北康利のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
■■日本人にしか出来ない!!■■
そんな「職人気質」は、日本人には残っているはず。標準化できない部分にこそ職人の活躍の場がある。そんな、今に伝える伝統的な職人の多くは、現在、トキのような状況に陥りつつある。
職人の技に興味があるが。。。そんな思いで、職人のまちへひとりで行く前に読んだ本。
「伝えたい技は沢山ある。ただ、それを身につけるだけの修行に耐える忍耐力は、今の若者にはない。」そんな事を言われたことが印象に残ってる。
欧米とは違い、慈善事業ではなく技術移転の形で途上国へ貢献してきた日本。全てを教えられるわけではなく、同じ製品でも感じが違う。日本人にしかない感性でモノをつくることの大切さを伝えなければいけない。そう思った自分が居ます。 -
Posted by ブクログ
白州次郎も読んだが、著者の偉人を通して伝えたいことが一貫しており、とにかく読みやすく刺激的である。
吉田茂。無駄な欲がなく、自らの仕事を愚直に遂行する。多少の強引さも見受けられるが、時代が求めた信念を持った政治家である。
立場が人を作るというが、それ以上の貫禄ある振る舞いと言動がどうにも魅力的に映る。
"「俺の秘書官にならんか」 と言ってくれたが、「私は首相なら務まると思いますが、首相秘書官は務まりません」 と答え、みすみす首相秘書官になれるチャンスを棒にふっている。」"
早期終戦を望んだ外交を行い、拘束をも経て大臣の立場となる。
敗戦国の立場であっても毅然とした態度で外交に挑む姿は格好良さしかない。
最も誇りを持ちながら、名誉は望まないこの強さが現代人の私にとって響いた部分であった。
人徳と強引さを兼ね揃えた吉田茂、下巻が楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
この時代の人たちがかっこいいよ。
豪快豪傑な感じがあるし、誰かや何かのために命を燃やせる雰囲気が時代に漂っている。
日本国憲法がこんなに短期間で、思惑をぶつけまとまらぬ中で決まったことが信じられないが、この熱量が現代にも必要かもしれない。
白州次郎、皆に好かれる快活なやんちゃ坊主な幼少期。魅力ある男は大体これ。軽さや勢いが止められない感じで情に熱い。
人生の切り取り方なので本当はどうなのかわからない。ただ、本として人生をこれだけまとめてくれる人がいるということ、そして顔が年相応にかっこいいということで憧れるべき人間なのだということがわかる。
そして、この男に破天荒な親父ありですね。
"寝室のベッドの下には棺桶が用意されていた。青年期は海外に雄飛し、壮年期は事業で一世を風靡し、一敗地にまみれはしたものの晩年は悠々自適の時間をすごして、誰にも迷惑をかけずに世を去っていった。実に羨ましい人生である。彼に無相院心海釣月居士という戒名をつけた心月院の住職もまた、白洲文平の人となりを見事に表現している。 次郎は父・文平の死を出張先のロンドンで知った。思うがままに生きた羨ましいほどの人生であってみれば、ことさらに悲しいという感情は湧いてこず、生前文平が喜んでくれたりほめてくれたことばかりが思い出された。" -
Posted by ブクログ
土佐藩の士族・竹内綱の5男として1978年に生まれ、吉田健三の養子に出され、牧野伸顕の娘・雪子と結婚したことから、実父、養父、義父として3人の男らしい人物の薫陶を受けて後の日の骨のある外交官・政治家として活躍するまでの半生が迫力ある筆で語られている。1916年に寺内正毅首相からの首相秘書官就任要請に対して、「私は首相なら務まると思うが、首相秘書官は務まりません」と断ったという逸話。1931年に新任イタリア大使としてムッソリーニと初対面の際に、最後まで近寄らずにムッソリーニから歩いて近寄らせたという逸話、1945年のマッカーサーのとの初対面でも葉巻を勧められた際に、自らの安価な葉巻を取り出して勝者としてふるまう将軍をムッとさせたという逸話、いずれも気骨を感じさせる「いごっそう」としての面目躍如たる姿を見せられ、痛快!
親英派として、国から警戒され、逮捕までされた。外務省同期の広田弘毅との繋がり、近藤文麿との信頼の深さなども印象的。1944年に米国の駐日大使だったグルーと言う人が国務次官として皇居爆撃による天皇殺害計画に反対し、原爆投下を避けるためにも早く日本を降伏させると動き回っていたという記事は清涼剤だった。 -
Posted by ブクログ
北康利による白洲次郎の伝記。次郎の幼少期から戦後GHQ統治時代の憲法改正プロジェクトへの関わりまでを描き、サイドストーリーとして妻の正子や父の文平、祖父の退蔵、また友人となった近衛文麿や福沢諭吉など著名な人物たちの背景まで語られる。戦争に向かってゆく・敗戦後処理を行う日本における重要人物が白州次郎のストーリーを軸にしながらこれでもかというほど登場するため、歴史の勉強になる。また、白洲次郎に期待される豪快なエピソードも多く登場するため、面白い。
超上流階級・大金持ちの生まれで、留学などもしながらのびのびとした生活を送る中で育まれたのが、「プリンシプル」と考えると、この人が「プリンシプルのない日本」とか言ってるのはいただけない。ただ、なにが彼の優れた人間性を形作っていたかといえば、真っ直ぐ・素直で、情に厚く、信念のためには地位も気にせずに自由闊達であったということは疑いなく、こういう心持ちは持っていたいと思った。また、とはいっても、上流階級のなかでのびのびと、媚びへつらったりもせずに過ごしていたのはレアなのかもしれないが、そこそこ空気も読んだり、謝る時は謝ったりと、単なる傍若無人であればいいというわけでもないので、バランス感覚を学ぶのはなかなか難しい。
思い出すと、こういう「プリンシプル」というのは、彼なりのモラル、教養のことであって、自分なりに高潔に振る舞おうというプライドや意識が高かったことの表れなのではないかと思う。そういう意味では自律の人であったのだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2023/08/02 読み終わった
Twitterでジャーナリストの方がおすすめされていたので。
政治家の、特に近現代日本の政治家の伝記を読んだのは初めてかもしれない。
他の方のレビューで「安保闘争のイメージしか無かったが180度変わりました」などとあったが、俺は安保闘争のイメージも無かった。安倍晋三元首相のおじいちゃんのイメージしか無かった。そんなレベルから読んだ。
青年期〜戦時中までは歴史物として、戦後〜組閣あたりはルポルタージュとしてなんとなく勝手に頭が整理して読んでた感じ。
どちらかというと青年期〜戦時中の方が楽しんで読めた。当時の日本官僚がどんなことを考えてどう行動していたのか。当然だけど今の官僚の働き方と全く異なる。満州をどうしよう、とか。
そのようなOSで生きてきた、同じ人物が、戦後も変わらず日本を動かしている。そういう点に、当たり前だけど今の日本と戦中戦前は地続きなんだって、実感する。
戦後〜組閣はかなりドロドロの政治権力闘争で、やれ誰の顔を立てるとか、やれ誰に貸しがあるとか、そういう感じ。それが政治なのかな。今もそうなんだろう。
そんな魑魅魍魎うごめく永田町で、「国民に媚びる政治家を疑え」の帯のとおり、日本と日本国民の未来を考え、そして自らの信念を突き進んだ彼政治人生は、高潔とは言えずとも、輝いていると思う。