堀川アサコのレビュー一覧
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うさぎ通り商店街にある小さな不動産屋・丸亀不動産。二瓶社長の元で働くただ1人の社員・間山美波は幽霊が見える。その能力ゆえに社長に、幽霊が出るアパートに送り込まれ…。美波が遭遇する幽霊騒ぎが3話収録。
幽霊が出て入居者がどんどん出ていってしまうアパートでは管理人に泣き付かれ、転居した先々で幽霊を見るという女性の部屋には泊まり込み、カラオケの練習中に死亡した男性の部屋で流れ続ける音楽を止めるべく故人の恋人を探そうとする。どこかほのぼのとした話。
ただちょっと迷走しているような印象。美波のお仕事話にしたいのかと思いきや、恋愛要素を入れたいのか、謎に思わせぶりな男性キャラクターが出てきたり。なんかちょ -
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「お惣菜屋さん」で働く=小野寺史宜さん「ひと」のおかずの田野倉を思い出す!
勿論内容は違うけれどなんとなく似たような雰囲気を感じる。
所謂お仕事小説とは、またちょっと違う印象だけど気を張らず楽しみながら面白く働く…こういうお仕事小説も良い。
あまり難しく考えなくても軽く読め心の平穏に最適。
ここでも出てきたなぁ…家族の絆と束縛…という言葉。
そして人が集まるところには日向が出来れば日陰もできる…そうそう、ガンガン自分の感情を表に出す…それって受け止めてくれる人がいるからこそ成り立つのだという事をどの位の人が気付いているんだろうなぁ…と漠然と思いながら、そう、堀川さんの小説はなんかいつもサラサ -
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幻想シリーズ 第3弾
日記を売る、日記店をメイン舞台とした幻想物語。
日記店の店主である猩子は、日記を収集しつつ、
人に読ませる目的て書いたものではない「本当の日記」を売っている。
医者の仕事を辞めてカフェを開いた父の頼みで、山に自然にあるという
お茶の葉を摘みに出た、息子で大学生の友哉は、かごいっぱいに茶を摘んだ
ところで、土地の持ち主である日記店の店主に見つかり、店でタダ働き
することになる。
人に読ませる目的ではない日記・・・
交換日記やネット上で公開するのとは違い、読まれてしまうことを
意識しない日記であり、作中では言霊が宿るとされている。
それを読んだ人がどうなってしまうのかという -
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幻想シリーズ最新作。
平安貴族だった『殿』と登天さんが様々な人に手紙を届ける連作短編集。
9話あるのだが、どれも掴みどころがないというかシュールというか、一筋縄ではいかない。
登天郵便局が死者と生者を繋ぐ場所、死者があの世へ向かう場所だけにそんな設定も当然なのだが。
生者ではない者が絡む三角関係に、怖い噂話、少女の書いたファンタジー、恋を引き裂く呪い、嗜虐心をくすぐる青年、運を吸い取る友人、選択が苦手な青年、父の葬儀を終えた三姉妹、魂の入れ替わり。
中には思いがけずホッとできる話もあったが、怖いオチだったりシュールな話が多かった。
これら9話の行き着く先はどこなのかと最終話を読んでみたが