堀川アサコのレビュー一覧
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幻想シリーズ第十作。
今回の主人公はシリーズでも特に個性的な真理子さん。
惚れっぽくて、それが原因で殺されて一時怨霊になっていた真理子さん。一度はあの世へ行ったはずが『そのままスルリとこちらに帰ってきて』『何気ない顔で生活をしている』。
それでも相変わらず惚れっぽく、さっそくダリ髭の紳士(映画館時代に一緒に暮らしていた男そっくりらしい)と交際中だ。
それだけではない。調査で出向いた市役所では若手職員にいきなり交際を申し込まれているし、やはり調査で出向いた関係者の老人にはいきなり求婚されている。異性にはモテモテだが一部の女性には嫌われているのも相変わらずだ。
<たそがれ探偵社>の大島ちゃん -
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ネタバレ銀座の名だたる劇場に東京市内にカフェーを十一軒経営する牧野求助が書斎で射殺体で発見される。
顔は赤ペンキで無造作に塗られて。
三男の放蕩息子、心太郎は葬儀の為、渋々牧野家に戻ってくるが、匿名の通報により、警察に連行される。
心太郎は兄のお陰でなんとか釈放されたあと、留置所で聞いた、麻布のマユズミ探偵研究所を訪ね、冤罪を晴すよう依頼するが。矢先に起こる第二の事件。
背の高い栗毛色の髪をふわりと伸ばした優男、黛望。住む場所を失い、探偵助手となった心太郎。
彼らの元へ次々と舞い込む不思議な依頼たち。
やがてそれは巷を騒がす「黒影法師」の秘密とつながって。
昭和初期の東京。
ルックスだけは良い心太 -
購入済み
闇があるのか、どうなのか
社会奉仕のつもりで探偵の真似事をする華族の次男坊と父親殺しの犯人にされかかった遊び人のコンビ。といってもそれぞれ別行動が多いのでコンビネーションの良し悪しは良くわかりません。黛の推理がどんな過程をたどるか作中で語られないし、だいたい事件は謎が残ってつながっていくばかりでちっともスッキリ解決しないし。何だかモヤモヤが残ります。物凄い闇が背後にありそうですが、続きが出たら明かされるのでしょうか。
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堀川さんの作品を読むのはこれが初めて。
「幻想~」というシリーズ物の、これが第一作であるそうだ。
文庫になったのが8年前。
原著は東日本大震災より前のようだ。
就活に失敗して実
家に戻った安倍アズサという女性が主人公。
何気なく履歴書に書いた「特技は探し物」というコメントがもとで、「登天郵便局」のバイトの職を得る。
この郵便局、この世とあの世のあわいにあるらしい。
あの世の人となった娘から形見が送られてくるのを待ちわびる老婦人(非常に居丈高)や、成仏できないキャバ嬢真理子さんなどが日々訪れてくる。
しかも、この郵便局、狗山神社のお社を奪う形で建てたものであることもわかってくる。
狗山神社 -
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あの世とこの世が繋がっている場所を舞台にした〈幻想〉シリーズ第九作。今回の舞台は『世界のハテ商店街』。
ふざけたネーミングだが物語はシリアス。だが文体は軽快でコミカル。〈幻想〉シリーズらしい話。
新しく出来た大型モールへの移転を迫られる『世界のハテ商店街』。移転していく店が増える一方で立ち退き断固反対を訴える店もある。主人公の小学生・ホタルの祖父もその一人で反対派と共に市役所の担当者と闘っている。
そんな中で『交差点のアカリさん』なる女性の怨霊が現れるようになり、彼女の祟りを気にして立ち退く者が増えていく。
これまでのシリーズ作品では、コミカルな語り口やキャラクターの一方で残酷な展開になる