あらすじ
就職浪人中の安倍アズサは、「なりたいものになればいい」と親から言われてきたけれど、なりたいものってなんだかわからない。そんなときに特技欄に“探し物”と書いて提出していた履歴書を見て、アルバイト決定の連絡が。アルバイト先は、山の上、ぽつんとたたずむ不思議な郵便局。そこで出あった不思議な人々と不思議な世界とは……。ようこそ、登天郵便局へ。オリジナルのものから改稿し、さらにグレードアップ! 読書メーター読みたい本ランキング第1位。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
少しゾッとしつつ読んでいた。
ファンタジーというよりホラー寄りな気がするのは、恐らく彼岸と此岸の境目にある場所のお話だったから。
私も“功徳通帳”に記帳してみたい。
いくつ徳を積んでいて、いくつ罪があるのだろう。
Posted by ブクログ
引っ越しを機に本を整理していたら出てきた、
幻想シリーズ。
生死の境目に立っている郵便局に
就活浪人生のアズサは、何かに導かれるようにアルバイトを始めるが…。
中高生くらいのときに読んでいた本作でしたが、
生死の境で見まえる、生きることへの活力だったり
人間とは違えるものたちとの交わりがとても優しく描かれていると思いました。
Posted by ブクログ
幻想シリーズ第1弾
就職浪人中の安倍アズサは、履歴書のに書く資格がなく、
就職担当の職員に怖いかををされ、特技として「探し物」などと
書いてしまっていた。それが功を奏したのか、就職担当の職員から、
名指しでアルバイトの求人があるとの連絡があった。
職場は山頂にある不思議な郵便局。次々と不思議な人々に出会う。
作品を読む前の知識として、ファンタジー作家と言うことで、
初めてこの作家の作品を読み始めました。
そこで感じたのは、ファンタジーではあるものの、
ホラーの要素もあり、いろいろと不思議な展開が待ち受けてると期待しつつ
読み進めていきました。作品に登場するある人物の存在が、
最終的には、ファンタジーとホラーにもう一つの要素をプラスして、
読みごたえを与えてくれます。落ちもあり、解説によると、
シリーズ次作の「幻想映画館」にも地続きということで、
近い将来読む予定なので期待が膨らみました。
余談ですが、平成6年に流行った小沢健二のCMソングや飲み物が
出てきたのは、当時をうろ覚えですが知っていた身としては
懐かしさが感じました(笑)。
Posted by ブクログ
作者の出身が幽世に最も近いとされる青森ということに妙に納得してしまいました。ほんの僅かな紙面で語られる「アユム」くんのエピソードがとても印象的で、あやうく通勤電車の中で落涙しそうになりました。
Posted by ブクログ
おもしろかった‼最初は主人公のアズサに感情移入出来ず、どうなることやら、だったけど、なかなかどうして、おもしろかった‼ 真理子さんのキャラが良いよね〜☆わたしの中では鳥居みゆきなんだけど(笑)心霊とか大好きなわたしはハマりました。 亡母にもこんなふうに手紙を出したり、届けてほしいなとちょっと涙ぐみつつ、笑っちゃう場面もありつつ☆ 続編も読みたいと思います。これ、イイわ☆
Posted by ブクログ
あなたは、『郵便局が選んだ人でなきゃ、来ることができない』という『郵便局』を訪れたことがあるでしょうか?
