あらすじ
誰もが振り回される「感情」とは、そもそも何なのか? 佐渡島庸平(編集者)×石川善樹(研究者)×羽賀翔一(マンガ家)が、三者三様の視点から感情の本質を探る! 無自覚の感情に気づくと、世界の見え方が変わっていく。
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Posted by ブクログ
この本の面白さを語るには、著者の言葉をそのまま引用するのが良いと思います。
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佐渡島氏は言います。
『あらゆる感情は、自分の行動や意思決定に影響している』
『思考と感情は密接な関係にあるので、日常生活において何かしらの思考活動をしている以上、感情も存在しているはず。それなのに私たちは、ほんの5分前の感情さえ、覚えていない(思いだせない)ことが多々あります』
『そもそも自分の感情をちゃんと認識できているのか?』
『感情には無自覚なものもあり、どんな感情ゆえに行動しているのか、自分では気づいていないことがある』
『怒りや焦り、恐れ、嫌悪、嫉妬など、社会的に「表に出さない方が良い」とされている感情は、たとえ抱いたとしても、ないものとして振る舞っていることがある』
『社会はこれほどまでに感情であふれているのに、僕らは感情そのものに鈍感である。』
『感情の一つひとつを認知し、解像度をどれだけ高められるか』
『物事を精緻に伝えるには多くの語彙が必要となるように、感情をメタ認知するには、感情の種類や本質を知っていることが求められます。』
もう一人の著者、石川善樹氏は言います
『もし「ヤバい」という概念しかないのであれば、湧き上がるいかなる感情も「ヤバい」としか知覚されないでしょう。それは極端にしても、「喜怒哀楽」の4つしかなければ、世の中にある感情は4種類しか知覚されない可能性もあります。』
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本書は学術書やビジネス本ではないので、何かしらの答えや指針が示されているわけではないのですが、普段から感情について深く考えることによって、これまで見えてなかったものが見えてくる可能性があるかも?と期待させてくれる内容でした。
恥ずかしながら、ちょっと小難しい映画なんかで、「そんな悲惨なことばっか起こったのになんでスッキリした顔してんの?」とか「なんで夜明けの平原見ただけで気が変わったの?」とか、主人公の気持ちがわからないことが良くあります。それがラストシーンなんかだったりすると、映画全体を否定したくなってしまいます。この本の影響で少しは理解できたり、主人公の心理の解像度が上がってると嬉しいなぁ。
Posted by ブクログ
「感情」の見方が変わる本。以下、感想など。
たくさんの種類の感情を味わえれば、人生は豊かになるのかもしれない。感情には「喜び」「悲しみ」「怒り」などなど様々な感情があるが、私たちは日々それらを正確に認知できていない。例えば、今感じている感情は「悲しみ」なのか「怒り」なのか。「怒り」であればそれは単純な「怒り」なのか、それとも「期待が含まれた怒り」なのか。このように、感情の認知及び、解像度が高まれば、自分の行動や選択の幅が広まるかもしれない。しかし、例えば「最悪」といった解像度の低い感情のみで処理してしまうと、その後の行動に歪みが生じてしまう。
また、「あなたの感情は、あなただけのもの」であり、「相手によって引き起こされたもの」では決してない。相手はきっかけに過ぎず、感情は自分だけのものである。