合して生まれる複合感情が体系化に視覚化された「感情の輪」という図があり、感情の種類や成り立ちをみるのに役立ちます。
アンガーマネジメントみたいに感情をコントロールする、その場で怒り散らさないみたいなこともビジネスの場面では大事だと思うけど、その怒りをなかったことにはできないから、あの時感じたあの怒りはなんだったのか、自分のなにを守りたかったのか、あとで振り返ることができるといいのかな。
そんなこんなで最近iPhoneのジャーナルアプリでぷち日記を書いているけど、昨日当日はもやもやしてうまく書けなかった。時間を置くということも必須なのかもしれない。
Posted by ブクログ
感情についての本を読む機会は少なく機知に富む
脳と感情どちらが先かといえば身体的には脳や過去からくる潜在意識だと思う
この本では(意識、記憶、思考)→感情→ 思考 を構築の流れとすれば感情を最初としているのではなく感情にフォーカスし描き始めているので感情が先に来ている
感情を味わう=人生を味わうこと ポジティブ感情もネガティブ感情も人生を十分味わってると考えればどんな感情もメタ認知できる
感情は意識しないと行動以上に認識できない
感情を認知し ありのまま受容し どうするか選択する
しっかり認知して 受容することで前向きなメタ認知し
思考、行動へ移す
妬み、恥、怒り: 妬み、恥はすべてが、怒りはほぼ全てが他人があっての感情 他人に意識向けなければ存在しない まずは認知し受容し 他人に意識抜ける必要があるか思考しリフレイミングし選択する
感情は一旦受容し長く持たない 素早く手放す
Posted by ブクログ
「感情」の見方が変わる本。以下、感想など。
たくさんの種類の感情を味わえれば、人生は豊かになるのかもしれない。感情には「喜び」「悲しみ」「怒り」などなど様々な感情があるが、私たちは日々それらを正確に認知できていない。例えば、今感じている感情は「悲しみ」なのか「怒り」なのか。「怒り」であればそれは単純な「怒り」なのか、それとも「期待が含まれた怒り」なのか。このように、感情の認知及び、解像度が高まれば、自分の行動や選択の幅が広まるかもしれない。しかし、例えば「最悪」といった解像度の低い感情のみで処理してしまうと、その後の行動に歪みが生じてしまう。
また、「あなたの感情は、あなただけのもの」であり、「相手によって引き起こされたもの」では決してない。相手はきっかけに過ぎず、感情は自分だけのものである。
Posted by ブクログ
サディのVoicyリスナーとしては待望の一冊。「ネガティブな感情を持つことに罪悪感を抱く必要はない」という部分に救われた。対談部分もサディのフォロワーとして興味深く読んだ。サディと羽賀さんの関係性も面白い。サディがマンガや小説の編集者として感情と物語を紐づけて語っている部分は毎度勉強になる。石川善樹さんのコラムにも唸った。箸休め的に挿入される羽賀さんの漫画も楽しい。
Posted by ブクログ
・感情の輪の話は、とても興味深く、感情とは何かを理解する助けになる。
・悲しい感情は受容し、嬉しい感情はすぐに手放すというのは実践して、自分の感情とうまく付き合いたい
・後半の鼎談は、少しバカにした感じや、圧迫感があり少し不快だった。
・著者の方が、○○について考えていると、そもそも○○とは何だろうとそもそもの定義を毎回考える様を書いているのがしつこくて、読むのを止められる感があった。
Posted by ブクログ
【どんな感情もまずは受け入れて長くとらわれすぎないようにできるだけテンポよく手放していく】
一般的には『ビジネスにおける意志決定に、感情は持ち込まない』がセオリーだけど現実でうまくいくだろうか?自分を律するのが得意なら難なくこなせそうだが、そうでなければ、一度感情を出して受け入れてみることから始めたい。
Posted by ブクログ
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感情を知る=自分を知る
感情とは:問いかけ分解していく思考の世界
★★感情に善悪優劣ない、全ての感情に価値ある
その意思決定には、どんな感情が働いているか
★★行動・意思決定には、感情バイアスが必ず働く
感情を簡単に他者に渡さない
★★感情というフィルターを通して、世界を認知
感情の輪:8つの基礎感情+混同感情
喜び⇄悲しみ
信頼⇄嫌悪
恐れ⇄怒り
驚き⇄期待
点ではなく波で感情を捉える
★★認知→受容→選択
もう一人の自分は何と言ってる?
