小林エリカのレビュー一覧

  • 女の子たち風船爆弾をつくる

    Posted by ブクログ

    銃後の女性の視点からの作品を読みたくて。大戦末期、和紙と蒟蒻糊で出来た風船爆弾の製造に携わった少女達の戦前から戦後までを追う。何人もの少女達の夢と青春を犠牲にしながら、なんて馬鹿なものを造ったんだ、とやるせない思いに駆られたし、それでもピクニックに出掛けていた妊婦と子供達が犠牲になったと知り、更に居た堪れない気持ちに。あの戦争全体を象徴するかのようだ。

    「わたし」には、名前があり、通う学校があり、先生や友もいるが、「わたしたち」には掲げる理想と与えられた使命しかない。名前の消えた「取るに足らない」女性達の日常が徐々に侵され、知らず知らずの内に被害者となり、加害者となっていく様が独特な語り口と

    0
    2025年03月12日
  • 女の子たち風船爆弾をつくる

    Posted by ブクログ

    年末の諸々ランキング企画から。大戦に至るまでの時代背景を、市井の女学生視点で描く本作。宝塚歌劇を目指したはずが、知らぬ間に爆弾づくりを手伝わせられていたという、色んな方面に強いる戦争の暴力が淡々とつづられる。戦争反対。

    0
    2025年02月03日
  • 最後の挨拶 His Last Bow

    Posted by ブクログ

    「シャーロック・ホームズの翻訳者だった父が倒れ、四姉妹の末っ子リブロは家族の歴史をたどりなおす。時空を超えて紡がれる、風変りでいとしいファミリー・ストーリー。」(講談社紹介文より)

    タイトルはもちろん、ホームズ作品からの引用。また家族の会話の中にもホームズネタが織り込まれている。

    犬の名前、夕食の豪華さには「今に、青いガーネット入りのガチョウ肉だって出てくるかも。」
    いちいち、エピソードがマニアックだ。

    家族の一代記であり、また、介護小説の側面もある。

    文章はわりと軽めで、読みやすい。

    両親が出会ったきっかけが、2人ともエスペラント語に興味があったから、というのも面白い。

    0
    2021年12月04日
  • 最後の挨拶 His Last Bow

    Posted by ブクログ

    娘が父の生涯を語るお話。今と父の過去と行きつ戻りつ、淡々と語られる。一種の伝記なのでしょうか。家族の歴史というにはちょっとうすいかなと…。

    0
    2021年10月22日
  • マダム・キュリーと朝食を

    Posted by ブクログ

    雑誌ブルータスの読書入門で、小林エリカさんの記事「人の日記を読み比べる」を読んで手に取った本。とても難解な小説。核やエネルギーに関する歴史的な話が多く出てくるけどそれはメインではない。遺伝子と放射線、時間と空間、それらが記憶と絡み合う。全然伝わらないと思いますがそんな物語。読後はぐったりでした。解説が西加奈子さんでしたがちょっとこれはビミョーかな。

    0
    2021年05月24日
  • マダム・キュリーと朝食を

    Posted by ブクログ

    近代以降の米国科学技術史の断片を完全に混ぜこぜにして、作者の感性でちりばめながら再構成されて。時には2011年に飛んで時空も混ぜながら、猫と私の間を行き来して進んでいくが、教訓的でもなく、押し付けるでもないが、心に圧は感じる。そんな作品で、どちらかというと余韻を楽しむ作品ではないかと感じました。忘れられない夢にも似た作品という感じもしました。

    0
    2021年02月13日
  • 走る?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スポーツ雑誌 NUMBER Doに連載されたランを題材にした短編小説を集めたアンソロジー。

    ランナーではなく、ランを題材にしているってのがポイント。王道に走る楽しみを描いた小説だけではなく、走ることがイヤになる小説、走らされる小説等各種色が揃っている。出来もマチマチで、トータルで評価すると凡作ってことになってしまうなぁ。アンソロジーはそこが難しい。

    好きな作品は
    「パン買ってこい」中田永一
    「ホープ・ソング」王城夕紀
    「桜の並木の満開の下」遠藤徹

    どれも結局はちゃんとランに目覚める人の話だった。
    読み手によって好みは絶対分かれるだろうなぁ。

    0
    2020年03月06日
  • 走る?

    Posted by ブクログ

    走るがテーマですと言われて作家は書くのだろうか?
    走らないこと、走ると飛ぶを比べる人、追いかける人、
    いろいろ読めて面白かった。

    俳優の岩松了のが、なんか後味ぞくっとする。

    「熊の夜戦」
    「いびきが月に届くまで」
    「パン、買ってこい」
    もよかった。

    0
    2019年12月26日
  • 彼女は鏡の中を覗きこむ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1人の女性の人生と終わらない原子力の歴史。

    母が身につけていた指輪と、4姉妹との温泉旅行と、祖母の形見の指輪をつけたことで見る夢。

    シーという薬の飲むことで一時的に視界が塞がり、海へドライブデートする謎の行為で母は死に、娘もまた同じことを繰り返していること。

    世界から木や紙の本がなくなった世界。

    不思議な世界。どこにも行けなそうな、現実なのか幻想なのか、迷い込んでしまった世界。

    0
    2019年12月15日
  • マダム・キュリーと朝食を

    Posted by ブクログ

    光すなわちラジウム、放射能。その光を追い続ける不思議な猫と、震災の年に生まれた少女が主人公。猫は時代も場所も飛び越えて自分の祖母や母の姿を目にします。不思議なストーリー。

    0
    2018年08月31日
  • 走る?

    Posted by ブクログ

    未読の作家のたくさんつまったオムニバス。それぞれの作家の傾向と実力の片鱗がうかかわれて楽しい読書だった。
    走るということは苦しいけど楽しい。そんなテーマに集まった作家たちの目の付け所がみどころか。

    0
    2017年09月15日
  • 走る?

    Posted by ブクログ

    Number Doに連載されていた
    「走る」をテーマにしたアンソロジー

    ある意味読書の対極にあるものが題材ということで、
    なかなかおもしろい切り口だなと思い。

    14本の短編のうち、良かったのベスト3は
    「パン、買ってこい」 中田永一
    「ベランダと道路」 柴崎友香
    「リスタート」 恒川光太郎
    ですね。結局はどれも気持ちよく走ってる感じだったから!

    0
    2017年08月20日
  • 走る?

    Posted by ブクログ

    「走る」をテーマに14人の作家が競作。
    日々のランニングのモチベーションが上がるような疾走感あふれる作品が収録してあるのかと思いつつ手に取りましたが、そこは実力派の先生方。凡人の思い通りにはいきません。思わず膝を打ち、唸ってしまうような「走る」小説が並び、裏切られました(喜)

    14本どれもが個性的で、未知の作家さんとの出会いも。もちろん、苦手な話もありましたが、それも出会いです。
    お気に入りは「パン、買ってこい」(中田永一)、「桜の並木の満開の下」(遠藤徹)、「誰にだって言いぶんはある」(桜井鈴茂)


    人生の半分は現実ではないと彼は思う。
    なぜならば精神が摂取するものの半分以上が、現実では

    0
    2017年08月16日
  • 彼女は鏡の中を覗きこむ

    Posted by ブクログ

    ひと息で読んでしまった。生のはかなさ、人間の欲の深さが伝わる。母と娘の命のつながり、引き継いでいくのは血だけではないように感じる。

    0
    2017年05月29日