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闇の中で、ただ震えることしかできなかった幼い双子・リキとチカ。二人を外に連れ出したのは、ある日家に入ってきた知らない「おにいさん」だった…。罪をテーマに描いた感動のシリーズ3編を収録!
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Posted by ブクログ
本棚整理で再読。 殺人者、未成年淫行、虐待。罪をテーマにした、秋と夏と冬の3中篇。 うかつには手に取れない、重い物語。 それぞれのキャラクターたちに朝が来るお話、と思うけど、一話目の「葦の穂綿」は朝が来るというより「混濁の闇がいつか朝日に溶け出すように」と祈るお話。 それぞれ、大人が子供を守っ...続きを読むたり守れなかったりしている、という視点を持たされている。 いい話だとか感動するとか、そういう簡単で安っぽい言葉では語りたくない。 >どうか 彼の歩む道が >ただ穏やかに >穏やかに >穏やかであればいいな…と そう願っています
羅川真里茂さんのお話はどれも読後感がさわやかで好き。派手な大どんでん返しはありませんが、丁寧な話の流れと少しの驚きが気持ちをリフレッシュさせてくれる一冊でした。このひとの描く子供は相変わらず可愛い!
葦のお話と双子のお話は雑誌で読んでいたが、どうしても再度読みたくなってコミックス購入。カメラマンの女の人のお話は読んでいなかったが、すごく好きだった。 でもやっぱり一番心に刺さったのは双子のお話。最後の方の恭一の語りが痛い。台詞だけでなく、コマ割や絵でもぐさぐさ刺された。羅川さん、さすがとしか言いよ...続きを読むうがない。 もう何度も読み返してます。ずっと読み返すと思う。
「俺が、割り切れない」 「喜びや、怒り、憂い、悲しみ、見る人が想像出来る作品を撮りたい」 「俺の手は悪魔か? 天使か? どっちだろうな?」
三編収録、珠玉の作品集。どれも薄暗く重いテーマを扱っているが、結末には光が射している。羅川は「救済」を描く作家だ。しかし赦しを描くためには、罪もまた描かれる。好きになった相手の過去の"罪"に直面する女性、未成年の少年の倒錯趣味を助長し、相手の年齢を知りながら共犯者となった女性の&...続きを読むquot;罪"とその幕引き、そして犯罪者である男が民家に押し入り子供たちを連れ去った"罪"…最後の作品が一番消化に苦労し、胸につまった。(冒頭の一編は、イギリス映画「BOY A」でも同題材が扱われているので、おすすめはしない映画だけど見てほしい)
羅川さんの短編集。3本どれも、重いテーマ。 「チムア・ポート」はファンタジーだからか、同じサイズでも、話が唐突どなぁ、という印象があったけれど、 こちらの短編集だと、現実の話なのでついてゆきやすい感じがしました。 短編サイズでの話の観せ方が、上手くなったよな〜。羅川さん。 3本目の双子の話がツボで...続きを読むした。
感嘆。 羅川さんの作品を久しぶりに読んだけど、「これが羅川さんだ。流石。」という感想がでる本。 素晴らしい作品だ。
「罪」をテーマにした短編3編が収録された作品集。 特に「冬霞」という作品が素晴らしく、雑誌で発表された際には涙してしまったほど。 しかし、この短編をまとめたタイトルとして「朝がまたくるから」。思わず膝を打っちゃったよ。 ネグレクトされた子供の逃避行、現実。 最後の両親の裁判のシーンも心打たれまし...続きを読むた。 ネグレクトされる側の気持ちがこんなに繊細に描かれた作品はないのではないでしょうか。 非情な現実の中でも羅川真里茂の物語は、どこか温かい気持ちに必ずなれます。 また、「半夏生」も素晴らしい。こちらもラストでは泣いてしまいましたが・・・ こちらはセリフ回し的なところよりも(もちろんそれも素晴らしいのだけど)絵が本当に美しい。絵で魅せるマンガだった。 実際に、羅川真里茂はこんな絵もかけるのだと驚きました。 しかし、全体的に少女漫画という枠で捉えるには難しすぎる。 もっと沢山の人に読んでもらいたい作品集であることはまちがいないです。
最後の話に出てくる、北のおっさん医者が実にいい男。 どの話も皆、好きだ。 罪、がテーマであったのだけど、どうしようもないやるせなさははじめのものが一番出ていると思った。全編を通して流れる空気が好きだ。
この人は少女漫画という枠に囚われていていい人じゃない。 必ずといっていいほど恋愛を絡めなきゃいけない、そんなガチガチの固定観念に囚われた分野にいてはいけない人だと思います。 その結果が少年誌への移動、と見ればまたそれは複雑で。 少年誌も自由とは言えなそうですからね。 ただ、この作品を見てもわかるよ...続きを読むうに、ある程度自由に書かせてもらってるというのは、やはり実力の証明だといえますね。 辛い境遇、ハッピーとは言い切れない切ない終わり方、行動で、仕草で語られる登場人物たちの心情。 どれも間違いなく読んで損がないと言い切れる作品です。
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羅川真里茂
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