★★他者に意識を向けず、自分にできることを探す
★★選択に間違いはない、絶対解でなく納得解探す
★感情は変えられない、感情の認知は変えられる
ルールの真意を考える
怒り=大切なものが脅かされた時に現れるサイン
驚き=「とは」問いかけの追求
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感情を「認識する」。
たしかにこれって大事で、明確に怒ってるならまだいいんだけど、なんとなくイライラしてる状態が実は自分も周囲もストレスなんじゃないかな。
主旨と関係ないけれど、以下の部分がちょっと感動した。
ーーーーーーーーー
僕の結婚式に井上雄彦さんと小山宙哉さん、ツジトモさんに来ていただい
た際、小山さんとツジトモさんはまだデビューする前だった。だから井上
さんと話をできるようにと、席を近くしておいたの。このとき2人は井上
さんと一緒に写真を撮らせてもらったんだけど、その後、『宇宙兄弟』
1話目に描かれている主人公の六太と日々人が毛利衛さんと写真を撮って
いるシーンを読んだツジトモさんが、「これは絶対にあのときのオマー
ュだ!」と。小山さんの位置が六太で、ツジトモさんは日々人。
後ろに立つ井上さんは、毛利さんのように「君たち頑張れよ」と2人の背中
に手を添えている。
僕はそれを聞いて小山さんに確認したら、本当にそうだった。あのときの
ことを思い浮かべて、六太たちのシーンを描いていたと教えてくれて。
「自分たちを応援してくれてありがとうございます」という、まさに小山
さんが井上さんへ込めた「感謝」だよね。「マンガ家ってすごいな⋯⋯!」
と思った。
Posted by ブクログ
人間の幸福度はつくづく、「どう捉えるか」にかかっているなと考えた。感情を生み出すきっかけは外的要因であったとしても、どのように感じるかは自分次第。
同じ事柄もその人の感情によって見え方が変わる。
小説やマンガを読むって娯楽と捉えられがちだけど、日々の中で言語化できてない感情を擬似体験させてくれるわけだから、自分のメタ認知を促すのにものすごく効果的。自分というものの解像度を上げてくれて、結果幸福度をあげてくれるすごいツールなのかも。
Posted by ブクログ
学術的な裏付けがあるというわけではなく、著者三名の体験をベースに気づきを語り合う内容となっている。なので科学的なことを期待していると肩透かしになるかもしれない。あくまでも特筆すべき作品を残している漫画家と編集者の感性で「感情」というものについて語り合ったことを楽しむ本であると感じた。
「感情に捉われない」が一つにキーワードになっていて、その点が禅仏教的だと思った。
<アンダーライン>
★★★
特定の感情を否定しないことと、感情に善悪や優劣をつけないこと
★★★★★
ポジティブ感情だけの人間はバランスが悪い。
★★★
鏡があることで自分と他人を比較する
Posted by ブクログ
日々の生活の中で、私たちは自分や他者の感情に振り回されがちだが、そうした感情を客観的に理解することはとても難しい。特にネガティブな感情ほど、他者への期待や外部環境に対してその原因を求めてしまう。
本書の前半では、そうした感情の理解を助ける実践的な補助線がいくつか引かれている。その中心であるプルチックの「感情の輪」は、自分の感情を客観的に認識するのに役立つし、8つの基本感情(喜び/信頼/恐れ/驚き/悲しみ/嫌悪/怒り/期待)とそれらの組み合わせによる混合感情を俯瞰すると、有り体に言えば「こんなに沢山の感情があったのか」と驚いてしまう。これらの感情を【認知】し、【受容】 し、行動を【選択】 する3つのステップは実践的な提案だ。
各感情に対する原因を説明した以下引用も、その感情を抱いた状況を敷衍するのに役立ちそうだった。
不安……「わからないこと」に対して注意が向く
