堀川アサコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この作者の書く津軽弁(で、合っているのでしょうか)の物語は、その響きもあってか、怪しさとか淫靡さ(猥雑さかなあ)とか、私には好ましい雰囲気の物語になっています(津軽弁が怪しいとか淫靡だとか言っているのではありません。小説の雰囲気がそう思えるということですので、誤解なさらないでください)。「たましくる」の怪しさ、哀しさと同じものを感じました。
津軽の言葉からのイメージかもしれませんが、美男の主人公(?)にはどこかしら津島修二の陰を感じました。また、登場人物のあれこれに、「斜陽」のサイドストーリーというか、「斜陽」のスピンオフかな?というようなイメージをも持ちました。
魔法使ひの話だから、登場人物の退場もしかるべく行われたのかな?と思いつつも、狂言回しは、主人公はこの人か、ということが読み終わらないと分からない感じで、意外に思うことの連続でした。
幻想シリーズとか、座敷童とか、全く違った雰囲気のものも大好きですが、この雰囲気のものももっと読みたいと思います。 -
Posted by ブクログ
幻想郵便局の続編。前作を読んでから随分と時間が経った気もしますが、ひさしぶりの郵便局の面々に会えて良かったです。主人公のアズサは東京でお菓子会社のOLをしてるんですね。
今回の舞台は罪を洗い流せる温泉。その前に神様に脅されたとは言え銀行強盗をしてみたりと以外とハチャメチャ。温泉も一筋縄では辿り着けない。新キャラの占い師のベガさん。実は...
罪にも大小はあるけれどひとには言えずにあの世まで持って帰りたい罪もあるはず。悪いことをしたから次は良いことをしようとも思うはず。
あの世とこの世を繋ぐゆるい世界観がほのぼのしていて好きな作品。最後、幽霊からの贈り物をもらったアズサ。その後の続編もあると嬉しいな。 -
Posted by ブクログ
この辺りの時代の小説は夢枕獏の陰陽師くらいしか知らないので読むのに少し時間がかかった。けど読みやすい。
読んだ後気づいたけど、ほとんどの登場人物は死んでる気がする…
最初は妖とか出てくるファンタジー?と思ったけどどちらかと言えばそれは少しおまけ要素なのかも。
理不尽だと思った神様はやっぱり神様なだけあって平等なのね、というのが最後に分かってすごく腑に落ちた。
ドロドロした人間の欲が渦巻いて、位の高い人間のどす黒さをより濃くしている。そういう人間ばかりが登場するせいか、小槌丸が純粋にすら見えてくる。(そんなわけはないのだが)
小槌丸が嫌っていた月夜彦、時折兄として導こうとしているというか、救ってあげようとしているというか、そういう描写が色々あったように思えて切ない。
小槌丸にとっても月夜彦にとっても女神のような存在だった千名姫は人間どころかお前が妖だよっていう…
エログロに近いけどそこまでではないかな。もうちょっと艶めかしくても良かったかなと…一番いいなと思ったのは幼く淫蕩な乙姫ですね。
ラストの描写、小槌丸の身分が明らかになったので…というように思えないのが余韻を残してとてもいい。
力のある神様より欲を持った人間が一番恐ろしいということを描いた分かりやすくて面白い作品だった。