2024年6月現在、全国には23,532もの『郵便局』があるそうです。東京都の1,472局から沖縄県の198局まで、都道府県によってその数に違いはあれど『郵便局』は私たちの日常に当たり前のように存在する施設でもあります。
とは言え、昨今のLINEやメールでのやり取り、ネットバンクの趨勢から物理的な『郵便局』自体に訪れることはめっきり減ったと思います。かく言う私も直近で『郵便局』に行ったのは年単位で遡らなければならない年数になってしまってもいます。しかし、今も大切な役割を果たし続ける『郵便局』は今後もなくなることはないのだと思います。
さてここに、『山のてっぺんに建っている』『郵便局』を舞台にした作品があります。五人が働く山上の『郵便局』を描くこの作品。そんな『郵便局』で起こる摩訶不思議な光景を見るこの作品。そしてそれは、『あの世との境目』に建つ『登天郵便局』を訪れる人たちの悲喜交々を見る物語です。
『今日は九時から新しいバイトだ』と、『七月の晴れた朝、郊外の一本道を』『自転車を走らせる』のは主人公の安倍アズサ。『春にいっしょに短大を卒業した友だちは、就職してそれぞれ忙しく暮らしてい』る中、一人『就職浪人をしている』アズサ。『肝心のなりたいものが、わたしには判らなかった』というアズサ。そんなアズサは先週、『学校の就職課から、思いがけない連絡』を受けました。『特技欄に』『探し物』と書いた履歴書を『見て、あなたのことを名指しでアルバイトの求人が来てる』と電話口で話す担当者は『良かったら月曜から来てください』『好きな私服でいい』という連絡事項を伝えます。『どういう仕事なんです。トレジャーハンターとか?』と訊くアズサに『郵便局よ』と話す担当者は『切手類を売り、郵便物を受け付ける仕事』と補足します。『どこの郵便局ですか?』と訊くアズサに『登天(とうてん)郵便局』と答える担当者ですが、具体的な場所を訊くと『口調が急に不明瞭にな』りました。『変な場所にあった』という『登天郵便局は』『地図によれば、山のてっぺんに建ってい』ます。『珍しいですね』、『珍しいわよね』と会話する二人。そして、そんな目的地へと自転車を走らせるアズサ。そんな時、『登天郵便局はどちら…?』という『わたしの考えを聞いていたかのように』『その人は唐突に現れて、自転車を挟んで車道側からこちらを見てい』ます。『登天郵便局は、ですね ー』と説明を始めたアズサは『彼女の香水に混じって、なにか焦げたにおい』を感じます。『よかったら、後ろに乗っていきますか?』、『あたし、登天郵便局のアルバイトなんですよ』と誘うアズサに『本当?本当に?助かるわ、ありがとう…』と答える女性。『再び自転車をこぎ始めた』アズサは『後ろに乗った人は、なぜか少しも重さを感じさせな』いと気づきます。しかし、『道がない』と行き止まりになってしまった目の前の光景に慌てるアズサは、『実は今日、初めての出勤なんです』と説明します。『遅刻の連絡だけでも入れよう』と思うも携帯が見つからないアズサ。そんなアズサを見て、『ごめんなさいね。あたしの携帯電話は、火事で燃えちゃってそれきりで…』と申し訳なさそうに言う女性。やむなく近所にあるはずの食堂へと自転車を走らせるアズサの目の前には『ドライブインの廃墟』がありました。『廃墟は怖い』と思ったのと同時に『体が、ぴくりとも動かなくなってしま』ったアズサは、『金縛りになってしま』います。そんなアズサの目の前の『ドライブインの中では』『なにかが動いてい』ます。『犯罪者か ー 物の怪か ー』という中に『泣く子も黙るといった風の大男』が現れました。『安倍アズサさん』と『こちらの名を云い当てた』男の『胸元に、ネームプレートが付いてい』ます。『登天郵便局 局長 赤井』と書かれているのを見て『登天郵便局の局長?』と認識し『魂まで抜けてしまいそうなほど、大きな息をついた』アズサですが『金縛りが解けない』ために『赤井局長に担がれて軽トラックの助手席に乗せられ』ます。そして走り出した車中で、『ドライブイン』は『郵便局の物置に』使っている等説明を受けたアズサ。そして『短いドライブの末』『午前の就業時間が半ばまで過ぎた頃』に『登天郵便局にたどり着』きます。『築十年ほどの局舎は、木造一部二階建』という建物へと入ったアズサ。そしてアルバイトを始めたアズサの前に繰り広げられる『登天郵便局』を舞台にした摩訶不思議な出来事の数々が描かれていきます。
