羅川真里茂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「罪」をテーマにした短編3編が収録された作品集。
特に「冬霞」という作品が素晴らしく、雑誌で発表された際には涙してしまったほど。
しかし、この短編をまとめたタイトルとして「朝がまたくるから」。思わず膝を打っちゃったよ。
ネグレクトされた子供の逃避行、現実。
最後の両親の裁判のシーンも心打たれました。
ネグレクトされる側の気持ちがこんなに繊細に描かれた作品はないのではないでしょうか。
非情な現実の中でも羅川真里茂の物語は、どこか温かい気持ちに必ずなれます。
また、「半夏生」も素晴らしい。こちらもラストでは泣いてしまいましたが・・・
こちらはセリフ回し的なところよりも(もちろんそれも素晴らし -
Posted by ブクログ
このコミックス全部でP.282しかないのが何回読んでも信じられません。3つの短編が入っているのですが、読んだあとはまるで3つ立て続けに映画を観たような重量感。
今までも羅川先生のファンでしたが、この本を読んだときに本物だなあと思いました。少女漫画家ってすごいね。モノローグ裏の背景で心情表現しちゃうんだよ。
優しい台詞回しと抉る様なモノローグがほぼ同量で話が展開していくというのはある意味すごく漫画らしくないし、文字数多過で読み疲れしそうなもんなのに、そのストレスをコマ割ですんなり解消していて、さらに核心を突くのは実は会話でもモノローグでもなく登場人物たちのふとした目線やしぐさだなんてあまりに -
Posted by ブクログ
犯した罪に押しつぶされそうな人
被る罰にくじけそうな人
そしてその人を助けたいと願う人
そんな人に読んでほしい。
「罪と罰」をテーマにした短編集。
罪の重さも内容も様々だけど、
共通しているのは罰を受けることと
手を差し伸べてくれる人の存在。
それは第三者であるかもしれないし、
共犯者や被害者であるかもしれない。
そして許すだけではなくて、
抱き締めたりそばに居たり忘れないとか
支えるにはたくさんの方法がある。
この本に支えられることもあると思う。
罪は決して消えないし
罰からは逃れられないけど
それでも生に執着したい幸せでいたい
そう思うのは罪じゃないはず。
優しさと温かさに満ちた
大 -
Posted by ブクログ
ファンタジーってことであまり期待しないで読み始めた。
・・・ごめん、オレ間違ってた。
1話目から涙腺がゆるみっぱなし。
チムア達の心のなんて綺麗で健気で愛おしいことだろう。
それに比べて多くの人間たちのなんて醜い心。
勿論それには自分も含まれる。
もしチムア達の姿があんなに可愛くなかったら?
もっと忌むべき姿をしていたとしたら。
きっと私も。
読んだ後に心が温かくなると同時に色々考えさせられるお話でした。
真面目モード終わりw
深いことを考えなくてもチムア達の可愛さを堪能するだけでも読む価値あり。
チムアポートが思いをこめて「チム」「チム」「チム」と願石珠に祈ってる姿はいじらしくていじらしく