あらすじ
わが国初の林学博士として、日比谷公園をはじめ日本中の公園の設計、
そして明治神宮の杜の造林に携わり、関東大震災後には東京復興計画の策定にも関わった。
一方、大投資家として巨億の財産を築きながら、後年、そのほとんどを寄付し、若き世代を育てる礎とした。
彼の名は、本多静六。
これほど大きな仕事を成し遂げたにも関わらず、現代の日本人にあまり知られていない。
『白洲次郎 占領を背負った男』で知られるノンフィクション作家・北康利氏が、
本多静六の功績と生涯をたどり、知られざる偉人の実像に迫る渾身の傑作評伝。
藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長・最高投資責任者(CIO))推薦!
「タイムマシーンがあるならば私は本多静六先生から直接教えを受けたかった」
東大教授にして蓄財の神様、
そして日本公園の父。
渋沢栄一のブレーンに学ぶ究極のSDGs!
人生に“永遠の森”を築け!
本多静六没後70年×実業之日本社創業125周年記念出版
タイムマシーンがあるならば私は本多静六先生から直接教えを受けたかった。しかしタイムマシーンはもういらない。 なぜなら、この本からいきいきと先生の投資・仕事のあり方や、どう生きるかを学ぶことができるから。先生は日本最高の造園家でもあった。明治神宮の杜や日比谷公園など、日本中の名公園を創造した人生がまるで映画のように目の前によみがえる。ひとりでも多くの人に手にとって読んでもらいたい。
――藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長・最高投資責任者(CIO))
〈目次〉
プロローグ 永遠の森
第一章 勉強嫌いのガキ大将
第二章 暗い井戸の底をのぞき込んだ日
第三章 飛躍のドイツ留学
第四章 緑の力で国を支える
第五章 日本の公園の父
第六章 人生即努力、努力即幸福
第七章 若者にエールを送り続けて
あとがき
本多静六関連家系図
本多静六関連年譜
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
資産形成をはじめとする金融教育が盛んだが、人生に投資する(何に時間とお金を使うかという)ことが最も大切であることを本書で確認したい。
誰もが静六のように生きられるわけではないが規範とすべき生き方がここにあり、後世まで語り継いでいくべきものと感じる。
Posted by ブクログ
本多静六『若者よ、人生に投資せよ』は、一人の学者・投資家としての軌跡を通じて「人生をいかに活かすか」という根源的な問いを投げかける一冊です。倹約と努力に始まり、山林投資で経済的自立を果たし、最終的には自然環境や公共事業へと還元していく。その姿は、金銭的投資の枠を超えた「人生そのものへの投資」として読むことができます。
読後に残ったのは、単なる成功譚ではなく「人は何に時間と労力を注ぐべきか」という哲学的な問いでした。まさに人生を長期的なプロジェクトと捉える視点を与えてくれる本であり、若者だけでなく幅広い世代にとって示唆に富む内容だと感じます。
Posted by ブクログ
本多静六の生涯を詳しく綴った本。
仏教用語で喜捨という言葉があり、社会にお返しする、という考えを取り入れたい。
人生必ずしも意のごとく運ぶものとは限らない。そこで、運んでもよし、運ばないでもよしで、人は常に最善の用意をしておかなければならぬ。
豊かにならないとやりたいこともできない!
周囲を幸せにすることもできない。できるだけ早く始める、後悔はしても仕方がない。
本多静六の手帳は、
納養 自分の欠点や金言
残用 やり残した仕事
カレンダー 毎朝チェック
当用 TODOシート
日記
資料
家計
住所録
適宜、更新して1cmほどの小型にして持ち歩く。
食べたつもり貯金、買ったつもり貯金
Posted by ブクログ
明治神宮、日比谷公園を作った人。東大教授にして資産を500億円まで増やした人。日本人で初めてドイツミュンヘン大学で博士号。山林の研究だけでなく、林「業」として、資本的に独立・運営までを考えた。その知力・行動力はまさに起業家。起業を目指す人が読んだら、ワクワクしそうです。
Posted by ブクログ
日本初の林学博士であり、日比谷公園をはじめ多くの公園を手掛け、明治神宮の杜の設計者である本田静六さん。勤勉と節約、先見の明により、莫大な財産を築いた。林学の泰斗として森林保護や適正な活用を行なったのはもちろん、新年と行動力で多くの偉人と交流を持ち、また多くの逸材を育てた。木だけでなく、人も育てた。こんな偉人がまだまだいるんだなあ。恥ずかしながら知りませんでした。「見返りを求めて人脈を広げようとする人間に幸運の女神は微笑まないが、巧まずして育んだ人間関係は人背にとって最良の投資となる」「「天才−努力」には「凡才+努力」の方が必ず勝てる。」「人生の最大幸福は職業の道楽化にある。富も名誉も美衣美食も、職業道楽の愉快さには比すべくもない」「清らかで豊かになることを目指す清豊思想」。北康利さんの本は何を読んでも面白い。
Posted by ブクログ
北康利さんはノンフィクションの名手である。
比較的中立的な立場で著述するため非常にわかりやすい。
本多静六は自分にとって、日比谷公園を設計した日本公園の父とも言える方とは
存じていたが、それ以外は知らなかった。
知らないことで無色透明な本多静六像がわかるのではと思ったが、この著作は成功しているのではと思う。
今ある金儲け本の源流はここに行き着くのではという印象である。
蓄財、投資よりも「正しい金の使い方」を実践しているのが本来伝えたいところであろう。
金を貯めた後に何をしたいというアウトプットがしっかりしているのは、最近の投資本でも欠けることが多い点で参考になる。
本編でも大隈、渋沢、後藤、北里などとの群像劇、明治神宮の設計裏話など
気骨感のある本多を軸にしているので、本多のための多面的な部分も見れるため面白い。