恐怖……「手に負えないもの」に注意が向く
悲しみ……「無いこと」に注意が向く
怒り……「大切なものがおびやかされること」に注意が向く
喜び……「獲得したこと」に注意が向く
安らぎ……「満たされていること」に注意が向く
※参考:鈴木伸一(2016)不安症をどのように凌ぐか 不安の医学 第 23 回都民講演
Posted by ブクログ
漫然としているが、そこが感情の波とリンクするようで考えを刺激される。
p224 「自分の役割」から生まれる「安心」については、「自由と引き換え」〜
そうなのだが、自分が現在、新しいキャリアとコミュニティを求めて動いているのは、今後子供が巣立って「役割」が減ることがわかっているから。
ここは自尊心の大きさが関わってくるのかもしれないが、人間が3〜4つのコミュニティに属している状態が一番安定するというのが本当なら、「役割」と安心は社会的動物として切っては切れないということ。
Posted by ブクログ
「では」「とは」の話が興味深かった。感情を手放すこと、許すこと。はっとさせられるものがあった。
自分の感情について、よく観察する時間が増えたように思う。
Posted by ブクログ
感情は事象に遅れてやって来る。怒りは期待の裏切りと捉えて、それを逆手にとり、自分にできることとして相手に「期待しているよ」と伝えると、人間関係が好転する。感情の認知、受容、選択の3ステップは、問題の把握、検討、判断の3ステップに似ている。
Posted by ブクログ
いつもそこにあるのに、見ることも聞くことも嗅ぐことも味わうことも触ることもできないもの。うまく理解できなくてどういうものか言い表せないもの。自分が自分でいるために大切で、まさしくそれがあること自体が自分を表しているもの。それなのにあまりそれについて考えたり誰かと話し合ったりしないもの。結局なんとなくなあなあに扱ってしまい、そのままにしてあるもの。
感情。
こんなに身近なのにこんなに遠い。
そんな感情に迫る本です。
怒り、不安、悲しみなど一つの感情にフォーカスしてその理解を深めたりマネジメントする方法を書いた本はたくさんありますが、本書のように感情全体について書かれた本はあまりなかったように思います。
宗教、哲学、心理学などの難しい言葉を使った本では、なんとなく深いことがわかったようになるけど自分ごととして考えにくく、うまくバランスがとりにくくなるテーマでもありますが、本書は著者もまさに感情に悩んでいる一人の当事者の立場にいて、自分が学んでいったり考えたりしてきた足跡として難しい言葉を使用しないで語っているところが親近感がわきます。
なにも考えないで読んでても「ヘぇ〜」、「確かにねぇ」、「そういうこともあるなぁ」とか思いながらサクサク読みすすめられます。
が、そういう読み方はしないほうがいいでしょう。
ここに書いてあることは、鵜呑みにするのではなく、あくまで自分の感情とよりよく向き合うための手段としての文章として読む必要があります。
感情の分類的な図表がでてきます。非常に整理されていて、なんとなくそれをみれば自分の感情もそこに綺麗に収まりそうに思いますが、自分の感情をそんなに綺麗にコンパクトに整理して終わらせないで下さい。
ゆっくり読んで、ときおり本を閉じて、ぼ〜としてください。
5分前の感情や昨日の夜の感情、昔の恋を思い出してみてください。
その時の感情に手触りや匂いや味を当てはめてみてください。
感情を擬人化して何人かでフリートークさせてみたり、みんなを連れて遊園地に行ったり一つのプロジェクトをやらせてみたりして、みんなのやりとりを物陰からこっそりみていてください。
きっと感情についての理解が深まると思います。
感情にいい感じで脳をジャックさせてあげるのが大事、感情がそもそも脳の主である、とか思っちゃうかもしれないね。