北康利のレビュー一覧

  • 思い邪なし 京セラ創業者 稲森和夫
    評伝として抜群に面白い。稀代の経営者の物語

    *感想
     稲盛イズムに同意するかは人によるが、間違いなく多くの学びのある本である。稲盛氏の生涯を追うことで、経営、ビジネスの原則、一種の法則を見出せるからだ。

    〇読んで面白いと思った点
    *経営には原則がある
     稲盛氏は業界が全く異なる大企業の経営を行い...続きを読む
  • 白洲次郎 占領を背負った男(下)
    白洲次郎の評伝の下巻。

    政財界を縦横無尽に駆け回り、国際舞台でも活躍した伝説の人物。
    一方で側近政治と揶揄された事も確か。
    物事は、見る場所によって見え方が違うもの。
    歴史的な出来事も、なるほど白洲次郎側からは、こんな風に見えていたのか…と考えさせられました。

    ダンディでかっこいい人だった事は確...続きを読む
  • 叛骨の宰相 岸信介
    元産経新聞の連載ということで少し偏っている感じはするが,
    岸信介が確固とした理念に基づき政治に向き合っていたことが
    十分に伝わってきた。
  • 銀行王 安田善次郎―陰徳を積む―
    渋沢栄一と親交が深かったのは意外。
    銀行、保険会社など金融の基盤を作り、日本橋の金融街を繁栄させた人物。

    また、財閥でありながらもお金を使う必要性やその後のリターンを即座に弾き出し、散財しなかったことや、色恋(妾など)などに手を出さず生涯奥さんを大切にした姿勢は評価できる点である。
    ただ、150年...続きを読む
  • 思い邪なし 京セラ創業者 稲森和夫
    その生い立ちから若手社員時代、京セラ創業、DDI創業、そしてJAL再生に至るまで、「新・経営の神様」稲盛和夫氏の半生を記した一冊。

    「アメーバ経営」として有名な、小規模チームを事業単位としてリアルタイムでの数値の見える化により独立採算を促す徹底的に合理的な経営管理手法、その一方でJAL再生において...続きを読む
  • 命もいらず名もいらず西郷隆盛
    38

    西郷隆盛について、ざっとわかる1冊。

    西南戦争は、
    「第2の維新を夢見た」というのはなんか違うとおもう。
    それこそ大河で描かれたように、
    「武士というものを引き連れて、終わらせた」
    とみるほうがしっくりくる。

    敬天愛人!
  • 小林一三 時代の十歩先が見えた男
    小林一三の浮き沈みの激しい波乱の人生を追体験できる良質なテキストです。私には政治方面の話が少し難しかったですが、宝塚歌劇団、東宝を立ち上げたのはもちろんのこと、コマ劇場を発案したのも彼だったと知り、驚きました。
  • 命もいらず名もいらず西郷隆盛
    NHK大河ドラマで放送しているので、人物を知りたくて読んだ。義を重んずるが、変化を求めた人物だと思う。大久保利光との仲たがいは、運命なのだろう。人が寄り添う人とはこういう人の事を言うのだろう。鹿児島で今も人気が高いことが理解できる。西南戦争での敗戦は、無念だったろうが観念も早かった。
  • 胆斗の人 太田垣士郎 黒四(クロヨン)で龍になった男
     関西電力初代社長で黒部第四発電所の建設を決断した太田垣士郎氏の電気です。個人的にはくろよん建設の頃のエピソードは知っていることが多かったのですが,生誕の頃や幼少の頃,関西電力社長就任前のことなどははじめて知ることも多く,考える内容が多くありました。戦後復興の礎を築かれた偉大な方ということは間違いな...続きを読む
  • 白洲次郎 占領を背負った男(上)
    戦後の日本を支えた人物、白洲次郎。
    戦後の日本を彼の生まれと軌跡を絡めて、物語のように見れる。

    特に、GHQとの闘争には文面からだけでも凄まじ闘気と、無念の想いを感じる。
    日本の先人達が、後世の私達にとっても、出来るだけ良い形で、日本有史以来初めての敗戦国となり、他国の占領下となる日本を、残そうと...続きを読む
  • 命もいらず名もいらず西郷隆盛
    当時の薩摩の考え方や、西郷隆盛がどのようなあり方で生きたかが記された一冊。

