北康利のレビュー一覧
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日本初の林学博士であり、日比谷公園をはじめ多くの公園を手掛け、明治神宮の杜の設計者である本田静六さん。勤勉と節約、先見の明により、莫大な財産を築いた。林学の泰斗として森林保護や適正な活用を行なったのはもちろん、新年と行動力で多くの偉人と交流を持ち、また多くの逸材を育てた。木だけでなく、人も育てた。こんな偉人がまだまだいるんだなあ。恥ずかしながら知りませんでした。「見返りを求めて人脈を広げようとする人間に幸運の女神は微笑まないが、巧まずして育んだ人間関係は人背にとって最良の投資となる」「「天才−努力」には「凡才+努力」の方が必ず勝てる。」「人生の最大幸福は職業の道楽化にある。富も名誉も美衣美食も
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北康利さんはノンフィクションの名手である。
比較的中立的な立場で著述するため非常にわかりやすい。
本多静六は自分にとって、日比谷公園を設計した日本公園の父とも言える方とは
存じていたが、それ以外は知らなかった。
知らないことで無色透明な本多静六像がわかるのではと思ったが、この著作は成功しているのではと思う。
今ある金儲け本の源流はここに行き着くのではという印象である。
蓄財、投資よりも「正しい金の使い方」を実践しているのが本来伝えたいところであろう。
金を貯めた後に何をしたいというアウトプットがしっかりしているのは、最近の投資本でも欠けることが多い点で参考になる。
本編でも大隈、渋沢、後 -
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「道をひらく」を読んで感銘を受けたので、松下幸之助がどのような人だったかを知りたくなり読んだ。
(松下幸之助さん自身が書いた自叙伝的なものは無いようだったが伝記のこちらはあった)
読んでいくととにかく面白い。
政治の塾とか人間とはどう生きるべきか、など経営者としてというより哲学者のようなイメージが強かったが、幼いときから苦労を重ねたバリバリの経営者だったのだなとわかる。
同時代の成功者として名を並べる本田宗一郎氏は根っからの技術者だったので、二人は全然タイプが違う事も理解した。
松下氏がどのようにしてPHPを立ち上げて哲学者のようになっていったのかが興味深かった。
▼自分の今の悩んでいる -
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思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫著
1.本書
就職、京セラ、KDDIそしてJAL再生。
稲盛さんの全ての足跡が残されています。
ここで見えてくるのは、スキルではありません。
稲盛さんの考え方、生き方です。
2.玩具タイトーの売却
買い手スクエアエニックス当時の和田社長の回想があります。
「京セラとの交渉は金額ではなかった。
タイトーをどう成長させるのか?」
3.JAL最終日
「謙虚にして驕らず。さらに努力を。」
本書の、いえ稲盛さんの全てが凝縮されている言霊です。そのため抜粋しました。
4.最後に
500ページのボリュームです。
全く飽きない、いえ、益々引き込まれていきます。
【 -
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京セラ創業者の稲盛和夫の評伝。評伝の中でも、もっともよくまとまっているのではないかと思う。KDDI合併の話やJAL再生の話もその内幕にも触れられている。
まずは、生まれから鹿児島時代、家族の関係や受験の失敗、そして就職しての上京(京都)、松風工業時代のセラミックスとの出会い、京セラ創業と結婚、組合との向き合い、世界進出、第二電電創業、JAL再生までが年代記として綴られる。その中には、創業時の血判状の話、通信参入のきっかけとなった千本さんとの出会い、有名な孫正義とのアダプタのエピソードにも触れられる。こうした歴史が、稲盛さん本人だけではなく、多くの関係者への取材を通して書き上げられたものである -
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あらゆる点で、ノンフィクション・評伝のお手本のような本
500ページ超のボリュームであるが、エピソードの密度が濃く、テンポがよい。
前半生は受験の失敗や就職の失敗など赤裸々に描かれている。
後半生の快進撃はむしろ前半生に表れている。
「信義を重んじ、礼節正しく、仁信を旨とする。」
三つの戒め 負けるな、嘘をつくな、いじめをするな
薩摩の教育が人生を形作っている。
無理やりとも思える無機化学への学問変更、碍子メーカへの就職、
セラミックの出会い、人生の師の出会いが運を呼ぶ。
まさに「生命の実相」にある引き寄せの法則のように。
「動機善なりや。私心なかりしか」(南洲翁遺訓)
第二電電の -
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ネタバレ北さんの書く男性は、不思議と可愛らしさがあります。
可笑しさや情けなさも見えることで親近感があるし、心底応援したくなってしまいます。
そして皆さんとにかく格好良い!
黒部ダムが観光地として有名な事は知っていましたが、こんなにもたくさんの方が苦しみながら、命がけで作り上げた物だとは知りませんでした。
その先頭で指揮を取り続けた太田垣さんの姿を追いながら読んでいったこの本、ラストは涙を流しながら読んでました。
危険な現場に自ら入っていく太田垣さんの姿。
自分が人々に危険な仕事をさせているのだからという言葉に、
こういう男の背中ならみんな着いていくのが解るんだよなぁと
古き良き男の姿を見た気持ち -
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ホレる!!
学生時代をイギリスのケンブリッジで学び、プリンシプル(原則)、ノブレス・オブリージュ(高貴さは(義務を)強制する)を尊んだ。
戦後、吉田茂の側近としてGHQと対等に渡り合い、経済的な復興にも大きな影響力を発揮した。情勢を読むカンの鋭さ、頭でっかちではなく、実行力も伴う。
「あいつはいざというとき役に立つ男だ」吉田茂にそう言わしめた男。
時代、時代の変革期には、こういう人物が出てきて何とかしちゃうのかもしれない。
坂本龍馬・勝海舟…。
現代にもこんな人が出てこなものだろうか。
家族の中では子煩悩のお茶目な人でもあったよう。
ますますホレる!! -
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白州次郎の評伝本。
恥ずかしながら、私は、NHKのドラマスペシャルをたまたま観るまで、「白州次郎」も「白州正子」もまったく知らなかった。そこで初めて、白州次郎という人物を知り、興味を持ったというか惹かれた。で、本書を読んでみた。
テレビドラマは一部しか観なかったのだが、ドラマ以上にドラマティックな人生に圧倒された。かっこ良過ぎ。GHQを相手にした交渉は、無理難題を押し付けてくる顧客を相手にしているビジネスマンに相通ずるところがあり、スカッとさせてくれる。戦後の日本の復興を中心となって支えながら裏方に徹したというところが、その魅力をさらに際立たせている。白州次郎のかっこよさは、枚挙にいとまが -
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期待に十分応えてくれる北さんの著作。今回は関西電力の社長だった太田垣士郎氏。恥ずかしながら詳しく存じあげませんでしたが、これは知っておくべき経営者。小林一三の後継者として戦中戦後の阪急グループを率いただけでなく、とても複雑な事情が絡み合い魑魅魍魎が跋扈するような戦後の電力事業に身を投じ、関西電力の立ち上げを成功させた力量や人柄には強く惹かれる。何と言ってもクライマックスは黒四ダムの建設だが、手に汗握り、涙無くしては読めない。豪胆と人情。まさに理想のボスという感じか。映画もぜひ見てみたい。この本のもう一つの楽しみ方として、北氏の他の著作に出てくる人物との絡みが興味深い。小林一三、白洲次郎、松下幸