“就職浪人中の安倍アズサは、「なりたいものになればいい」と親から言われてきたけれど、なりたいものってなんだかわからない。そんなときに特技欄に“探し物”と書いて提出していた履歴書を見て、アルバイト決定の連絡が。アルバイト先は、山の上、ぽつんとたたずむ不思議な郵便局。そこで出あった不思議な人々と不思議な世界とは…”と内容紹介にうたわれるこの作品。堀川アサコさんの代表作であり、このレビュー執筆時点で11巻まで刊行されている”幻想シリーズ”。この「幻想郵便局」はそんなシリーズの出発点、第一作目となる作品です。
そんなこの作品は、『山のてっぺん』にある『登天郵便局』が舞台となります。
● 『登天郵便局』について
・『田んぼの中、マウンド状に盛り上がったごく低い狗山(いぬやま)の山頂に、それはぽつねんと建っている』
・『築十年ほどの局舎は、木造一部二階建。外壁はサイディング張り』
・『局舎の裏には圧倒的に広い花畑が広がっていた』
→ 『わたしがこれまで見たことのない、まるで天国みたいな風景』
いかがでしょうか?これだけだと美しい自然の中に建つごく普通の『郵便局』という印象、ただそれだけだと思います。しかし、問題はこの『郵便局』がそれだけの存在ではないことです。続きを記しましょう。
・『登天郵便局は、とどのつまりは地獄の一丁目』
・『登天郵便局は、郵便局とは似て非なるものである。少なくとも、現世の生活に必要な場所ではない』。
・『登天郵便局は、冥界と現世の境界に建っている。山のてっぺんなどという不便な場所にあるのは、そのためだ』。
はい、一気に違う景色が見えて来ました。上記で『圧倒的に広い花畑』、『まるで天国みたいな風景』という記述がありましたが、それはさらに『物理的に筋が通らないほど広大な花畑が広がっている』とも記されます。次第にこの『郵便局』の設定が見えて来ました。決定打が次の一言です。
『死者はこの花畑を抜けて冥界へ向かうという』。
そうです。この『登天郵便局』は現世を後にする人があの世に行くために必ず通る場所にあるのです。これは面白くなって来ました。この作品はそんな『郵便局』を舞台に繰り広げられるファンタジーな物語なのです。私は今までに900冊の小説ばかりを読んで来ましたが、同じように現世とあの世の境目となる場所を舞台にした作品が幾つかあります。せっかくですので整理しておきます。
● 現世とあの世の境目を舞台にした作品一覧
・桜井美奈さん「さようならまでの3分間」: 現世への『未練を断ち切るため』の三分間に光を当て、その整理を手伝う『交通整理人』のお仕事を描きます。
境目の表現 → 『ゲート』
・西條奈加さん「三途の川で落しもの」: 『三途の川』まで来たにも関わらず現世に未練を残す人たちの姿を『渡し守』たちのお仕事を通して描いていきます。
境目の表現 → 『三途の川』
・辻堂ゆめさん「ようこそ来世喫茶店へ」: 『人は死ぬたびに、この世と喫茶店を往復する』という設定の下に、客となって訪れる人の未練を見る店員のお仕事を描きます。
境目の表現 → 『喫茶店』
「心淋し川」で直木賞を受賞された西條奈加さんがこのリストに登場するところが少し異色ですが、いずれ劣らぬ興味深い世界を提供してくれる作品群です。そして、この作品では、そんな境目に『登天郵便局』が建っているという設定の下に描かれていきます。ただし、上記作品群と少し異なるのは、上記作品群では、境目を訪れる人たちの現世での未練に光を当てていく繰り返しであるのに対して、この作品では『登天郵便局』というもの自体に光を当てて、ある種コミカルにこの設定を描いて行くところにあります。そんな『郵便局』には五人の人物が働いています。