    薩摩藩士の厳しい生き様、その中で磨かれた維新の志士たち、西郷隆盛の考えが「私」から「公」に変化していくその過程に、本を通してふれることができたように感じました。

    ゆっくり時間をとれるタイミングで読めてよかったです。
  • 命もいらず名もいらず西郷隆盛
    西郷という人はなんとも不思議で魅力あるひとだ。彼の赦す力は尋常ではない。「恨みは引き受けもんそ」彼がいたからこそ暴動が起きなかった。最後の兵をあげたことは西郷の本心ではなく私学校の奴らにかつぎあげられてしまったんだね。残念だ。子供のころからの付き合いがあった大久保と話しあって力を合わせて新政府を作っ...続きを読む
  • 佐治敬三と開高健 最強のふたり〈上〉
    この上巻では二代目社長とヒラ社員が作り上げたサントリーの歴史と伝統まではたどり着かない。が、創業者鳥井信治郎の生き様は感動する。
  • 匠の国 日本


    ギリシャ神話でのパンドラの箱に残っていたのは希望だと。
    吉田茂、白洲次郎が戦後荒廃した国土を見て、それでも残ったのは日本人である、と。

    職人の歴史。そのルーツを辿ると神話にまで遡る。石凝姥命は天照大御神を召喚する為に天香具山から採取された胴を用いて八咫鏡を作った。更に飛鳥時代、石凝姥命を遠祖と...続きを読む
  • 佐治敬三と開高健 最強のふたり〈下〉
    サントリー2代目社長の佐治敬三氏と開高健氏の二人の生い立ちを追うノンフィクションの下巻。開高氏がサントリーに入社して宣伝部に配属され、数々の名キャッチコピーを発信し、それに呼応するようにウイスキー事業を拡大する佐治氏の活躍が描かれています。本書中に紹介されている佐治氏の次の言葉「オーナー経営者が最も...続きを読む
  • 佐治敬三と開高健 最強のふたり〈上〉
    サントリーと言えば、商品の印象的なコマーシャルが数多くあって「宣伝が上手い」というイメージがあるのではないでしょうか。広告上手のサントリーを築いたのが2代目社長であった佐治敬三氏と、当時の宣伝部に属していた開高健氏の2人です。
    佐治氏が開高氏の才能を存分に発揮させ、非上場企業でありながら日本の食品産...続きを読む
  • 白洲次郎 占領を背負った男(下)
    日本一かっこいい男、白洲次郎を取り巻く人々のインタビューをもとに、功績の良い面と悪い面の双方に触れた良書。豊富な資料や参考文献から、著者が綿密に調査し、生身の白洲次郎の人物像に迫っている。
    ただ1つ、惜しむらくは最後の櫻井よしこの解説が、白洲次郎の本の解説ではなく、本人の主義主張を述べる場になってい...続きを読む
  • 松下幸之助 経営の神様とよばれた男
    20世紀を代表する偉大なる経営者松下幸之助氏の半生を書いた一冊。

    松下電器を創業し、ソケットや自転車ランプの開発に始まり、家電業界そして日本のみならず世界を代表する企業へと成長させたその手腕そして、先見の明と本質を見抜く力は卓越しており、読んでいて舌を巻くばかりでした。

    また、水道哲学や企業は社...続きを読む
  • 白洲次郎 占領を背負った男(上)
    坂本龍馬と通ずるものがあると思った。破天荒だけれど、視線は常に日本の将来にあり、それに向けて行動できる点が。
  • 叛骨の宰相 岸信介
    雑誌の「選択」に田中角栄と岸信介の似ている点と違う点を論評しているコラムがあって、改めて岸について知りたくなった。そうしたところ、我らが北先生が既に岸信介の評伝を書かれているじゃないか!ということで早速読んでみた。変わらず北作品は平易な文章でサクサク読み進める、控えめだけどリアリティのある会話の風景...続きを読む