小林エリカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初は少し文章が読みづらく、話の内容もすぐには頭に入ってきませんでした
ただ、読み進めるうちに、戦時中の女の子たちの現実が少しずつ見えてきました
宝塚に憧れていた女の子が、夢を追いかけることもできず、毎日風船爆弾を作る作業をさせられていたり、憧れの制服を着たくて勉強を頑張ったのに、結局その制服すら着られなかったりと、戦争によって多くの夢や希望を奪われてしまった女の子たちの姿が印象に残りました
当時は、自分のやりたいことや将来の夢よりも、国のために何かをすることが優先され、子どもであっても自由に生きることができなかったのだと思うと、とてもつらく、可哀想に感じました
一人ひとりの人生や想いが -
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Posted by ブクログ
銃後の女性の視点からの作品を読みたくて。大戦末期、和紙と蒟蒻糊で出来た風船爆弾の製造に携わった少女達の戦前から戦後までを追う。何人もの少女達の夢と青春を犠牲にしながら、なんて馬鹿なものを造ったんだ、とやるせない思いに駆られたし、それでもピクニックに出掛けていた妊婦と子供達が犠牲になったと知り、更に居た堪れない気持ちに。あの戦争全体を象徴するかのようだ。
「わたし」には、名前があり、通う学校があり、先生や友もいるが、「わたしたち」には掲げる理想と与えられた使命しかない。名前の消えた「取るに足らない」女性達の日常が徐々に侵され、知らず知らずの内に被害者となり、加害者となっていく様が独特な語り口と -
Posted by ブクログ
「シャーロック・ホームズの翻訳者だった父が倒れ、四姉妹の末っ子リブロは家族の歴史をたどりなおす。時空を超えて紡がれる、風変りでいとしいファミリー・ストーリー。」(講談社紹介文より)
タイトルはもちろん、ホームズ作品からの引用。また家族の会話の中にもホームズネタが織り込まれている。
犬の名前、夕食の豪華さには「今に、青いガーネット入りのガチョウ肉だって出てくるかも。」
いちいち、エピソードがマニアックだ。
家族の一代記であり、また、介護小説の側面もある。
文章はわりと軽めで、読みやすい。
両親が出会ったきっかけが、2人ともエスペラント語に興味があったから、というのも面白い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスポーツ雑誌 NUMBER Doに連載されたランを題材にした短編小説を集めたアンソロジー。
ランナーではなく、ランを題材にしているってのがポイント。王道に走る楽しみを描いた小説だけではなく、走ることがイヤになる小説、走らされる小説等各種色が揃っている。出来もマチマチで、トータルで評価すると凡作ってことになってしまうなぁ。アンソロジーはそこが難しい。
好きな作品は
「パン買ってこい」中田永一
「ホープ・ソング」王城夕紀
「桜の並木の満開の下」遠藤徹
どれも結局はちゃんとランに目覚める人の話だった。
読み手によって好みは絶対分かれるだろうなぁ。 -
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Posted by ブクログ
「走る」をテーマに14人の作家が競作。
日々のランニングのモチベーションが上がるような疾走感あふれる作品が収録してあるのかと思いつつ手に取りましたが、そこは実力派の先生方。凡人の思い通りにはいきません。思わず膝を打ち、唸ってしまうような「走る」小説が並び、裏切られました(喜)
14本どれもが個性的で、未知の作家さんとの出会いも。もちろん、苦手な話もありましたが、それも出会いです。
お気に入りは「パン、買ってこい」(中田永一)、「桜の並木の満開の下」(遠藤徹)、「誰にだって言いぶんはある」(桜井鈴茂)
人生の半分は現実ではないと彼は思う。
なぜならば精神が摂取するものの半分以上が、現実では