・赤井: 『局長』。『赤くて大きな顔がナマハゲそっくりの、泣く子も黙るといった風の大男』
・青木: 『オネエ言葉を使う』『どこにでも居そうな中年のおじさん』
・鬼塚: 『人間と呼ぶにはあまりにも長身で肩幅が広く、全身が筋肉細胞のみでできているような姿』
・登天: 『郵便配達員』。『軽く米寿を越えている』
・安倍: 主人公。短大で就職浪人。『探し物』が特技と履歴書に書いたことから採用される
物語は、この五人のそれぞれの働きが描かれていきますが、あくまでそれは主人公である安倍の視点で描かれるものです。何かしら謎を秘めた『登天郵便局』。物語の展開に連れてその実像が少しづつ浮かび上がってきます。
『登天郵便局は、本当にここを必要としている人だけを選ぶんだよ。登天郵便局が選んだ人でなきゃ、来ることができないんだから』
どこまでいっても不思議な存在である『郵便局』には不思議な事ごとが多々発生します。そんな物語を最初から最後まで通しで繋いでいくのが、冒頭のアルバイト初日に『登天郵便局』へ自転車を走らせるアズサの前に現れた一人の女性の存在です。『半分焦げた真理子さん』とも言われるその女性は『死んで成仏できない』幽霊として描かれていきます。そして、物語は後半に入って、そんな真理子が『成仏できない』理由を巡るミステリーとして展開し始めます。また、その一方で、『登天郵便局』自体に訪れる危機が並行して描かれてもいきます。
“生命を落としたからといって、生きていた人が、消えてしまってたまるか”
そんな風におっしゃる作者の堀川アサコさん。この作品にはそんな堀川さんの筆によって、生きていた人があの世へと確かに向かっていく姿が描かれていました。
『物理的に存在しているのに、生者・死者ともに、登天郵便局が必要でない人には、見えていても見えない。ここに来る気も、決して起きない』。
『あの世への通過点』である『登天郵便局』を描くこの作品。そこには、そんな『郵便局』で働き始めたアルバイトのアズサ視点で見る摩訶不思議な事ごとの数々が描かれていました。さまざまな事ごとが次々に展開する中に飽きることなく読み通せるこの作品。そんな場所が本当にあるかもしれないと思えてもくるこの作品。
幾らでも展開できそうな余裕のある物語設定に、是非続編も読んでいきたいと思う、そんな作品でした。
Posted by ブクログ
全体的にふわーっとしていて、ほっこり楽しめる…と思いきや、事件の描写はどぎつい表現もあり。面白かったけど、事件の中身ももう少しふわーっとしてたらなお良かったかな。空想的な世界と現実的な世界が混在している感じでした。
Posted by ブクログ
本のあらすじに「癒し小説」と書いてあるが、どこが癒しなんですか!?って思うくらい、展開が予測不可能で面白かった。
冥界と現世の境にある"郵便局"が舞台で、就職浪人中の安倍アズサがそこでアルバイトをする話。
アルバイトなのに、巻き込まれる事案はなかなかハードだと思う。
それでも、周りの人?幽霊?に手助けしてもらいつつ、解決していくところがまた良い。
この幻想シリーズは、登場人物が少しずつ繋がっていくみたい。
次の幻想映画館も読んでみようっと。
Posted by ブクログ
ファンタジーになるのか、タイトルの通り幻想が混じった話(ジブリの千と千尋の神隠しを思い出した。)
真理子さんが成仏してくれてよかった。
Posted by ブクログ
非現実的な設定なのに、あまり違和感なく読み進められる。
山の上の、必要とする人だけに存在する登天郵便局。
亡くなった父を想いながら、読めました。
Posted by ブクログ
彼岸と此岸の境目にある幻想郵便局でバイトする事になったアズサを取り巻く出来事が、ファンタジックも然りミステリー要素も含まれて物語の背景を想像したり、思考したがら楽しんで読めました!
優
青木さんは,口は悪いけれど心根は優しくて頼りになる。
あんな友達がいたら,なんでも心置きなく話せそうだ。
死んだら無になるの?
