北康利のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
評伝として抜群に面白い。稀代の経営者の物語
*感想
稲盛イズムに同意するかは人によるが、間違いなく多くの学びのある本である。稲盛氏の生涯を追うことで、経営、ビジネスの原則、一種の法則を見出せるからだ。
〇読んで面白いと思った点
*経営には原則がある
稲盛氏は業界が全く異なる大企業の経営を行い、どれも飛躍的な成長に導いた。ファインセラミックスを主軸とした「京セラ」、通信業の「第二電電(後のKDDI)」、航空業の「JAL」である。これらから分かるのは、「経営は一つの専門職であり、原則がある」ということだ。業界の知識よりも「顧客目線でビジネスをする」「無駄を減らして利益を追求する」というのは -
Posted by ブクログ
その生い立ちから若手社員時代、京セラ創業、DDI創業、そしてJAL再生に至るまで、「新・経営の神様」稲盛和夫氏の半生を記した一冊。
「アメーバ経営」として有名な、小規模チームを事業単位としてリアルタイムでの数値の見える化により独立採算を促す徹底的に合理的な経営管理手法、その一方でJAL再生においても揺らぐことのなかった「全従業員の物心両面の幸福の追求」という情理の心、これらの根底にある「フィロソフィ」や「利他の精神」、そして「動機善なりや、私心なかりしか」と自らを律する克己心、人として正しいならばどこまでも追求する並外れた探究心、あらゆる権威を否定する反骨心があり、これらに呼応するかのように -
Posted by ブクログ
ギリシャ神話でのパンドラの箱に残っていたのは希望だと。
吉田茂、白洲次郎が戦後荒廃した国土を見て、それでも残ったのは日本人である、と。
職人の歴史。そのルーツを辿ると神話にまで遡る。石凝姥命は天照大御神を召喚する為に天香具山から採取された胴を用いて八咫鏡を作った。更に飛鳥時代、石凝姥命を遠祖として鏡作連という職人集団が形成され、彼らが鍛治をつかさどった。
本書一冊を通して、職人の歴史から、建築、紙、日本酒、刀、人形、陶磁器、車などなど各分野の現在、伝統工芸技術、後継者不足、精神性、そこから学び得るもの、行政のあり方、果ては国力と、実に壮大なるが、貫かれる主旨は職人に対する敬意である。
-
Posted by ブクログ
サントリー2代目社長の佐治敬三氏と開高健氏の二人の生い立ちを追うノンフィクションの下巻。開高氏がサントリーに入社して宣伝部に配属され、数々の名キャッチコピーを発信し、それに呼応するようにウイスキー事業を拡大する佐治氏の活躍が描かれています。本書中に紹介されている佐治氏の次の言葉「オーナー経営者が最も自由な判断をしていると思う。親の七光りはプラス要因。それを生かせる男が世襲するなら悪いことではない。世襲でなければならないといった社会は困りますがね」は、オーナー経営者の父を持つ私としても肝に銘じたい一節でした。
上下巻を読み通してサントリーが文化事業に熱心である理由がよく分かる気がします。 -
Posted by ブクログ
サントリーと言えば、商品の印象的なコマーシャルが数多くあって「宣伝が上手い」というイメージがあるのではないでしょうか。広告上手のサントリーを築いたのが2代目社長であった佐治敬三氏と、当時の宣伝部に属していた開高健氏の2人です。
佐治氏が開高氏の才能を存分に発揮させ、非上場企業でありながら日本の食品産業で巨大な存在となるまでの経緯を2人の生い立ちを追いながら描いています。
初代社長で佐治敬三氏の父鳥井信治郎氏の時代に挑んだワイン事業やウイスキー事業への参入などサントリー創業直後の状況から戦後まもなくまでが上巻で扱われています。
佐治氏と鳥井信治郎氏との親子関係など興味深いエピソードもたくさん紹介