その答えはノーであってほしい。
Posted by ブクログ
お花畑が広がる郵便局。此岸と彼岸の垣根が低い。成仏できない怨霊やら殺人事件やらが絡んでいるとは思えないほど、明るく懐かしい感じが漂う小説。主人公がとかく呑気な性格で、怖がる様子もどこかゆるい。そんな彼女の“焦げた真理子さん”という表現が私的にツボ。土着の神が一番底知れず怖いが、郵便局の面々の対応も別の意味でヒヤッとする。季節感を味わうなら、夏休みあたりがちょうど読み頃と思われます。
Posted by ブクログ
少しホラーテイストが入りつつ、あの世とこの世の通過点の登天郵便局のメンバーの個性的なキャラと、そこへ集う大奥様の強烈なキャラがお気に入り。地縛霊の真理子さんがあの世へ行けない理由、そして犯人が意外な人物でビックリでした。アズサは就職出来たけど、また登天郵便局でバイトするのかな?
Posted by ブクログ
最初はサクサクと展開も面白かったけど、終盤はなんかもう一歩。ハッピーエンドへのもっていきかたが無理矢理感があった。
でも、続きも読みたい。生きているものと死んでいるものとの境ってどこかにありそう。
Posted by ブクログ
特技が「探し物」という何でもマイペースな就職浪人の少女が働くことになったのは「あの世とこの世を繋ぐ」郵便局だった、という現代ファンタジー。
文体やストーリー、振り仮名などから児童小説の空気を醸し出しているが、その割には突然複雑な心理描写があったりして油断できない。全体的にほのぼのした雰囲気の中、突如戦いが巻き起こり非常なほどあっさり決着がつく。最後の和やかなエピローグに若干モヤモヤするが終わり方としては急ぎよいとも思う。教訓は「いろいろあっても、みんな変わらず明るく生きていくべし」かな。
アニメで見てみたい
ストーリーは感いるところがあり、好きですが主人公の性格が当初の描写と変わっていっている感じがするのが気にはなるが!
Posted by ブクログ
あの世とこの世の境目。
そんなところに存在する郵便局に探し物が得意なだけで、
就職してしまった女の子の奮闘?物語。
ほんのりファンタジーな雰囲気で
亡霊も神様も生きた人間もまぜこぜの世界で
のんびりした主人公がおっかなびっくり関わっていく様子が
よかった。
神様は怒らせちゃいけないね。
Posted by ブクログ
ちょっとファンタジー色の強いホラー小説。
主人公アズサは普通の人。ちょっと人より探し物が得意ってだけ。
このアズサがいろんなことに巻き込まれ、いろんなものに出会い、それでも日常を過ごして行くお気楽さが読んでいて元気が出てくる。
Posted by ブクログ
堀川さんの作品を読むのはこれが初めて。
「幻想~」というシリーズ物の、これが第一作であるそうだ。
文庫になったのが8年前。
原著は東日本大震災より前のようだ。
就活に失敗して実
家に戻った安倍アズサという女性が主人公。
何気なく履歴書に書いた「特技は探し物」というコメントがもとで、「登天郵便局」のバイトの職を得る。
この郵便局、この世とあの世のあわいにあるらしい。
あの世の人となった娘から形見が送られてくるのを待ちわびる老婦人(非常に居丈高)や、成仏できないキャバ嬢真理子さんなどが日々訪れてくる。
しかも、この郵便局、狗山神社のお社を奪う形で建てたものであることもわかってくる。
狗山神社に祀られた女神との間に、土地の所有権をめぐる争いが起こっている。
アズサが雇われたのは、どうやらこの争いに何か決定的な役割があるらしい…。
と、あらすじはこんなところか。
ヘンな人がぞろぞろでてくる。
なのに、その人たちに奇妙なおかしみがあって、嫌いになれない。
生き死にのことはあまり面白おかしく扱うのは不謹慎とも感じる時もある。
でも、そうやって、人々の死を手の中で玩びながら、やがて迎える自分の死にも備えていくのだろう。
そう考えてみると、堀川さんの描くこの世とあの世の境界で起こる、滑稽なあれこれもまた、受け入れられる気がするのだ。
Posted by ブクログ
あまり期待せずに読み始めたのだが、思いの外面白かった。日常と非現実が薄っすら交わる、正に登天郵便局のようなお話。割とストーリーはほのぼのしているのに、徹頭徹尾薄寒さが漂う不気味さがあり、少しの緊張感に背を押されながら一気に読み進めました。でも癒し小説、ではないかな。文章力よりは設定で押し通すタイプの小説。
Posted by ブクログ
○おかしな登天郵便局に一人の少女が時間をかけて向き合う
短大に残って就職浪人中の安部アズサは、就職課への相談の中で「郵便局」の求人があることを知り、早速「登天郵便局」へと出勤することになる。特技である「探し物」を期待されてのことだったが、そこにいる職員は局長の赤井をはじめ局員の青木さん、謎の金ダライを回す登天さんなど、割とわけのわからないメンバーシップである。
アズサは、途中断念しかけながらも、登天郵便局に隠される「木簡」を探そうとしたり、巻き起こる様々な事件を解決しようとするが、実はこの場所は有名な心霊スポットだった!?
真理子さんが出てきた時点で、なんとなく幽霊モノかなと思うが、なかなかその全貌は見えてこない。アズサが不審にも思わない時点でややご都合主義的にも思えるのだが、アズサの真っすぐなところに読者はどんどん惹かれていく。最初は脱落しようとするのだが、だんだんメンバーや場所に愛着がわいていくのは、アズサだけでなく我々読者でも一緒でなかろうか。
黄泉の入り口であるこの郵便局が、現実世界の人間の成長を助けてくれるとは、きっと郵便局の人たちだって気づかなかっただろうね。
Posted by ブクログ
幽霊や神様と、気軽に話しすぎ(笑)
でもおもしろかった。
功徳通帳、ほしいな。御朱印帳よりリアルすぎるし、自分を振り返れて良さそう。
青木さん、小池さんの見た目でオネエキャラっていうのが好き。
次も読んでみます。
Posted by ブクログ
なかなか好きかなー
ホラー-ミステリー-ファンタジー…
いろんな要素が含まれてるけど、
最終的にはどこかほっこりする作品。
1番はアズサの気持ちに共感できたこと。
「夢」とか「なりたいもの」とか。。。
自分にもよくわからないし…
読みやすくていい作品だったけど
読みやすさ-展開の速さが際立ったせいで?
情景描写なんかが少なくて「パッ!パッ!」と
進みすぎちゃった感。
もう少しゆっくりふんわりでもよかったかな。
Posted by ブクログ
小節の表紙だけは知っていて、
あらすじも何も知らないまま今回読み始め。
現代ファンタジーなところはすんなり受け入れられたし、
導入がとても好みだったもので、読みました。
が、えっと……最後が……うーん……
狗山比売との対峙~終わりにかけてが、
駆け足すぎてついていけなかった感じです……。
とてもいいかんじに進んでいたので、
正体がわかった青木さんとの会話を、もっと楽しみたかった。
続編も手元にはあるのだが、うーん、どうしようか。
Posted by ブクログ
再読4回目。
ありえへん!と思いながらも、主人公と一緒に摩訶不思議現象を受け入れてしまう展開に。ちょっとホラーでファンタジー。嫌いな人は嫌いやろな、たぶん。
Posted by ブクログ
ジャケ買い&設定買い。
ぽやーっとした主人公だったけど、意外とがんばる時はキリッとするような…慣れたと思ったらまだ驚くかーとか。全体的にぽわぽわか。
カテゴリーはホラーと迷ったのだけど、どっちかといえばファンタジー色の方が強く感じたのでファンタジーへ。
多分続巻(関連作?)の映画館も読みます。